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第17章 竜神達のバカンス篇

第203話 女達の戦いII

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 砂浜にピリピリとした空気が流れている。まもなく水鉄砲大会が始まろうとしていた。

 フィールドにはそれとなく障害物を設置され、壁に隠れることが出来るようになっている。

 「みんな!配置に着いたか?」

 「「「「「はい」」」」」

 一定の距離を空けて、五人が配置に着いた。

 「的が全て撃ち抜かれたら負けだ。じゃあ試合開始!」

 俺の掛け声と共に、みんなが一斉に動き出す。

 「さあて…上から撃ち抜いてあげるわ」

 ローザは上空に浮遊した。空からならば、みんなのことを狙い撃ちに出来ると考えたようだ。

 「ん?あれはサレナね」

 サレナの背後を取ったローザはバレないようにこっそり近づく。

 「もらったわサレナ」

 「甘いな」

 その時、ローザの的の一つ目が撃ち抜かれた。

 「何?どこから…。こんなこと出来るのはミラね!」

 ローザは浮遊していたため、逆に地上からも狙いやすくなっていた。そこをミラがスナイプした。空中は危険とわかったローザは地上に降りる。

 「隙ありですわ!」

 「しまっ…」

 ローザは撃たれたことに動揺し、周りが見えていなかった。先程まで狙っていたサレナに逆に狙われた。サレナの二丁拳銃は確実に的を貫き、一気に二つの的を破壊した。

 「負けたわ…」

 ローザの負けが決まった。

 そんな中ミラは、

 「見えなくなったな…何処にいる」

 かなり離れた場所からスナイプしたのでローザを見失った。

 「あの辺にいたはずだが…」

 「おっと、あれはルージュか?」

 別の場所で、ルージュを発見した。

 「済まないなルージュ。撃ち抜かせてもらう」

 放たれた水弾はルージュの目前で止まる。ルージュは魔法を使い、飛んできた水弾を一瞬で制御下に置いた。

 「何だと!」

 「あの距離からということは相手は先生ですか。たとえ、先生だからといって容赦はしません!私の魔法を受けてもらいますよ!」

 ルージュが水鉄砲を構える。

 「水魔法・六式!三つ首の水竜トライデント・リバイアサン!」

 ルージュが水鉄砲から放った二発の水弾と先程制御下に置いた、ミラの水弾が三方向からミラに向かう。

 「そんな水弾、撃ち落とす!」

 水弾が飛んでくる軌道を完全に見切り、確実に芯を貫いた。

 「無駄です!」

 「何だと!」

 ミラが放った水弾はルージュの水魔法に取り込まれてしまった。ルージュの水魔法は逆に勢いを増す。

 「しまった逃げるしかないか!」

 ミラはとっさの判断で回避を選択した。しかし、

 「何!足が…」

 ミラが踏み込んだ所の地面が沼のようになっており、足が埋まってしまった。

 「土魔法・二式。沈む土シンク・ソイルです。貰いましたよ先生!」

 三つ首の竜の水弾がミラの的を全て撃ち抜いたのだった。
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