377 / 529
第5章 革命の夜明け篇
第57話 ロート帝国
しおりを挟む
「皇帝陛下!」
ロート帝国の城内に大きな声が響く。兵士が皇帝の元に駆けつける。
「なんだ?私は忙しい。報告は迅速にせよ」
特に何もしていないくせに、偉そうな態度でどっしりと玉座に座る中年太りのおじさんが居る。その人は、この国ロート帝国の皇帝である、ダム・ロート皇帝だ。
「赫怒竜の討伐隊が全滅したとの事です!」
「全滅だと?部隊の壊滅では無く?あれだけの奴隷を用意してやったというのに、使えん奴らだ」
「さらに追加の報告がございます!」
「何だ?話せ!」
「先程赫怒竜が冒険者によって討伐された様です!」
「何だと!それは本当か!」
「私が聞いた話ですが、追加で向かっていた討伐隊第二部隊が赫怒竜の元に向かったところ、赫怒竜の鱗を持っていた名も知らぬ冒険者がそこに立っていたそうです!」
「素晴らしい!素晴らしいぞ!長年苦しめられてきた邪魔者をこんなに簡単に討伐するとは、今すぐここにその者を呼べ!」
「はっ!既に手配してあります!」
「あの赫怒竜を討伐できるとは只者ではない!しかも、名も知れていないということは、私の部下につかせるのもありかもしれないな」
しばらく経ち、リュート達が皇帝の前に現れた。
「よく来た旅の者達よ。私はダム・ロート。この国の皇帝である」
「これはこれは、皇帝陛下。お会いできて光栄です」
黒髪の竜人の男は丁寧な受け答えをする。皇帝は想像していたより礼儀正しく、気分が良くなった。
「旅の者よ、そなたの名は?」
「リュートと申します」
「リュート!赫怒竜をよく討伐してくれた!褒美を取らせようと思うが、何が良い?」
「では、皇帝陛下に質問してもよろしいでしょうか?」
「うむ。そのくらいならなんでも答えてやろう」
「この国は奴隷商売が盛んと聞きましたが、どのくらいの奴隷がこの国に居るのですか?」
「うーむ。居すぎて数なんてわからん!奴隷なんて数える価値も無いしな!ハッハッハ!」
「皇帝陛下はとても裕福そうですが、どのような収入の得方をしているのですか?」
「そんなの、奴隷達を働かせて税を徴収するだけさ。それでこの国は回るのだからな!」
「流石は皇帝陛下、これなら心置き無く暴れられそうだ」
「何?一体何を言って…」
その時、リュートたちの背後に魔法陣が出現し、そこから倒されたはずの赫怒竜が出現した。
「なっ!これは一体どういうことだ!」
「皇帝陛下。貴方のようなクズな人種には消えてもらおうと思ってね」
「貴様!この私に歯向かうのか!兵士よ!こやつらを拘束しろ!」
「よーく、周りを見た方がいいんじゃないか?」
皇帝が周りを確認すると、全ての兵士は既に気を失っていた。そして、リュートの姿が黒いドラゴンに変わって行く。
「さて、ブレイズ!やるぞ!」
「あぁ、始めようぜ革命を!」
黒と赤の竜が並び立つのであった。
ロート帝国の城内に大きな声が響く。兵士が皇帝の元に駆けつける。
「なんだ?私は忙しい。報告は迅速にせよ」
特に何もしていないくせに、偉そうな態度でどっしりと玉座に座る中年太りのおじさんが居る。その人は、この国ロート帝国の皇帝である、ダム・ロート皇帝だ。
「赫怒竜の討伐隊が全滅したとの事です!」
「全滅だと?部隊の壊滅では無く?あれだけの奴隷を用意してやったというのに、使えん奴らだ」
「さらに追加の報告がございます!」
「何だ?話せ!」
「先程赫怒竜が冒険者によって討伐された様です!」
「何だと!それは本当か!」
「私が聞いた話ですが、追加で向かっていた討伐隊第二部隊が赫怒竜の元に向かったところ、赫怒竜の鱗を持っていた名も知らぬ冒険者がそこに立っていたそうです!」
「素晴らしい!素晴らしいぞ!長年苦しめられてきた邪魔者をこんなに簡単に討伐するとは、今すぐここにその者を呼べ!」
「はっ!既に手配してあります!」
「あの赫怒竜を討伐できるとは只者ではない!しかも、名も知れていないということは、私の部下につかせるのもありかもしれないな」
しばらく経ち、リュート達が皇帝の前に現れた。
「よく来た旅の者達よ。私はダム・ロート。この国の皇帝である」
「これはこれは、皇帝陛下。お会いできて光栄です」
黒髪の竜人の男は丁寧な受け答えをする。皇帝は想像していたより礼儀正しく、気分が良くなった。
「旅の者よ、そなたの名は?」
「リュートと申します」
「リュート!赫怒竜をよく討伐してくれた!褒美を取らせようと思うが、何が良い?」
「では、皇帝陛下に質問してもよろしいでしょうか?」
「うむ。そのくらいならなんでも答えてやろう」
「この国は奴隷商売が盛んと聞きましたが、どのくらいの奴隷がこの国に居るのですか?」
「うーむ。居すぎて数なんてわからん!奴隷なんて数える価値も無いしな!ハッハッハ!」
「皇帝陛下はとても裕福そうですが、どのような収入の得方をしているのですか?」
「そんなの、奴隷達を働かせて税を徴収するだけさ。それでこの国は回るのだからな!」
「流石は皇帝陛下、これなら心置き無く暴れられそうだ」
「何?一体何を言って…」
その時、リュートたちの背後に魔法陣が出現し、そこから倒されたはずの赫怒竜が出現した。
「なっ!これは一体どういうことだ!」
「皇帝陛下。貴方のようなクズな人種には消えてもらおうと思ってね」
「貴様!この私に歯向かうのか!兵士よ!こやつらを拘束しろ!」
「よーく、周りを見た方がいいんじゃないか?」
皇帝が周りを確認すると、全ての兵士は既に気を失っていた。そして、リュートの姿が黒いドラゴンに変わって行く。
「さて、ブレイズ!やるぞ!」
「あぁ、始めようぜ革命を!」
黒と赤の竜が並び立つのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる