異世界を統べるのは人ではなく竜だ

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第11章 魔族大戦篇

第122話 魔王城、顕現す

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 空が闇に包まれる。魔族界から魔族がこっちに来る合図だ。出現場所は前回と同じ、メルーグ帝国の跡地だ。

 空にゲートが開く。何も無かった平野に突然、巨大な城が現れる。デイヴィスの魔王城だ。その周りにはおびただしいほどの魔族が配置されている。

 「では、進軍開始だ」

 「はっ!」

 多くの魔族たちは六つの部隊に分かれる。魔界六魔をリーダーにした部隊だ。その部隊を三つに分けて、進軍させる。だが、私の爪は甘くはない。更に別部隊を数個用意し、配備している。既に何部隊かは別ルートから進軍を開始した。

 「人間どもが屈服するのも時間の問題だな。もうすぐ大量の魔力を我が手に…ふっふっふ…」

 デイヴィスは不敵な笑みを浮かべた。

___________________

 「来たか…魔族が…」

 俺たち感情的な色彩及び各国は、既に魔族を向かい打つ準備が出来ている。ムガ王国、ダール王国、サラマ王国のそれぞれが軍を率いて、布陣する。各国が協力し合い、兵を分け合った。まさにアル大陸連合軍だ。こんな非常時なのにも関わらず、ナバル帝国は無反応だった。この国は本当に何を考えているのか分からないのが怖い。

 俺たち感情的な色彩が固まると明らかにムガ王国が戦力過多なので、三つのチームに分かれることにした。

 サラマ王国を防衛する第一部隊は、アイティオが率いている。感情的な色彩からはサレナがこの部隊に所属している。地形的に魔族も攻めにくいので人数は少めだ。
 ダール王国を防衛する第二部隊は、ダール王国の勇者が率いており、ミラとルージュが所属している。この部隊が連合軍で、一番メンバーが多い。ダール王国の位置が大陸の中心なので、一番攻めてくる魔族も多いからだ。
 ムガ王国を防衛する第三部隊は、マギが率いている。この部隊には、クリアとローザが居る。さらに、カーブやスティングも居る。この部隊の人数は二番目に多い。

 俺は三つの部隊とは別に動く奇襲部隊(1人)だ。堂々と居座る魔王城に逆に攻め込んでやろうという魂胆だ。三国で会議した結果、許可がおりたのでこういう配置になった。どこかの部隊が危なくなったら補助に入る役でもある。

 各部隊には冒険者も混ざっており、かなり戦力には期待できる。これなら魔族には負けないだろう。何より、三国が防衛している間に俺が魔王を倒す。かつてないほどの使命感に燃えている俺がいた。

 「さぁ行くぜ魔族!攻めてくるなら容赦はしない!覚悟してもらう」

 俺は一人、魔王城に向けて歩き出した。
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