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第4章 人と竜の狭間篇
第39話 苦手なもの
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という訳で、俺たちはセールイ王国近くにある、ダンジョンにやってきた。洞窟のようになっているここがダンジョンの入口なのだろう。
「よし、入ろう」
「うん」
「はい」
中は複数に枝分かれした洞窟が何層も続いているような構造をしていた。
「入り組んだ構造をしているな…」
「一度迷ったら二度と出られなくなりそうだよ」
確かに、内部はただの洞窟なので目印になるようなものは何も無い。
「ムーちゃん。お願いですー」
オリアナが召喚術でスライムのムーを呼び出す。魔物使いのオリアナはモンスターを使役して戦う。魔物使いの標準装備は魔物制御腕輪と呼ばれる腕輪で、装着していると使役したモンスターを好きな場所に呼び寄せることができる。
「!!」
ムーが枝分かれになった道をモンスターの感覚的なもので見切ってくれるようだ。
「凄いな、そんなことができるのか」
「ムーちゃんは凄いんですよー」
ムーが指し示す方向へ進む。特に行き止まりに当たることも無く、順調に進む。
「凄い!本当に正しい道みたいだよ!」
「流石はムーちゃんですー!」
しかし、ダンジョンというものはそう簡単にクリア出来ない。
「どうやら敵のお出ましだ」
もちろんダンジョン内にもモンスターは居る。このダンジョンの構造上先頭を回避して迂回することは難しいので、全てを蹴散らして進む必要がある。そこに居たのは蜘蛛のような形状をしたモンスターだ。巨大な蜘蛛のようなモンスターはカサカサと地面を這いずっている。
「うわっ…キモイ…」
実は俺は虫が大の苦手だ。今までの戦闘では、虫型のモンスターなどには出くわさなかった。これが新大陸か…。まずい…あまりのキモさに戦意が喪失していく。生理的に無理という奴だ。
「だ、大丈夫?リュート?」
「あ、あぁ。虫がなんだって言うんだ!」
今の俺は守らなくちゃいけない存在が居るんだ、こんな所でへこたれる訳にはいかない。こんな気持ち悪い生物は即効で亡きものにするべきだ。
「うおぉぉぉ!」
ズバッ!巨大グモはリュートの刀で真っ二つになった。
「!?」
しかし、虫というのは殺したつもりの時も少しの間なら生き残っている時がある。この蜘蛛はそういった類いのモンスターで真っ二つになったにも関わらず、特に変わらずに動き続けていた。
「うわぁ…」
真っ二つの巨大な蜘蛛が動き続ける様子は本当にグロテスクだ。血の気が引いていく。蜘蛛はしばらく経ち、動かなくなった。
「フゥ…助かった…」
「リュート顔色悪いけど…虫苦手なの?」
ギクッ!
「な、なんの事かな…?」
「大丈夫だよ。私たちが着いてるよ」
「リュートさんにも苦手なものってあったんですねー」
何故か二人とも嬉しそうなのは何故だろうか。
こうして、俺の弱点が二人に知られてしまったのだった。
「よし、入ろう」
「うん」
「はい」
中は複数に枝分かれした洞窟が何層も続いているような構造をしていた。
「入り組んだ構造をしているな…」
「一度迷ったら二度と出られなくなりそうだよ」
確かに、内部はただの洞窟なので目印になるようなものは何も無い。
「ムーちゃん。お願いですー」
オリアナが召喚術でスライムのムーを呼び出す。魔物使いのオリアナはモンスターを使役して戦う。魔物使いの標準装備は魔物制御腕輪と呼ばれる腕輪で、装着していると使役したモンスターを好きな場所に呼び寄せることができる。
「!!」
ムーが枝分かれになった道をモンスターの感覚的なもので見切ってくれるようだ。
「凄いな、そんなことができるのか」
「ムーちゃんは凄いんですよー」
ムーが指し示す方向へ進む。特に行き止まりに当たることも無く、順調に進む。
「凄い!本当に正しい道みたいだよ!」
「流石はムーちゃんですー!」
しかし、ダンジョンというものはそう簡単にクリア出来ない。
「どうやら敵のお出ましだ」
もちろんダンジョン内にもモンスターは居る。このダンジョンの構造上先頭を回避して迂回することは難しいので、全てを蹴散らして進む必要がある。そこに居たのは蜘蛛のような形状をしたモンスターだ。巨大な蜘蛛のようなモンスターはカサカサと地面を這いずっている。
「うわっ…キモイ…」
実は俺は虫が大の苦手だ。今までの戦闘では、虫型のモンスターなどには出くわさなかった。これが新大陸か…。まずい…あまりのキモさに戦意が喪失していく。生理的に無理という奴だ。
「だ、大丈夫?リュート?」
「あ、あぁ。虫がなんだって言うんだ!」
今の俺は守らなくちゃいけない存在が居るんだ、こんな所でへこたれる訳にはいかない。こんな気持ち悪い生物は即効で亡きものにするべきだ。
「うおぉぉぉ!」
ズバッ!巨大グモはリュートの刀で真っ二つになった。
「!?」
しかし、虫というのは殺したつもりの時も少しの間なら生き残っている時がある。この蜘蛛はそういった類いのモンスターで真っ二つになったにも関わらず、特に変わらずに動き続けていた。
「うわぁ…」
真っ二つの巨大な蜘蛛が動き続ける様子は本当にグロテスクだ。血の気が引いていく。蜘蛛はしばらく経ち、動かなくなった。
「フゥ…助かった…」
「リュート顔色悪いけど…虫苦手なの?」
ギクッ!
「な、なんの事かな…?」
「大丈夫だよ。私たちが着いてるよ」
「リュートさんにも苦手なものってあったんですねー」
何故か二人とも嬉しそうなのは何故だろうか。
こうして、俺の弱点が二人に知られてしまったのだった。
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