異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第12章 反撃の狼煙篇

第139話 魔王城陥落

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 「がはっ!」

 魔王は、魔王城の壁にめり込みながら吐血した。

 「ば、馬鹿な…私の魔力の壁をいとも容易く破るだと?」

 穴だらけだった魔王の体は次第に元に戻っていく。

 「はぁ…はぁ…魔王の力がなければ即死だった…」

 魔王デイヴィスはスキル魔王の効果で尋常ではない回復力を所有している。そのため、並大抵の攻撃ではすぐに傷が回復してしまう。

 「くっ!」

 魔王は壁から体を抜く。

 「今のうちに対策を…」

 「魔王ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 既にリュートは目の前まで接近していた。高速で飛んできた蹴りで、魔王は再び吐血しながら吹き飛び、壁により深く埋まる。

 「ぐ、ぐぅ…なんて力だ!」

 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 リュートは高らかに刀を突き上げる。

 「付与エンチャントオール

 刀から虹色の光が溢れ出し、天高くまで伸びる。その光を生き残った人間達も見届けていた。

 「くっ!体を抜かなくては!」

 「させるか!創成クリエイション・ブレイド。複製コピー!複製!複製!」

 ドスッ!ドスドス!魔王の体と両手に剣が刺さり、動けなくなる。

 「俺の怒りと人間の怒りを受け取れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 巨大な七色の光が振り下ろされる。

 「虹落としレインボー・フォール!」

 ズガガガガ!城を切り裂きながら虹の光が落ちてくる。

 「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 魔王は城ごと縦に切り裂かれた。しかし、驚異的な回復力で既に回復し始めた。

 「まだ終わってねぇぞ!」

 縦に振り下ろした光を、もう一度振りかぶり今度は横薙ぎに一閃する。

 「虹斬りレインボー・スラッシュ!」

 ズバァ!城ごと、魔王は横に真っ二つになる。城が崩壊し、魔王が瓦礫の下敷きになる。

 「ぐっ!はぁはぁ…まだだ。まだ私は生きている!」

 瓦礫から上半身を出す。下半身はまだ瓦礫に埋まったままだ。

 「貴様よくもやってくれたな!私が直々に…」

 目の前を確認するとリュートの姿は無い。

 「何?どこへ消えた!」

 「創成・神槌プロキオン」

 「上か!」

 魔王が頭上を見ると、天高く飛び上がったリュートが巨大なハンマーを担いでいた。

 「アイティオ…力を借りるぞ!」

 巨大なハンマーが光を放ち始める。

 「ま、不味い!あれを食らったら一溜りもない!」

 魔王は急いで脱出しようと試みる。

 「無駄だ!土牢ガイア・プリズン!」

 魔王城の瓦礫達が動き出し、魔王を拘束する。
 
 「くそ!動けん!」

 「終わりだ!魔王!」

 「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 「天星崩落プロキオン・メテオ!」

 天から堕ちた光が魔王を城の残骸ごと、消し飛ばした。

 その日、長い長い戦いの果て、魔王は討たれ人類は勝利した。
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