異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第14章 侵略する帝国篇

第164話 研究所

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 サレナはスナイパー兵を片付けた。

 「リュート様の元へは行かせませんわ!」

 サレナは敵を切り裂き続ける。

 「そろそろきつくなって来ましたわ…。でも、負ける訳には行きませんわ」

 剣が鈍り始めたその時、サレナもよく知る声が聞こえてきた。

 「よく頑張ったなサレナ!」

 上空から無数の矢が降り注ぐ。矢が敵兵たちを貫く。ミラがサレナと合流した。

 「ミラ様!ご無事でしたか!」

 「私は無事だがルージュが連れ去られてしまった…」

 「そんな…」

 「ルージュを追う為にも一刻も早く、ここを片付ける!」

 「了解しましたわ」

 ミラが加わり、勢いの増したサレナはあっという間に敵兵たちを片付けた。

 「片付いたな」

 「しかし、ルージュ様は一体どこへ?」

 「ルージュを連れた男はこっちに来ていないのか?」

 「えぇ。見かけていませんわ」

 サレナの先には城がある。サレナは敵兵達を1人として城に向かわせていないか、どう考えてもあの城に何かしらの施設があるのは間違いない。

 「まさか…この道以外の抜け道があるのか!」

 「ここを通らなかなった以上、その可能性が高そうですわね」

 周囲の怪しい場所を虱潰しに探る。しかし、抜け道は見つからない。

 「くっ…急がなければ、ルージュが…」

 「一体どこに…」

 サレナは先程の戦いを思い出す。先程、遠距離から命を狙われた、あの高い建造物を思い出した。あれほどの最新鋭の装備を使用した兵士が居たのだ。あの建造物はかなり大事な建物なのではないだろうか。

 「ミラ様!あちらに向かいましょう」

 「わかった!」

 サレナとミラがたどり着いたのは数100メートルはある巨大なビルだ。看板には「ソーマ研究所」と書かれていた。

 「どうやらここは研究所のようですわ」

 「確かにこの中に秘密が隠されていそうだ」

 「行きましょう!」

 「あぁ!」

 自動で開くドアを超え、建物の中にはいる。

 「見たことの無い機械が沢山ありますわ」

 「こっちに道が続いているな」

 研究所の中はかなり入り組んだ構造をしていた。

 「ん?これは…」

 ミラが何かが落ちているのを見つける。

 「これは!ルージュの指輪だ」

 そこにはかつてリュートがルージュにあげた指輪が落ちていた。恐らく、ルージュを運んでいる途中で落ちたのだろう。

 「ということはこっちで合っていたみたいだ」

 更に奥に進むと、巨大な機械の箱のような不思議なものがある。二人はこれがエレベーターということを知らない。

 「なんでしょう、これ?」

 「ボタンがあるぞ?押してみるか」

 ミラがボタンを押す。すると箱の扉が開く。

 「中は広いですわね…入れそうですわ」

 「入ってみよう」

 二人は巨大な箱に入る。

 「中にもボタンがあるな」

 「押してみましょう」

 サレナが下矢印のボタンを押す。すると、扉が閉まる。

 「閉じ込められましたわ!」

 「しまった!罠か?しかしこの箱、下に動いていないか?」

 「確かに、動いていますわね。どうやらこれが目的地まで運んでくれるようですわ」

 こうして、二人は未知の乗り物で地下の研究所へと向かったのだった。
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