異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第10章 それぞれの修行篇

第119話 竜の神

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 グリットを撃破したことで、元の世界に戻ってきた。

 「あっ!リュート戻ってきた!」

 「リュート、無事みたいね」

 クリアとローザが近づいてくる。どうやらこっち側も無事に砂漠王を撃破したようだ。

 「二人も無事で何よりだ」

 『戦闘が終了しました。経験値が付与されます』

 神を撃破した経験値は流石に美味い。力がモリモリ湧いて来る。

 『神の撃破を確認しました。裁定が行われます』

 裁定か…一体何が起こるのだろうか。

 【裁定の結果、あなたは神々に、神を越える存在だと認識されました。それにより、神の資格は剥奪されました。その代わりに、あなたは新たな種族に変貌します】

 【あなたが砂の神を撃破した事で、一部の神があなたを標的に指定しました】

 『種族変更のため、進化を開始します』

 何だ?色々なことが起こっているな。そんなことを気にする間もなく、いつもの様に体が変わっていく。

 髪の色が白く変色する。角が変形し、より鋭利になる。体中の所々に金色の刺青が入り、右手の甲の模様が変化する。身長が伸びたが、体は引き締まり、より密度の高い筋肉がついた。翼はかなり立派になり、人間体のままで飛行することが可能になった。

 『進化が完了しました』

 どれどれ、ステータスを確認してみよう。

 名前 リュート・ヤガミ
 種族 真竜神・神越種-超過(ジェニュインドラゴンディエティ・ディバインクロスオーバー)
 rank 511
 称号 怒り猛る竜神

 神号 五つの災厄[心] 感情覚醒者[怒] 神々の標的
 
 技能 次元操作 真眼 神越 勇者 神域 飛翔

 俺は新たに「真竜神」(ジェニュインドラゴンディエティ)なる種族に進化したようだ。ランクは500を超え、称号も変化した。
 さらに、新たな神号が増えた。神々の標的(ヘヴンズターゲット)に選ばれたようだ。よくわからない神号だが、面倒くさいことになることはヒシヒシと伝わってきた。
 そして、スキルが増えた。神域はグリットとの戦いで利用した、己の心象世界を映し出し、自分の有利なフィールドで戦うというものだ。もうひとつのスキル飛翔はその名の通り、自由に空を飛ぶことが出来る。

 『竜神に進化したため、神器が贈呈されます』

 俺の目の前に謎の1つの球体が現れた。何だこの神器は?真眼で確認してみる。

 名前 ドラゴンオーブ
 種類 宝玉
 
 能力 無形

 無形 形のないもの。持ち主に宿り、形を変える。

 よく分からないが、体に埋め込めばいいのか?右手でその球体に触れる。すると、球体は、スっと体内に入っていった。痛みや違和感はなく、不思議な感じだ。

 せっかく進化したので、服も新しいデザインに一新する。髪の色に合う感じにした。

 「リュート!進化したの?おめでとう!」

 「リュート、ますます強くなったわね」

 二人も俺の新たな進化を祝福してくれた。嬉しい限りだ。

 こうして、俺は新たな進化をしたのだった。
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