異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第18章 竜神の日常篇

第208話 久しぶりのギルド

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 「さて、こんなものか」

 剣が切り裂いた跡には何も残っていない。全て別次元に取り込まれたのだ。

 オーガの討伐に成功した俺は、再び上空に舞い上がった。依頼主に報告に行かなくてはならない。来た方向とは別の方向へ飛んでいく。俺はムガ王国ではなく、ダール王国の方へ向かった。このまま飛んでいくと国民たちから驚かれるので、国の手前からは徒歩で移動する。

 「あ!リュート様!どうぞお通り下さい!」

 世界を救った英雄ともなると、門番も顔パスで通ることが出来る。

 「さて、依頼主の所へ行かないとな」

 しばらく街を歩き、目的地へ到着する。

 「ギルドか…懐かしいな」

 ここに来るのは何時以来だろうか。だいぶ前な気がする。

 ギルドに入るなり、奥に通された。しばらく待っていると、見知った顔が現れた。

 「いやー。リュート君!久しぶりだね!君の活躍は私の耳にも届いているよ」

 「確かに、この体型で合うのは久しぶりだな、ギルドマスターのセムラ」

 そう、今回の依頼主はダール王国ギルドマスターのセムラだった。前に会ったのは子供体型の時だった。

 「ハッハッハ!まさかあの時、私に挑んできた君がこんな大英雄になるとは思ってもいなかったよ」

 「俺もこうなるとは思ってなかったさ」

 「ここに来たということは依頼をこなしてくれたという事かな?」

 「あぁ。ていうか、あんな雑魚、ギルドの力を集結すれば楽に勝てるんじゃないか?」

 「はぁー。リュート君?君は自分がどのくらい強いのかわかっているのかい?君一人の戦力は三国が束になっても勝てるか危ういような強大な力があるんだよ?ましてや、こちらの優秀な冒険者たちは新たなダンジョンを探しに遠出をしている。こちらには優秀な戦力がちょうどいなかったというわけだ」

 「なるほど。そういう事なら仕方ない」

 「本当に助かったよ。ありがとう。これは報酬だ」

 「確かに受け取った。じゃあ、俺はこれで」

 「まぁまぁ待ってくれ」

 立ち上がろうとしたら、セムラに止められた。

 「この後何か予定はあるのかい?」

 予定を思い返してみるが、特にこれと言った予定は思いつかない。

 「いや、無いが…」

 「そうか!それなら良かった!」

 セムラが嬉しそうな顔をする。なんだか、嫌な予感がする。

 「実はな、うちの国王がリュート君に会いたいと言っていてね。ユリウス王は多忙だが、優秀でね。数時間くらいなら城から抜け出せるのさ」

 「で、本題は何だ?何がしたいんだ?」

 「あぁ。本題を言おう。君と酒の場に招待しようと思ってな」

 「えっ?」

 こうして、俺はギルドマスターとユリウスの酒盛りに招待されたのだった。 
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