異世界を統べるのは人ではなく竜だ

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外伝 新米転移者の異世界生活 2

その13 ダール王国に来てみた件

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 宿で一泊して朝が来た。一応言っておくが、エストとは相部屋だったが何もしていない。一緒のベッドで寝たが、寝ただけで本当にそれ以上は何もしてない。歩いた疲れからか、お互いすぐに眠くなってしまったからだ。

 「おはようございますカナトさん」

 「おはようエスト」

 身支度を整えて、宿泊プランに含まれている朝食を食べた。高い宿だけあってかなり美味しい。

 朝食を終えて少しゆっくり休んだ。

 「よーし。エスト行こうか」

 「そうですね。行きましょう」

 俺達は再びダール王国に向けて歩き出した。

 昨日とは打って異なり、何故だか分からないが一体のモンスターにも出会えなかった。やはり希少種というのは珍しいのかもしれない。

 モンスターに遭遇することがなかったのであっという間にダール王国に到着した。

 「大きい街だな」

 「ダール王国は三国の中でも一番大きい国ですからね」

 門を通り、王街の中に入る。街の中は大勢の人で凄く賑わっていた。

 「凄い人の数だ!」

 「流石は最大の王国ですね」

 「エスト?ダール王国に着いたけど、どこに行くんだ?」

 「ダール王国はギルドも最大規模なんですよ」

 俺はエストに連れられて、街の中心部にある。ダール王国のギルド本部にやって来た。

 「今更聞くのもあれだが、どうしてこっちのギルドにやって来たんだ?」

 「こっちのギルドの方がクエストの種類も数も多いんです。実はムガ王国には最近、感情的な色彩と呼ばれる何でも屋ができて、そちらの方に依頼が流れているそうです」

 なるほど、リュートさん達か。確かに受けられるかもわからないギルドに依頼を出すよりは、確実にこなしてくれる所に依頼した方が効率が良い。俺が依頼者だったとしてもそうするだろう。
 
 ギルドの中に入る。ギルドの中もたくさんの冒険者で溢れていた。

 「それで、どんなクエストを受ける?」

 「やはり、初心者向けの簡単なものから着実にこなして行きましょう」

 「わかった」

 こうして、俺達はダール王国に辿り着いた。俺達はしばらくこの国に滞在し、クエストをこなすことにした。数々のクエストをエストと共にこなした。レベルが上がりまくった今の俺達にはかなり簡単なものが多かった。そして数週間の時が過ぎた。

 そして、事件は唐突に起こった。ある日、空や地面、空気が一瞬で澱んだ。

 「何だ?この異様な空気は…」

 「ま、まさか…これは…」

 「知っているのかエスト」

 「はい。これは魔族がこちらの世界に攻め込んでくる合図です」

 「な、なんだって!」 

 俺達も魔族との戦いに巻き込まれていくのだった。
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