異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

文字の大きさ
128 / 529
外伝 新米転移者の異世界生活1

その4 冒険者になった件

しおりを挟む
 「ようこそ冒険者ギルドへ。登録ですか?」

 「はい。お願いします」

 「では、こちらの紙に必要事項を明記して、再びこちらに来てください」

 「わかりました」

 机と椅子があったので座って用紙を記入する。

 名前はカナト・ミツルギでいいだろう。レベルは98だ。得意武器か…特に決まってないな…まぁ剣でいいか。

 「よし。こんなもんか」

 再び受け付けに行く。

 「お願いします」

 紙を渡す。

 「お預かりします」

 受付の人が内容を確認している。

 「若いのにお強いんですね」

 「そうなのか?」

 「そうですよ。あなたほどの若さでレベル100に近いのはかなりお強い部類ですよ。多分すぐに昇級できると思います。はい。こちら、ライセンスカードです。紛失時の再発行には料金が発生しますので、お気をつけください」

 「ありがとうございます」

 これで、俺も今日から冒険者だ。クエストをいっぱいこなすぞ!

 カードを受け取り、出口に向かう。今日はもう夕方なので、明日からクエストを受けよう。

 出口に差し掛かると、声が左の方から聞こえてきた。

 「おい!お前!」

 「私ですか?」

 女性がガタイがいい男性に声をかけられていた。女性は猫の耳が生えている。獣人と言うやつだろう。

 「これから飲みに行くんだけど一緒に来いよ。いっぱい楽しいことしようぜ?」

 「い、いや…あ、あの…」

 女の子が困ってるのだから、助けないわけにはいくまい。

 「あぁすいません。その子、こっちが先客なんで」

 「えっ?あ、あなたは?」

 「いいから!行くよ」

 そのまま走り去るようにギルドを後にする。

 「ふぅ。大丈夫かい?困ってたみたいだからね助けちゃったよ。迷惑だったかな?」

 「いえ!助かりました。ありがとうございます!あなたも冒険者なんですか?」

 「そうだよ。さっきなったばかりだけどね」

 「そうなんですか!私もなんです」

 「へぇ。そうなんだ奇遇だね」

 「あ、あの…もしよろしかったら、私とパーティを組んでいただけませんか?」

 「パーティ?」

 「はい、一緒にクエストを受けて、協力してクリアにあたるメンバーのことです。助けてもらった例もありますし…あなたのクエストを手伝わせていただけませんか?」

 「ありがとう助かるよ。じゃあ組ませてもらおうかな。そう言えば、自己紹介がまだだったね。俺はカナトだ。よろしくな」

 「よろしくお願いします。カナトさん。私はエストと言います」

 「エストさんか。可愛い名前だね」

 「か、可愛いなんて…恥ずかしいですよ…」

 エスト可愛いな…。リュートさんが連れてた奥さんたちもみんな美人だったし、異世界の女の子はみんな可愛い。せっかく出来た関係だ、大切にしよう。

 「今日はもう遅いし、明日にしようか」

 「そうですね。それがいいと思います」

 「ちなみにエストは宿とか取ってるの?」

 「私は、この街に住んでいるので、自分の家があります」

 「そうか…俺はどこか宿を探さないとな…じゃあまた明日、ギルドで!」

 「はい!また明日」

 こうして、俺は猫の獣人エストと出会ったのであった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

処理中です...