異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第4章 人と竜の狭間篇

第48話 魔女との接触

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 「なんじゃ?わしは忙しいんじゃ」

 魔女の家から現れたのはクリアよりも小さい女の子だった。

 「ここに魔女が居ると聞いてきたんだが…」

 「わしがその魔女じゃが?」

 「えっ?」

 想像していた魔女よりも何年も若い。と言うより、明らかに子供だ。

 「魔女って子供だったの?」

 「想像と違いましたー」

 クリアとオリアナも驚いていた。

 「なんじゃ二人揃ってそのデカい乳は…憎たらしいな…。まぁいいわ。それで?嫌われ者のわしのところに来るとは、一体なんのようじゃ?」

 「あなたの反転の力を聞きつけてここに来たんだ」

 「ほう。話を聞こう。中に入るが良い」

 魔女は俺たちを中に入れる。家の中は思っていたよりも普通だが、あちらこちらに見たことの無い道具が置いてある。

 「わしの名はイモージェン。ここに住んでおる魔女じゃ」

 「俺の名はリュート。それに、クリアとオリアナだ」

 軽く自己紹介をし合う。

 「お主はわしの力を聞いても驚かんのか?」

 「どうしてだ?」

 「わしの力は強大でな、普通の人間ならわしの家に近づこうともしないのじゃ。わしはこう見えても数百年は生きておるが、この家に近づいてきたのも数十年ぶりじゃよ」

 やはり魔女だ。この見た目で数百歳とは…。

 「お主…人間ではないのじゃろう?」

 「何?」

 どこでバレた?何かおかしな動きはしていないはずだが…。

 「わしは魔女じゃ。言わんでもわかる。お主、これを知っているか?」

 イモージェンは一枚の紙を取り出す。

 「こ、これは…」

 その紙にはこう書かれていた。

 『黒き竜が現れた。討伐した者には大量の報酬を与える』

 そこには、明らかに俺に似た黒い竜の絵がかかれており、文面から察するに手配書のようだ。

 「この竜がお主じゃろう?お主からは人間ではない何かを感じるのじゃ」

 正体が簡単に見破られてしまった。ここに長居しない方がいいのだろうか。

 「安心せい。別に兵に売り飛ばしたりはせん」

 「そうか。安心したよ」

 その言葉は何だか信用ができた。

 「今、お主が人間になっているのは変化の技か?」
 
 「あぁ、そうだ。魔力が尽きると竜に戻ってしまう。だから、人型のままでいられる方法を探しているんだ」

 「なるほど。承知した。それでわしの元まで来たわけじゃな?」

 「そういう事だ」

 「リュートと言ったか?」

 「あぁ」

 「お主は運が良い。わしならばその願いを叶えてやることができるぞ?」

 「本当か?」

 「ただし、条件がある」

 やはり簡単には行かないだろう。

 「どんな条件だ?」

 「わしが今からやる技を口外しないこと、そして、お主がいずれたどり着くにわしをかかわらせることじゃ」

 「えっ?それはどう言う…?」

 「まぁ今は気にせんでも良い。いずれわかる時が来る」

 こうして俺は、人型への道を見つけることが出来たのだった。
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