異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第12章 反撃の狼煙篇

第142話 竜の帰還

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 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 「さらばだ。竜の神よ!」

 バルザの活躍により、目障りな敵も消えた。

 「これで、我が敵は居なくなった!この世界は私のものだ!」

 「そうはさせない!」

 「馬鹿な…何故貴様がここにいる!それに何だ!その姿は!」

 魔王デイヴィスの目の前には、先程異空間に飛ばしたはずの竜神が居た。しかも、その姿は豹変していた。
 リュートの姿は変わっていた。角や尻尾が発達し、体は鱗で覆われ、爪や牙が鋭く生えている。まるでドラゴンが無理矢理人型に変形したような見た目だ。

 「魔王がここにいるということは俺は戻ってこれたみたいだな」

 「貴様!どんなトリックを!」

 「うるせぇ!」

 「がはぁ!」

 魔王は気がつくと、壁にめり込んでいた。

 「何が起こった!私にすら見えないだと?」

 「こいつはいい!体が軽い!」

 リュートは一瞬で魔王の目の前に移動した。

 「ワープだと?そんなことも出来たのか!」

 「いや、俺はワープなんて使ってないぜ?」

 「何?」

 「ただ早く動いただけだ!」

 「ぐはぁ!」

 壁を突き破り、魔王が城外に吹き飛ぶ。

 「何が起こっている?魔眼でも見きれないのか?」

 感情覚醒状態のリュートは人竜化した。人竜化状態では武器を上手く扱えない。その代わり、身体能力が格段に跳ね上がり、常人ではまず目視できない。

 「魔王。お前を倒して平和が訪れるまで、俺の怒りは収まらねぇぞ!」

 空中を吹き飛んでいる魔王の後ろに先回りする。

 「くっ速い!」

 「炎怒アンガー・フレア

 右手の拳に火がつく。拳が魔王に当たると、そこから爆発するように炎上する。そして、そのまま飛んできた魔王を逆に城側に吹き飛ばす。

 「なんて力だ…」

 「終わらせようぜ!魔王!」

 「私はこの位の攻撃では死なん!舐め…」

 「舐めてなんかないさ」

 魔王は気がつくと、上空にいた。気付かぬうちに殴られ、城の天井を突き破ってそのまま上空に放り出された。しかし、リュート既に飛んでくる方向に回り込んでいた。

 「終わりだ魔王!」

 「蹴怒アンガー・シュート

 リュートの足が魔王の腹に突き刺さる。その勢いは正しく流星のようだ。魔王は城を貫き、そのまま地面に突き刺さる。

 「こんな馬鹿なことがぁぁぁぁぁ!」

 足が当たった魔王の腹部に紋様が現れる。その紋様は魔王の魔力をエネルギーに変換する。

 「じゃあな魔王。相手が悪かったな」

 「た、助け…」

 「焉怒アンガー・エンド!」

 パチン!指を鳴らすとその音に反応して紋様が光を放つ。そして、魔王は大爆発し、魔王城は跡形もなく消え去った。
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