異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第11章 魔族大戦篇

第129話 勇者王

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 勇者はダール王国にも存在する。その名もユリウス・ダールだ。そう、このダール王国の国王だ。

 「この国には僕がいる。絶対に魔族には渡さない!」

 「「「うおぉぉぉぉ!王様万歳!」」」

 王直々の出陣に兵士たちの士気も高くなる。

 「凄いですね。流石は勇者王様です」

 「相変わらずの人気だな」

 ルージュとミラもユリウスの側で歓声をを浴びていた。

 勇者王ユリウスは、生まれた時から天啓の強さを持っていたため、すぐに勇者になり、尚且つ高すぎる人気から若くして王になったスーパーエリートだ。しかも顔良し、頭良し、性格良しの完璧人間だ。

 「ミラさん、ルージュさん我が国のために力を貸してください!」

 「もちろんです。王よ」

 「は、はい!全力で頑張らせて頂きます」

 そんな会話をしていると、前方に人影が見えた。

 「来ました!魔族です」

 「よし!総員戦闘態勢だ!」

 「「「「「は!」」」」」

 大量の魔族に、対する大量の兵士。この戦いが、世界に名を残す最大規模の戦いになることは容易に想像出来る。

 その魔族部隊の中に、一際目立つ二体の魔族が居た。一人は、金髪で髪を結んだ露出度が高い格好をした女魔族。もう一人は、白い短髪の男魔族だ。

 「アタイの餌はどこにいるんだい?」

 「はっ!あそこに大量の人間が居ます!」

 「待ちきれない!あんたの生気寄越しな!」

 「えっ!サック様?」

 サックはいきなり唇を重ねる。

 「ぢゅうぅぅぅぅぅぅ!きゅぽん!」

 目の前にいた部下魔族の生気を一瞬で吸い取り、干からびさせた。

 「おいサック!戦闘前から人数を減らすなよ」

 「うるせぇなカーズ!新しく魔界六魔になった顔だけはいい新参者が!アタイの邪魔をするのかい?あんたのエキスも吸ってやろうか?」

 「やめてくれ」

 「はぁはぁ…興奮してきた!もうすぐ人間のエキスが吸える!特に雄は良い…生気を吸われた時に快楽で歪むあの顔がたまらない…」

 「はぁー。これだから、魔界六魔の二大欲狂いは…おっと、かなり強敵の予感だよ」

 「雄か!」

 「いや、女性だね」

 「大爆炎エクスフレア!」

 ルージュの魔法で、前衛の魔族たちの一部が一瞬で吹き飛ぶ。

 「気合い入ってるな、ルージュ!私も負けてはいられない」

 「矢風アロー・ウィンド!」

 大量の矢が風のごとく飛んでくる。魔族達は射抜かれ、被害を受ける。

 「流石は感情的な色彩のお二人だ!」

 ユリウスも感心していた。

 「結構やるみたいだな。あの二人」

 「雌か…まぁ嫌いじゃない。あの二人は頂く!」

 「じゃあ俺は真ん中のアイツを倒せばいいか」

 ミラとルージュの元にサックが飛んでくる。

 「アタイの餌になって貰うよ!」

 「ルージュ!気をつけろ!この魔族かなり強い!」

 「はい!先生!」

 「はっはぁ!魔界六魔第二座『魔吸』のサックの養分になりなぁ!」

 ミラ&ルージュVSサックの戦いが始まる。
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