異世界を統べるのは人ではなく竜だ

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第17章 竜神達のバカンス篇

第202話 最後のイベント

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 休憩は十分に済んだだろう。後は持ってきた例のブツのイベントを行うだけだ。

 「よし、みんな集まってくれ」

 ビーチバレーで遊んでいた三人と、休憩をしていた二人を集める。

 「どうしたのリュート?」

 「何かやるのか?」

 「そろそろいい時間だから、本日最後のイベントを行おうと思ってな」

 「イベント?何か持ってきたのか?」

 俺は持ち寄った荷物からとあるものを取り出す。

 「本日最後のイベントは水鉄砲合戦だ!」

 俺が持ってきたのは、海で使用出来る水鉄砲だった。最近開発されたもので、水魔法が使えるようになっているようだ。様々な種類があったので、全種類買ってきた。
 一つ目はシンプルな見た目のノーマル水鉄砲だ。両手で持てるくらいのサイズ感で誰でも使いこなせるだろう。
 二つ目は、長めのスナイパータイプだ。ノーマルより射程は長いが、弾切れが早い。
 三つ目は、二丁拳銃タイプで、こちらは射程が短い代わりに連射ができる。

 俺が用意したのはこの三タイプだ。これをみんなに使ってもらう。

 「これでどういったことをするのですか?」

 「これを体のどこかに装備して、それが全て撃ち抜かれたら負けだ」

 俺は水で濡れると破れるようになっている的を用意した。これを体の好きな箇所三ヶ所に装備し、それが全て水で撃ち抜かれたら負けというルールだ。

 「優勝者と準優勝者には景品がある」

 「景品?」

 全員がこちらに注目する。

 「景品は俺が可能な限りなんでも願いをひとつ叶えるというものだ」

 「なんでも…」

 「願いを…」

 「叶える…」

 それを聞いたみんなの目の色が変わる。以前どこかで見たような光景だ。

 「さぁ、どの水鉄砲を使うか選んでくれ」

 「じゃあ。私はこれ!」

 「私はこちらを」

 「私はこれだ」

 「うーんと…。これにしようかな」

 「私はこれにするわ」

 クリアとルージュがノーマルタイプの水鉄砲、ミラがスナイパータイプの水鉄砲、サレナとローザが二丁拳銃タイプの水鉄砲を選択した。

 今回は前回と違い個人戦だ。しっかりとした戦略が大事になるだろう。

 「私が勝つよ」

 「いえ、私が勝たせていただきますわ」

 「ふっ。私に射撃で勝てると思うか?」

 「水の操作には自信があります。先生が相手でも負けませんよ」

 「私の本気をみせてあげるわ」

 五人は既に臨戦態勢だ。これは見どころの多い、素晴らしい試合が期待できそうだ。

 「よし、みんな離れて試合開始だ」

 それぞれが離れた位置に移動する。

 「それでは第一回、感情的な色彩水鉄砲大会、スタート!」

 女達による、熱い戦いが幕を開けたのだった。
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