異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第14章 侵略する帝国篇

第157話 平和を壊す音

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 特に何も無い一日。珍しく家に全員が居たその日、やはり事件は突然起きた。

 ドッゴォン!大規模な爆発音と衝撃がムガ王国中に響き渡った。

 「なんだ?爆発か?」

 「街の中心からです。城の近くかもしれませんわ!」

 サレナが言ったように、爆発音は城の方から聞こえた。ムガ王は大丈夫だろうか?

 全員で王城の方へ向かう。そこには衝撃の光景が広がっていた。あまりに衝撃的な光景に思わず息を飲んだ。

 「城が…無い…」

 「そんな…」

 城があった場所には巨大な穴が開き、辺りには瓦礫が散らばっていた。更に、爆発に巻き込まれたと思わしき兵士や街の人達が倒れていた。さっきまで城があったのだ、にわかには信じがたい光景だ。

 「一体何が…」

 「王は?ムール姫は何処だ?」

 「マギさん!どこですか!」

 俺達は負傷者を助ける救助作業を開始した。

 「誰か居ないのか!」

 「くっ…一体誰がこんなことを…」

 何人かの兵士たちを救出した。

 「う、うぅ…」

 聞き覚えのある声が聞こえたので、瓦礫を退かす。すると、そこには負傷したムガ王が居た。

 「ムガ王!大丈夫か!」

 「リュートか…私は平気だ」

 「何があったんだ?」

 「北側からの攻撃だ。恐らく…ナバル帝国だ」

 ナバル帝国だと?あの帝国が遂に動き出したか!

 「私のことはいい。それよりもムールは無事なのか?」

 サレナが近づいてくる。

 「ムガ王、ご無事で何よりですわ。瓦礫をクリア様の力で全て退かしましたが、ムール様の姿は見つかりませんでしたわ」

 「なんという事だ…あぁ、ムールすまない…爆発に巻き込まれてしまったのか…」

 「いや、大丈夫だったみたいだ」

 瓦礫と負傷者を退かし、ムガ王と俺達意外何も無くなった穴の中心に二人の人物が現れる。

 「はぁはぁ…何とか…間に合いました…」

 「お父様ぁ!」

 そこに現れたのはボロボロになったマギと全く無傷のムール姫だった。
  
 「私が研究していた『短時間跳躍装置』の試作品を起動させ、たまたま私の近くに居たムール様を救うことが出来ました」

 「マギ!よくやってくれた」

 「だいぶボロボロだが大丈夫か?これを着てくれ」

 マギは服もだいぶ破れていたので替えの服を渡す。

 「ありがとうございます。リュート様」

 「マギ、何があったんだ?」

 「私にもよくわかりません。北の方から何が飛んできて、それが城に直撃し大爆発を起こしました。私も見たことの無い兵器でしたので、恐らくナバル帝国の新兵器だと思われます」

 みんなを救出した。当たりどころが悪く死亡したものも何名か居た。ナバル帝国は、一体何を考えているんだ?

 そんなことを思っていたら上空に巨大なスクリーンが現れた。そこには一人の男がうつっている。

 「私はナバル帝国皇帝、ボルガド・ナバルである」

 巨大スクリーンに映ったのは、ナバル帝国の皇帝だった。
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