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外伝 新米転移者の異世界生活1
その5 嫁ができた件
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次の日になり、ギルドに向かう。既にエストは、待っていた。
「ごめん!待たせちゃったみたいだね」
「いえ!今来たばかりですから、大丈夫ですよ」
だいぶ早めに出たつもりだったんだけどな…。待たせてしまったものは仕方ない。その分クエストで挽回しよう。
クエストの依頼が貼ってある掲示板へ向かう。
「それで、最初はどのクエストを受けるんだい?」
「そうですね…これなんてどうでしょう」
エストが選んだクエストは上薬草の採取というものだ。初心者でも比較的安全にクリア出来るものだろう。
「了解。じゃあ行こうか」
「はい」
薬草が生えているという場所までやってきた。
「似たような草が沢山生えてますね…」
確かに、これではどれが雑草か見分けがつかない。だが、俺には鑑定がある。
「エストさん。ここは俺に任せて」
鑑定で薬草のみを正確に採取する。
「わぁ凄いですね。カナトさん」
「まぁそう言うスキルを持ってるからね」
あっという間に必要量の薬草が集まった。
「私だけだったらもっと時間がかかってました。カナトさんが居てくれてほんとに良かったです」
「まだ時間もあるし、もう1つくらいクエスト受けようか」
「そうですね」
街に帰ろうとしたその時、奥の草むらがガサガサと揺れた。そこから、巨大な熊のようなモンスターが現れる。
「ぶ、ブラッドベアー!なんでこんな所に!カナトさん逃げましょう!」
血熊(ブラッドベアー)は非常に強力なモンスターだ。激しい攻撃で相手の血が付着することからその名がついた。昨日冒険者になりたての新人ではまず勝てない。だが、俺は逃げない。というか逃げられない。コイツは思った以上に素早い。この距離まで接近されたらまず逃げられない。だから、ここで倒す。
「もう逃げられないよエストさん。だからこれ付けて離れてて」
俺は腕輪をエストに装備させる。
「でもそれじゃあカナトさんが…」
「大丈夫!俺を信じて。こいつは俺が倒す。そして、俺が絶対君を守るから」
「カナトさん…わかりました。無茶はしないでくださいね」
エストが離れていく。もちろん腕輪の効果でクマには気づかれない。
さて、女の子の前だから大見得切ったが、何も策がない。
「グオォォォォォォ!」
血熊が鋭利な爪で切り裂いてくる。避けようとしたが、思った以上に速い。避けなれないと思ったが、攻撃は当たらなかった。草陰から出てきた血熊は、足に蔦が絡みついていて、動けなくなっていた。
ラッキー。流石強運。今度はこっちの番だ!
「喰らえ!」
剣の振り方などもよくわからないので適当に振りかざす。
ズバッ!なんの抵抗もなく、血熊の頭が飛び、血熊は動かなくなった。えー!想像以上に弱い。
「カナトさん、凄い…」
この人は血熊を一撃で仕留めた。しかも私を庇いながら。かっこいい。私が見てきた男の人の中で一番かっこいい。爽やかな笑顔、優しくて温かい心。この人になら私は…
それにしても不思議な感触だった。この剣からは想像つかないような威力が出たのだ。これがクリティカル攻撃か?だとしたらあの威力も納得出来る。
「大丈夫?エストさん」
なんかエストの顔が赤いような気がする。
「は、はい。カナトさんは?」
「全然大丈夫さ。それよりこいつの素材とか高く売れるかな?」
「そうですね。街の素材屋に売れば換金してくれると思います」
「とりあえず収納袋に入れておこう」
熊の死体がすっぽりと袋に入る。なのに重さや大きさは変わらない。便利だ。
「さて、街に戻ろうか」
エストの方をむくと何か言いたげだ。俺も神妙な面持ちで聞く。
「どうしたのエストさん?」
「カナトさん。わ、私と…」
「私とずっとパーティを組んでいただけませんか?私はあなたのことがもっと知りたいんです。だから、私をあなたの隣に居させて下さい」
エストが顔を真っ赤にして言う。こんな可愛い女の子に告白されては断れない。
「それはプロポーズと言うことでいいのかい?」
「えっと…まぁそうなりますかね…私ったら勢いでなんてことを…」
エストが真っ赤になる。
「ご、ごめんなさい。忘れてくださ…」
「いいよ」
「えっ?」
「俺も可愛いエストのこと知りたいし、このままずっと一緒に暮らそう」
「い、いいんですか?」
「あぁ。大事にするよエスト」
