異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第5章 革命の夜明け篇

第60話 建国

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 未曾有の大爆発により、ロート帝国の城は倒壊した。

 「リュート!リュートは大丈夫なの?」

 クリアは爆発に巻き込まれたリュートを心配していた。

 「慌てるな。アイツがこの程度で死ぬ男か」

 ブレイズがそれを宥めていると、ボコン!と、崩れ去った城の瓦礫の中から腕が出てくる。

 「痛たた…やりすぎたみたいだな…」

 リュートは瓦礫をかき分けて出てきた。

 「リュート!」

 クリアはリュートの元へ向かう。その後にオリアナやブレイズも続く。

 「ハッハッハ!実に愉快な結末だな。まぁ皇帝が逃げたことだけは心残りだが」

 「まぁ大丈夫だろ。これで悪しき帝国は滅んだ。この国の奴隷たちは安寧だろう」

 そんなリュートたちの元に、解放した奴隷たちが駆け寄ってくる。

 「リュートさん!いや、リュート様!あなたは我々の希望だ!」

 「何、別に大したことはしていないさ。俺はただ、自由を束縛するやつが許せないだけさ」

 「リュート様!」

 「何だ?」

 「俺たちの王になっていただけませんか?リュート様が王になるならその国は安泰だろう」

 国か…それもいいのかもしれない。

 「どう思う?クリア、オリアナ?」

 「みんな、リュートのことを信じているんだよ。その期待に答えてほしいな」

 「私もリュートさんの国ならぜひ住んでみたいです!」

 二人も俺に王になって欲しいようだ。しかし、俺にはまだまだやるべき事がある。王としてこの国に居続ける事は不可能だ。

 「だかな…俺には他にもやらなきゃ行けないことが…」

 「それなら、名前だけの王にすればいいんじゃないか?」

 ブレイズが提案する。

 「名前だけ?」

 「あぁ。この国の王は紛れもないお前だが、実際に管理、運営するのはコイツらの仕事だ。敵襲が来たらもちろん守るのは俺たちになるが、あんたは何ものにも縛られない、自由に過ごせる権利があるぜ?」

 「なるほどな…」

 確かに、帰って来る場所はあって困るものではないだろう。それに、自由に過ごせるなら、それに越したことはない。

 「わかった。俺が新たな王になろう。ここに自由都市『フリーダム』の建国だ!」

 「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!リュート様万歳!」」」

 こうして、ロート帝国の跡地にリュートによる新たな国が建国したのだった。


 「はぁ…はぁ!」

 リュート達がそんなことをしている間、ロート皇帝は隣国のセールイに亡命した。

 「クソ!あのドラゴン風情が人間様に楯突くとは、いつか必ず復讐してやる!」

 ロート皇帝は復讐心を燃やし、セールイに逃げ延びたのだった。
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