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第2章 爆棘竜の探索篇
第26話 崩壊した村
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「こっちにあるのか?」
「はい」
オリアナの頼みでオリアナが住んでいた村に立ち寄ることとなった。そこならば、かえの着替えの一枚くらいはあるかもしれない。
「な、なぁオリアナ?」
「はい?どうしました」
「自分で歩くって」
「いいえ、リュートさんは大怪我をしているので、私が責任をもって運ばせて頂きます」
現在の俺は、シャロン達の治療で体の至る所に包帯が巻かれている。(ドラゴンの俺に、その治療は効くのだろうか…)
そんな俺に気を使ったオリアナは、俺のことを抱えながら歩いていた。別に足は折れたりしていないので歩こうとすれば歩けるのだが、オリアナに言われたので仕方なく運ばれている。別にそれだけなら特に何も言わないのだが、今のオリアナの格好は上半身裸なので、その巨大な質量が歩く度に左右から押し当てられ、気が気じゃないというのが本音だ。
「ゴメンねオリアナさん。私じゃ、リュートを上手く持てなくて…」
クリアももちろん俺の事を運ぼうとした。俺を持つには持てるが、クリアの体が小さいので上手く運ぶことは出来なかった。
「大丈夫ですよ、クリアさん。このくらいなら普段からお仕事で運んでいましたから。後、私の呼び方はオリアナで大丈夫ですよ?」
オリアナの仕事?オリアナは一体どんな仕事をしていたのだろうか。
しばらく歩くと、村が見えてきた。しかし、その村はボロボロになっていた。
「そんな…ここがオリアナの村なの…」
「やっぱり…ダメだったみたいですね…」
家は破壊され、至る所に荒らされた形跡がある。
「誰かいませんか!誰か!」
オリアナが呼びかけるがまるで返事がない。
「オリアナ…」
あまりにも酷い光景なのでかける言葉も見つからない。
「リュートさん、私は大丈夫です安心してください。それより何か残ってる物が無いか探しましょう」
オリアナはこんな惨状を見ても気を落とさない。俺も見習わなければ。
「この辺りが私の家でした」
そこには家が建っており、隣には柵のようなものがあった。
「柵?オリアナは酪農家だったのか?」
「そうです。私の家系は代々酪農一家だったので、ここで乳牛や、乳羊を飼って、そのミルクを商品として売って生活していました」
しかし、その牛や羊達も既にその場には居なかった。
「柵が壊れているのできっと逃げちゃったみたいですね…。あっ、そう言えば。この辺りに…」
オリアナが崩れたガレキの辺りを調べる。
「あ、ありました!私の着替え!ちょうど洗濯して外に干していた所だったのでこの辺りにあると思ってたんです」
オリアナは見つけたそれに着替える。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。いつもそれを着てたのか?」
「はい?そうですけど…」
その姿は裸オーバーオールだった。
「私の村では割と普通の格好でしたよ。汚れたらすぐに洗えますし、便利です」
「ま、まぁオリアナがいいなら、いいや」
しばらく探索を続けたが、他に使えそうな物は無かった。
「うーん。あまり何か残っている訳じゃないみたいですね。もうリュートさんの拠点に戻りましょうか」
「わかった」
「最後にこの村に挨拶をさせてください」
「大丈夫、いつまでも待つよ」
「ありがとうございます」
すると、オリアナは村の方を向き、祈るようなポーズを摂る。
「村のみんな…今までありがとう。私はみんなの分も頑張ります。どうか安らかに…」
後ろからその姿を見ていた俺は、オリアナがどんな表情をしていたのかはわからなかった。だが、オリアナの気持ちなら察することは出来た。
「よし!じゃあ行きましょうか、リュートさん!」
振り返ったオリアナは既に笑顔だった。改めて、オリアナの芯の強さを実感したのだった。
「はい」
オリアナの頼みでオリアナが住んでいた村に立ち寄ることとなった。そこならば、かえの着替えの一枚くらいはあるかもしれない。
「な、なぁオリアナ?」
「はい?どうしました」
「自分で歩くって」
「いいえ、リュートさんは大怪我をしているので、私が責任をもって運ばせて頂きます」
現在の俺は、シャロン達の治療で体の至る所に包帯が巻かれている。(ドラゴンの俺に、その治療は効くのだろうか…)
そんな俺に気を使ったオリアナは、俺のことを抱えながら歩いていた。別に足は折れたりしていないので歩こうとすれば歩けるのだが、オリアナに言われたので仕方なく運ばれている。別にそれだけなら特に何も言わないのだが、今のオリアナの格好は上半身裸なので、その巨大な質量が歩く度に左右から押し当てられ、気が気じゃないというのが本音だ。
「ゴメンねオリアナさん。私じゃ、リュートを上手く持てなくて…」
クリアももちろん俺の事を運ぼうとした。俺を持つには持てるが、クリアの体が小さいので上手く運ぶことは出来なかった。
「大丈夫ですよ、クリアさん。このくらいなら普段からお仕事で運んでいましたから。後、私の呼び方はオリアナで大丈夫ですよ?」
オリアナの仕事?オリアナは一体どんな仕事をしていたのだろうか。
しばらく歩くと、村が見えてきた。しかし、その村はボロボロになっていた。
「そんな…ここがオリアナの村なの…」
「やっぱり…ダメだったみたいですね…」
家は破壊され、至る所に荒らされた形跡がある。
「誰かいませんか!誰か!」
オリアナが呼びかけるがまるで返事がない。
「オリアナ…」
あまりにも酷い光景なのでかける言葉も見つからない。
「リュートさん、私は大丈夫です安心してください。それより何か残ってる物が無いか探しましょう」
オリアナはこんな惨状を見ても気を落とさない。俺も見習わなければ。
「この辺りが私の家でした」
そこには家が建っており、隣には柵のようなものがあった。
「柵?オリアナは酪農家だったのか?」
「そうです。私の家系は代々酪農一家だったので、ここで乳牛や、乳羊を飼って、そのミルクを商品として売って生活していました」
しかし、その牛や羊達も既にその場には居なかった。
「柵が壊れているのできっと逃げちゃったみたいですね…。あっ、そう言えば。この辺りに…」
オリアナが崩れたガレキの辺りを調べる。
「あ、ありました!私の着替え!ちょうど洗濯して外に干していた所だったのでこの辺りにあると思ってたんです」
オリアナは見つけたそれに着替える。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。いつもそれを着てたのか?」
「はい?そうですけど…」
その姿は裸オーバーオールだった。
「私の村では割と普通の格好でしたよ。汚れたらすぐに洗えますし、便利です」
「ま、まぁオリアナがいいなら、いいや」
しばらく探索を続けたが、他に使えそうな物は無かった。
「うーん。あまり何か残っている訳じゃないみたいですね。もうリュートさんの拠点に戻りましょうか」
「わかった」
「最後にこの村に挨拶をさせてください」
「大丈夫、いつまでも待つよ」
「ありがとうございます」
すると、オリアナは村の方を向き、祈るようなポーズを摂る。
「村のみんな…今までありがとう。私はみんなの分も頑張ります。どうか安らかに…」
後ろからその姿を見ていた俺は、オリアナがどんな表情をしていたのかはわからなかった。だが、オリアナの気持ちなら察することは出来た。
「よし!じゃあ行きましょうか、リュートさん!」
振り返ったオリアナは既に笑顔だった。改めて、オリアナの芯の強さを実感したのだった。
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