「う、嬉しいです。よろしくお願いしますカナトさん」
こうして、エストとの実質的婚約が交わされたのだった。
「ごめん!待たせちゃったみたいだね」
「いえ!今来たばかりですから、大丈夫ですよ」
だいぶ早めに出たつもりだったんだけどな…。待たせてしまったものは仕方ない。その分クエストで挽回しよう。
クエストの依頼が貼ってある掲示板へ向かう。
「それで、最初はどのクエストを受けるんだい?」
「そうですね…これなんてどうでしょう」
エストが選んだクエストは上薬草の採取というものだ。初心者でも比較的安全にクリア出来るものだろう。
「了解。じゃあ行こうか」
「はい」
薬草が生えているという場所までやってきた。
「似たような草が沢山生えてますね…」
確かに、これではどれが雑草か見分けがつかない。だが、俺には鑑定がある。
「エストさん。ここは俺に任せて」
鑑定で薬草のみを正確に採取する。
「わぁ凄いですね。カナトさん」
「まぁそう言うスキルを持ってるからね」
あっという間に必要量の薬草が集まった。
「私だけだったらもっと時間がかかってました。カナトさんが居てくれてほんとに良かったです」
「まだ時間もあるし、もう1つくらいクエスト受けようか」
「そうですね」
街に帰ろうとしたその時、奥の草むらがガサガサと揺れた。そこから、巨大な熊のようなモンスターが現れる。
「ぶ、ブラッドベアー!なんでこんな所に!カナトさん逃げましょう!」
血熊(ブラッドベアー)は非常に強力なモンスターだ。激しい攻撃で相手の血が付着することからその名がついた。昨日冒険者になりたての新人ではまず勝てない。だが、俺は逃げない。というか逃げられない。コイツは思った以上に素早い。この距離まで接近されたらまず逃げられない。だから、ここで倒す。
「もう逃げられないよエストさん。だからこれ付けて離れてて」
俺は腕輪をエストに装備させる。
「でもそれじゃあカナトさんが…」
「大丈夫!俺を信じて。こいつは俺が倒す。そして、俺が絶対君を守るから」
「カナトさん…わかりました。無茶はしないでくださいね」
エストが離れていく。もちろん腕輪の効果でクマには気づかれない。
さて、女の子の前だから大見得切ったが、何も策がない。
「グオォォォォォォ!」
血熊が鋭利な爪で切り裂いてくる。避けようとしたが、思った以上に速い。避けなれないと思ったが、攻撃は当たらなかった。草陰から出てきた血熊は、足に蔦が絡みついていて、動けなくなっていた。
ラッキー。流石強運。今度はこっちの番だ!
「喰らえ!」
剣の振り方などもよくわからないので適当に振りかざす。
ズバッ!なんの抵抗もなく、血熊の頭が飛び、血熊は動かなくなった。えー!想像以上に弱い。
「カナトさん、凄い…」
この人は血熊を一撃で仕留めた。しかも私を庇いながら。かっこいい。私が見てきた男の人の中で一番かっこいい。爽やかな笑顔、優しくて温かい心。この人になら私は…
それにしても不思議な感触だった。この剣からは想像つかないような威力が出たのだ。これがクリティカル攻撃か?だとしたらあの威力も納得出来る。
「大丈夫?エストさん」
なんかエストの顔が赤いような気がする。
「は、はい。カナトさんは?」
「全然大丈夫さ。それよりこいつの素材とか高く売れるかな?」
「そうですね。街の素材屋に売れば換金してくれると思います」
「とりあえず収納袋に入れておこう」
熊の死体がすっぽりと袋に入る。なのに重さや大きさは変わらない。便利だ。
「さて、街に戻ろうか」
エストの方をむくと何か言いたげだ。俺も神妙な面持ちで聞く。
「どうしたのエストさん?」
「カナトさん。わ、私と…」
「私とずっとパーティを組んでいただけませんか?私はあなたのことがもっと知りたいんです。だから、私をあなたの隣に居させて下さい」
エストが顔を真っ赤にして言う。こんな可愛い女の子に告白されては断れない。
「それはプロポーズと言うことでいいのかい?」
「えっと…まぁそうなりますかね…私ったら勢いでなんてことを…」
エストが真っ赤になる。
「ご、ごめんなさい。忘れてくださ…」
「いいよ」
「えっ?」
「俺も可愛いエストのこと知りたいし、このままずっと一緒に暮らそう」
「い、いいんですか?」
「あぁ。大事にするよエスト」
「う、嬉しいです。よろしくお願いしますカナトさん」
こうして、エストとの実質的婚約が交わされたのだった。
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