117 / 529
第9章 魔族襲来篇
第101話 凱旋
しおりを挟む
ムガ王国に戻る途中に兵士たちを発見した。どうやら魔族たちと戦うために配備されていたようだ。
「リュート殿!ご無事ですか?」
前線にいたカーブに声をかけられる。一応ローザはフード付きのローブを着ているので、魔族だとバレることは無いだろう。
「あぁ無事だ。魔族なら俺たちが撃退した」
「あの魔族をですか!流石はリュート殿だ。勇者になられただけはある」
「今は進化して大勇者だけどな」
「なんと!リュート殿は大勇者になられましたか!確かに体が大きくなっていますね。大勇者は勇者の中でも優れたものしかなれない非常に珍しい職業です。この世界の今までの累計でも、一桁代しか存在を確認されていません」
そんなに珍しい職業だったのか。あっさりなってしまったので、あまり実感はない。
「それより魔族は撃退されたのです。勇者殿の凱旋です。ぜひそのまま王城にお向い下さい」
王に言いたいこともあったので、そのままムガ王国に入ると、国民たちが俺たちを出迎える。
「流石は勇者様だ!」
「やはり、リュートさんは只者じゃなかった!」
「私たちを助けてくれてありがとう!勇者様!」
国中から歓喜や感謝の声が上がる。こういう経験は初めてなので、少し照れくさかった。
王城に着き、王の間に通される。いつものように、ムガ王が玉座に座って待っていた。
「久しぶりだなリュート。しばらく見ないうちにまた大きくなったな」
「まぁ色々あったからな」
「魔族を撃退してくれたようだね。他の国を代表して、私から礼を言わせてくれ。本当に感謝する」
「いや、いいさ。俺も征服されるのが癪だっただけさ。それから王にひとつ言いたいことがある」
「何だ?」
「魔族にも良い奴はいる。全てが全て悪いやつじゃない。俺は魔族と人間の関係を良くしたいと考えている。魔族とは戦うだけじゃなく、話し合いも出来る可能性もあるんだ。だから、もし、魔族が和平交渉をしてきたら、協力してくれないか」
王の間にいた兵士たちがざわめく。
「そんな魔族がほんとに居るのか…」
「俺たちに魔族を許せと仰るのか」
まぁこうなることは想定済みだ。だが、魔族に良い奴がいるのは事実だ。
「ローザ?」
ローザを呼ぶ。ローザと事前に打ち合わせはしておいた。
「彼女は魔族だ」
ローザのフードを脱がすと、角が顕になる。
「ローザは魔族に蔑まれ、人間界に逃げ込んできた。ローザは何も悪くない。悪いのは弱者を悪と蔑む現魔王の体制だ。だから、魔族も悪いやつだけじゃないことをわかってくれ」
ムガ王がローザを見る。
「確かに私たちは過去、魔族に侵略された。だが、彼女のような魔族もいることがわかったのならば、魔族との関係も変えられるかもしれないな…よし、私も協力する。話し合いに応じるという魔族はムガ王国への入国を許可する。時間はかかるかもしれないが、国民もわかってくれるだろう」
こうしてムガ王国は初めての魔族非差別国家となった。これで、戦う以外にも方法があることを他の国にも知って貰えるだろう。
そして、それでも征服してくる魔族は徹底的に潰す。そうすればいつかこの世界も平和になるだろう。
俺たち五人は家に帰るのだった。
「リュート殿!ご無事ですか?」
前線にいたカーブに声をかけられる。一応ローザはフード付きのローブを着ているので、魔族だとバレることは無いだろう。
「あぁ無事だ。魔族なら俺たちが撃退した」
「あの魔族をですか!流石はリュート殿だ。勇者になられただけはある」
「今は進化して大勇者だけどな」
「なんと!リュート殿は大勇者になられましたか!確かに体が大きくなっていますね。大勇者は勇者の中でも優れたものしかなれない非常に珍しい職業です。この世界の今までの累計でも、一桁代しか存在を確認されていません」
そんなに珍しい職業だったのか。あっさりなってしまったので、あまり実感はない。
「それより魔族は撃退されたのです。勇者殿の凱旋です。ぜひそのまま王城にお向い下さい」
王に言いたいこともあったので、そのままムガ王国に入ると、国民たちが俺たちを出迎える。
「流石は勇者様だ!」
「やはり、リュートさんは只者じゃなかった!」
「私たちを助けてくれてありがとう!勇者様!」
国中から歓喜や感謝の声が上がる。こういう経験は初めてなので、少し照れくさかった。
王城に着き、王の間に通される。いつものように、ムガ王が玉座に座って待っていた。
「久しぶりだなリュート。しばらく見ないうちにまた大きくなったな」
「まぁ色々あったからな」
「魔族を撃退してくれたようだね。他の国を代表して、私から礼を言わせてくれ。本当に感謝する」
「いや、いいさ。俺も征服されるのが癪だっただけさ。それから王にひとつ言いたいことがある」
「何だ?」
「魔族にも良い奴はいる。全てが全て悪いやつじゃない。俺は魔族と人間の関係を良くしたいと考えている。魔族とは戦うだけじゃなく、話し合いも出来る可能性もあるんだ。だから、もし、魔族が和平交渉をしてきたら、協力してくれないか」
王の間にいた兵士たちがざわめく。
「そんな魔族がほんとに居るのか…」
「俺たちに魔族を許せと仰るのか」
まぁこうなることは想定済みだ。だが、魔族に良い奴がいるのは事実だ。
「ローザ?」
ローザを呼ぶ。ローザと事前に打ち合わせはしておいた。
「彼女は魔族だ」
ローザのフードを脱がすと、角が顕になる。
「ローザは魔族に蔑まれ、人間界に逃げ込んできた。ローザは何も悪くない。悪いのは弱者を悪と蔑む現魔王の体制だ。だから、魔族も悪いやつだけじゃないことをわかってくれ」
ムガ王がローザを見る。
「確かに私たちは過去、魔族に侵略された。だが、彼女のような魔族もいることがわかったのならば、魔族との関係も変えられるかもしれないな…よし、私も協力する。話し合いに応じるという魔族はムガ王国への入国を許可する。時間はかかるかもしれないが、国民もわかってくれるだろう」
こうしてムガ王国は初めての魔族非差別国家となった。これで、戦う以外にも方法があることを他の国にも知って貰えるだろう。
そして、それでも征服してくる魔族は徹底的に潰す。そうすればいつかこの世界も平和になるだろう。
俺たち五人は家に帰るのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる