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第15章 帝国決戦篇
第177話 勇者不在の国
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「どうやら二国は無事に巨大岩石の破壊に成功したようですね」
「はい。後は私たちがやるだけですね!」
ムガ王国の魔法研究所は、ナバル帝国からの攻撃が直撃したが、まだ一部の施設は無事だった。マギは魔法兵たちを集め、隕石対策を始めていた。
「所長…間に合いますかね…」
「間に合わせるしかないでしょう?皆さん頑張りましょう!」
ボロボロの研究所で、急ピッチに作業が進む。そう、今この国の勇者は向こうの敵地に居る。つまり、ムガ王国には頼れる戦力は居ない。自分たちで何とかするしかないのだ。
「破壊は出来なくてもせめて、防衛さえ出来れば…」
隕石は止まることなく落ち続ける。既に太陽は隕石の陰に隠れ、夜のような暗さになって居た。
「マギさん!出来ました!」
「わかりました!人工魔力防壁、展開!」
研究所から上空に向かって光が伸びる。その光は一定の距離まで伸びると、拡散して地上に降り注ぐ。光がムガ王国一帯を包み込んだ。ムガ王国に魔法のバリアが展開したのである。
隕石がバリアに阻まれ落下の速度が落ち始めた。
「所長!これでは耐えているだけで魔力が尽きたら終わってしまいますよ!」
「しかし、我々にできることと言えばこのような事しか…」
隕石は速度を落としながらも依然、落下を続けていた。
「非常に不味い状況ですね…」
ムガ王国では、破壊に特化したものをあまり開発してこなかった。だから、このような状況で持ち合わせる装備が無い。
「所長!負荷により、魔力ジェネレータが壊れました!」
「それは本当ですか?」
「隕石落下速度が加速しました!」
「もう手はないですね…」
すると、マギは思い出した。
「短時間跳躍装置!これをフル稼働させられれば…!皆さん!この国に残っている魔力を全て注いでください!」
「了解です!」
魔法兵達を総動員して短時間跳躍装置を仕上げていく。
「所長!落下まで一分を切りました」
「まだ未完成ですがやるしかありません。短時間跳躍装置、起動!」
隕石に光線が当たる。隕石は光線が当たると姿を消した。
「やりました!成功です所長!」
「いや、まだです!あくまで一時的に危機を退けただけ。時間が経ったらどこに現れるかはわかりません」
やるべき事をやり尽くしたマギ達は後は祈るしか無かった。運良く、国とは関係ない所に隕石が転移し、被害が最小限に抑えられることを。しかし、現実は残酷だった。
「!?隕石、再度出現!我々の近くです!」
「そんな…」
真上ではなくなったが、この距離ではどのみち助からない。
「申し訳ございませんリュート様…私たちの技術ではここまでのようです…」
「所長!隕石の落下予測地点に何者かがいます!」
「一体誰が?」
遠見の魔法を使えるものが魔法を使用する。
「あれは…人?」
その黒髪の男性は、空に手をかざす。
「何かを言っている?フェイトプロセス?」
男が何かを唱えると隕石は元からここに無かったかのように消えたのだった。
「はい。後は私たちがやるだけですね!」
ムガ王国の魔法研究所は、ナバル帝国からの攻撃が直撃したが、まだ一部の施設は無事だった。マギは魔法兵たちを集め、隕石対策を始めていた。
「所長…間に合いますかね…」
「間に合わせるしかないでしょう?皆さん頑張りましょう!」
ボロボロの研究所で、急ピッチに作業が進む。そう、今この国の勇者は向こうの敵地に居る。つまり、ムガ王国には頼れる戦力は居ない。自分たちで何とかするしかないのだ。
「破壊は出来なくてもせめて、防衛さえ出来れば…」
隕石は止まることなく落ち続ける。既に太陽は隕石の陰に隠れ、夜のような暗さになって居た。
「マギさん!出来ました!」
「わかりました!人工魔力防壁、展開!」
研究所から上空に向かって光が伸びる。その光は一定の距離まで伸びると、拡散して地上に降り注ぐ。光がムガ王国一帯を包み込んだ。ムガ王国に魔法のバリアが展開したのである。
隕石がバリアに阻まれ落下の速度が落ち始めた。
「所長!これでは耐えているだけで魔力が尽きたら終わってしまいますよ!」
「しかし、我々にできることと言えばこのような事しか…」
隕石は速度を落としながらも依然、落下を続けていた。
「非常に不味い状況ですね…」
ムガ王国では、破壊に特化したものをあまり開発してこなかった。だから、このような状況で持ち合わせる装備が無い。
「所長!負荷により、魔力ジェネレータが壊れました!」
「それは本当ですか?」
「隕石落下速度が加速しました!」
「もう手はないですね…」
すると、マギは思い出した。
「短時間跳躍装置!これをフル稼働させられれば…!皆さん!この国に残っている魔力を全て注いでください!」
「了解です!」
魔法兵達を総動員して短時間跳躍装置を仕上げていく。
「所長!落下まで一分を切りました」
「まだ未完成ですがやるしかありません。短時間跳躍装置、起動!」
隕石に光線が当たる。隕石は光線が当たると姿を消した。
「やりました!成功です所長!」
「いや、まだです!あくまで一時的に危機を退けただけ。時間が経ったらどこに現れるかはわかりません」
やるべき事をやり尽くしたマギ達は後は祈るしか無かった。運良く、国とは関係ない所に隕石が転移し、被害が最小限に抑えられることを。しかし、現実は残酷だった。
「!?隕石、再度出現!我々の近くです!」
「そんな…」
真上ではなくなったが、この距離ではどのみち助からない。
「申し訳ございませんリュート様…私たちの技術ではここまでのようです…」
「所長!隕石の落下予測地点に何者かがいます!」
「一体誰が?」
遠見の魔法を使えるものが魔法を使用する。
「あれは…人?」
その黒髪の男性は、空に手をかざす。
「何かを言っている?フェイトプロセス?」
男が何かを唱えると隕石は元からここに無かったかのように消えたのだった。
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