異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第14章 侵略する帝国篇

第172話 救いの手

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 サレナは何があったのかを話し始めた。

 ルージュもとい、ヴォイドは研究所を焼き払うほどの威力の炎魔法を放った。

 「くっ!」

 「なんて熱さだ!」

 「私は行くべきところがあるので失礼するよ」

 ヴォイドはリュート達の元へ向かった。

 「ミラ様!このままでは不味いですわ!」

 「しかし、この威力の魔法は…」

 既に辺りは火の海で逃げ場は無かった。二人にはこの魔法をどうにかする方法は持ち合わせていなかった。サレナは元々魔法が使えず、ミラは風と雷の魔法しか使えない。風の魔法では更に火を強くしてしまうだけだ。

 「こんな所で終わる訳には…」

 「あぁ!私はルージュを助けなければ!」

 色々なことを試すが、二人にはどうすることも出来ず、ただただ焼かれるのを待つばかりであった。すると、火の海の奥で立ち上がる一人の影があった。

 「ようやく解放されましたか。どうやら彼は私の体で好き勝手やってくれたようですね」

 ヴォイドが抜け出したソーマの体にソーマの意識がもどったのだ。

 「どうやら、かなりピンチのようですね。ずぶ濡れになりますけど勘弁してください。考案インベント・スプリンクラー、実行エクスキューション・散布」

 天井から室内に激しい雨が降り注ぐ。その雨は炎を容易く消し去る。

 「あ、あなたは!」

 「どうなっている?」

 ずぶ濡れになりながら二人は聞く。

 「どうやら、彼の魂から解放されたから私の意識も解放されたようです。私は彼の元に先に向かいます。お二人はこの施設にある装置で服を十分に乾かすと良いでしょう。それでは」

 ソーマはこの後、リュートの元に現れた。

 「あ、ありがとうございました」

 「助かった」

 二人もソーマに命を救われていたのだった。

 「それにしてもずぶ濡れですわね」

 「服を乾かそう 」

 施設内は殆ど焼け焦げたが、いくつか無事な施設があった。その中に洗濯部屋があった。そこにあった乾燥機で服を乾かした。慣れない機械だったので多少時間がかかったが無事に乾いた。その後に、リュートの元へと向かったのだった。

 
 「と、いうことがありましたわ」

 「そうか。そっちも大変だったみたいだな」

 色々なことがあったが、ここに全員が無事に集合できたのだ。やることはあと一つだ。

 「よし、みんな聞いてくれ」

 全員が俺の方を向く。再開を喜んでいた二人もこちらを向く。

 「あとは皇帝を倒すだけだ。みんな行こう!」

 「「「「「はい!」」」」」

 こうして全員集合した俺達は再び皇帝が居るナバル城に向かうのであった。
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