異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第2章 爆棘竜の探索篇

第22話 捕縛者

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 「ンー!」

 そこには、厚い布に包まれた人物が居た。

 「まだ生存者が居たか!今、助ける!」

 ビリビリィ!棘を使って、布を引き裂く。

 ばるるん!

 「えっ?」

 「ンンー!」

 引き裂いた布の隙間から巨大な胸が零れ落ちた。まさか、この中の人物は裸の女性か?

 ビリビリィ!ビリィ!

 布を引き裂き、中の人物を外に出させる。そこには、上半身裸で下着だけを履いた、金髪爆乳美少女が縄で拘束されていた。

 「ンンー!ンン!」

 女性を縛っていた縄を切り裂いて、解放する。

 「や、やめてくださーい!た、助けてください!あれ?ゴブリンさん達は?」

 「落ち着け、俺は何もしない。俺はリュートという。体は大丈夫か?」

 「はいー。助けてくれてありがとうございますぅ!」

 「何故こんな状況になったか、説明してくれ」

 「はいー!」

 金髪の女性が説明を始める。

 「私はオリアナって言います」

 オリアナか、綺麗な響の名前だ。しかし、凄い可愛い脳が蕩けそうな声と話し方だ。しっかり集中して話を聞かなくては。

 「私、近くの小さな村に住んでいたんです。でも、村にゴブリンさん達が沢山押し寄せて来たんです。村のみんなで必死に抵抗したんですが、みんな負けてしまいましたぁ…。村の老人や子供達はみんな殺され、若者だけが残されましたぁ。村に唯一だった若い女の私は、服を引き裂かれ、縛られて布に包まれました。そして気がついたらここにいたんです」

 「なるほど…。それは災難だったな」

 「あ、あの…なんでドラゴンさんが喋ってるんですか?」

 「まぁ、そういう種族だと思ってくれ。それより他の生存者は?」

 「村に私以外の若い女性は居なかったので、恐らくは…」

 「わかった。君が無事なだけでも良かった」

 「あのー…ここはどこですか?」

 「ここはゴブリンの巣だ。周りを見てくれ、もう少しで君もああなる所だったぞ」

 周りに居る女性たちを見て、流石のオリアナも青ざめた。

 「は、はい…。助けてくれて本当にありがとうございました」

 そんな会話をしていると、向こうから声が聞こえてきた。

 「グギッ!」

 「グギャ!グギャ!」

 「不味い!こっちにゴブリンが来た。バレていない今のうちに逃げるぞ」

 「は、はいー」

 ゴブリン達に見つからないように再び入口まで戻る。

 「よし。今からこいつらを全て消し飛ばす」

 「そ、そんなことができるんですか?」

 「あぁ。俺ならできる」

 「でも、まだ中に女の人達がいましたよ?」

 「彼女らはもう生きてはいない。死んでいるようなものだ。それに、彼女らは自らの口から死を望んだ。ならば、楽にしてやるのが俺の仕事だ。オリアナ、君は少し離れていてくれ」

 「わかりました」

 オリアナが離れる。

 「女性たちに安らかな死を…」

 洞窟の中を目掛けてひたすらに棘を飛ばす。洞窟の壁面はリュートの棘でいっぱいになる。

 「爆破デトネイト!」

 大爆発により、ゴブリン巣は内部から崩壊したのだった。
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