異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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外伝 新米転移者の異世界生活1

その3 レアモンスターに遭遇した件

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 街の外に出た。門番に見ない顔とか言われて止められなくてよかった。まぁここを通る人の顔を全て覚えるのは不可能か。俺みたいな顔のやつはいっぱい居そうだしな。

 しばらく街の外を歩くとモンスターを発見した。柔らかそうに弾むモンスターだ。恐らくスライムだろう。やっぱりファンタジーの世界と言ったらこいつは外せない。それにしてもこの世界のスライムは変わっている。大抵スライムは、青や緑が普通だろう。こいつは黄金がかった体に淡い光を放っている。

 「じゃあ攻撃してみるか」

 スライムはまだこちらに気づいていない様子なので、ゆっくり近づく。

 「おら!」

 剣をスライムに突き刺す。高級な剣なので、スライムは容易く貫かれ、そのまま力尽きた。

 「大したこと無かったな」

 体に力が漲るのを感じる。これがレベルアップか。そんなことを思っていたら、急に脳内に声が響く。

 『希少種の撃破を確認しました。追加報酬が付与されます』

 先程スライムがいた場所に宝箱が現れる。俺が倒したスライムは、どうやら希少種だったようだ。ラッキーだ。

 宝箱を開けてみる。中には指輪が入っている。せっかくだから右手の人差し指に装備した。

 レベルアップしたようだし、ステータスを確認してみるか。

 名前 カナト・ミツルギ
 種族 人
 職業 放浪者
 Lv  67
 
 技能 幸運 鑑定

 かなりレベルが上がり、スキルに幸運というのが増えた。効果はわからないがきっと悪い能力ではないはずだ。さらにスキル「鑑定」が増えていた。さっきの指輪に鑑定を使ってみる。

 〔奇跡の指輪〕:装備すると、獲得経験値がかなり増える。

 へぇ…これが鑑定。とても便利なスキルだ。しかもこの指輪もめちゃくちゃ強い。かなり有益なアイテムだ。

 再びモンスターを探しを再開する。数分歩くと、再びモンスターを発見した。あの見た目は恐らくゴブリン系のモンスターだろう。しかし、やはり見た目は変わっている。普通のゴブリンは、体色は緑や茶色など落ち着いた色合いのイメージが強い。このゴブリンは、白銀の身体に、所々に金色が混じっている。いかにもレアそうなモンスターだ。鑑定を使ってみる。

 〔小鬼(ゴブリン)〕

 ん?名前しか見えない。明らかにレアっぽいのだが、レアな種族などは判別できないのだろうか。もっと上の鑑定スキルがあれば細かく見ることもできるのかもしれない。まぁないものを気にしても仕方ない。

 バレないように後ろからこっそり近づく。

 「貰った!」

 剣で背後から切り裂く。

 「ぐぎゃ!」

 ゴブリンはなんの抵抗もなく切り裂かれる。それにしてもこの剣強いな。不意打ちならどんなモンスターでも倒せる気がしてくる。

 この時の俺は気づいていなかった。スキル幸運の恐ろしさを。

 『希少種の撃破を確認しました。追加報酬が付与されます』

 脳内アナウンスが響き、宝箱がドロップする。やはり希少種だった。開けると中には腕輪が入っていた。

 〔偽装の腕輪〕:他者による認識や鑑定を任意で阻害出来る。

 うーん。いまいち使いどころがわからないが、装備しておいて損はないだろう。

 指輪の効果によって獲得経験値も増えたはずだ。ステータスを確認してみよう。

 名前 カナト・ミツルギ
 種族 人
 職業 放浪者
 Lv  98
 
 技能 強運 鑑定 会心

 Lvが上がりスキルが増えた。幸運も強運になっている。スキルに鑑定は使えるのだろうか。

 〔会心〕:クリティカル攻撃の威力が上がる。

 使えた。会心もかなり便利そうなスキルだ。他の二つも見ておこう。

 〔強運〕:幸運の上位スキル。運がとても良くなる。

 〔鑑定〕:アイテムを鑑定できる。生物は名前しかわからない。

 モンスターを倒せたので、街に戻る。

 そう言えば、この世界には冒険者という職業があるようだ。せっかくの異世界だから、俺も冒険者で生計を立てるか。

 思い立ったが吉日。すぐにギルドに向かうことにした。
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