異世界を統べるのは人ではなく竜だ

第8章 自国の強化篇

第93話 王妃

　リュートの国、フリーダムに配備する兵士の考えはまとまった。

　「次は城内環境の整備じゃな」

　「城内環境って何をすればいいんだ？」

　「お主はこのだだっ広い城を自身で管理するつもりか？暮らしを豊かにするためにも使用人を雇った方が良いじゃろう」

　「使用人か…」

　「そうじゃ、掃除や洗濯、食事など管理してくれる者がいた方が楽じゃろう？」

　確かに今まではクリアに負担をかけていたし、そういった生活も悪くないのかもしれない。

　「でも、私…リュートのお世話したいよ…」

　「まぁそういったことは王の権限を使ってやらせてもらえば良いのではないか？」

　「そうだね。そして、サレナ達の役職は決まったけど、私たちの役職が決まって無いよ？」

　サレナ、ミラ、ルージュ、ニナの戦闘力特化四人は兵士を纏める職に就いた。やる気のないコットンは除いて、クリア、ローザ、オリアナの三人は特にこれと言った仕事が決まっていない。

　「それも城内環境の一部じゃ。王がいて、王妃が居ないく国など有り得ん。お主らは戦闘があまり得意ではないようじゃし、この国の王妃という事で良いのでは無いか？」

　「王妃…か」

　妻といえば全員が妻なのだが、クリア達にも肩書きみたいなものはあった方が良いだろう。

　「私たちが王妃を名乗ってもいいの？」

　「あくまで肩書きのようなものじゃ。どうせリュート王はここにいる全員に手をつけているんじゃろう？」

　イモージェンが全員の顔を見渡すと、全員が顔を赤らめた。

　「やはりな」

　「ま、まぁな…」

　現実世界だと非常識かもしれないが、ここは異世界。別におかしなことではない。それに王なら側室は持って当然なものだ。

　「じゃあクリアが第一王妃、ローザが第二王妃、オリアナが第三王妃という事で良いか？」

　「うん。わかった」

　「頑張らせてもらうけど、私に王妃何て務まるかしら」

　「田舎に暮らしてた私が王妃になれるなんて、夢みたいですー」

　「揃いに揃ってでっかいモノをぶら下げおって…。リュート王の趣味が見て取れる様じゃな」

　「な、なんの事かな？」

　王妃になったメンバーの胸が大きいのはたまたまだ。きっとそうだ。

　「よし、これで皆の役職も決まったな。いよいよリュート王の国の本格始動じゃ。では、サレナ達は兵士の募集。リュート王達は使用人の募集をした方が良いな」

　イモージェンは的確な指示を飛ばす。本当に居てくれて助かった。

　「助かるよイモージェン。これからよろしくな」

　「ふっ。わしに任せるが良い」

　こうして、リュート達の国が本格的に始動したのだった。