異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第9章 魔王と灰の国篇

第108話 一騎当千の兵士長

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 千の兵に囲まれたサレナは決して怯むことは無い。

 「まとめてかかれ!相手は一人だ!」

 兵士たちがサレナに向かって来る。

 「なるべく戦いたくはないのですが…仕方ありません」

 サレナが再び剣を構える。

 「白き花の舞ホワイト・ダンス!」

 舞うような剣戟は他を寄せつけない。

 「ぐあぁぁ!」

 「なんて速さだ!見えない!」

 「まだまだ行きますわ!白き獣の怒りホワイト・アンガー!」

 獣の如き、強烈な一振は兵士たちを薙ぎ払っていく。

 「数だ!数で押せ!」

 「槍だ!中距離で攻めろ!」

 剣兵ではなく、槍兵が前に出る。

 「足を狙え!機動力を失えばこちらに部がある」

 槍兵達の槍はサレナを貫いたように見えた。

 「何!居ない?」

 「どこへ消えた?」

 「上か!」

 サレナは槍を回避し、空中に飛び上がっていた。

 「白き鳥の羽ばたきホワイト・フリップ!」

 回転しながら空中から繰り出される斬撃は正しく鳥のようだ。

 「ぐあぁぁ!」

 「強すぎる!」

 「どんどん行きますわ!」

 一気に地面を蹴り、踏み込む。

 「白き乙女の心ホワイト・ハート!」

 音速の斬撃が兵士たちを切り裂く。

 「まずい!だいぶ数が減ったぞ!」

 「大丈夫だ!まだ三分の一くらいだ!」

 「時間をかける訳にも行きません。少し本気を出させていただきますわ」

 サレナは剣を地面に突き刺し、左手を前に出す。

 「白き剣聖の名の元に、剣よ顕現せよ!」

 サレナの手元に魔法武器D.D.ソードが現れる。サレナは右手で通常の剣、左手にD.D.ソードを掴む。

 「はぁ!白き双翼の調ホワイト・ツインズ!」

 二本になり、更に勢いを増すサレナの斬撃に兵士たちは為す術もない。

 「何だこの強さ!」

 「何故こんなに強いのに名が知れていない!」

 兵士たちは驚き戸惑っている。そんな兵士達をよそに、サレナの攻撃は勢いを増す。

 「そろそろ終わりにさせていただきますわ!」

 魔法武器を空中に放り投げる。

 「接続コネクト!」

 通常の剣を魔法武器にぶつける。二つの剣は合体、変形していき、巨大な大剣になる。

 「何だあの剣は!」

 「あんなものを扱えるのか!」

 「白聖魔大剣ホーリー・ブレイド!久しぶりに行きますわ!」

 巨大な剣をサレナはそつなく振り回す。

 「白き剣の切り裂きホワイト・スラッシュ!」

 その巨大な一振はあっという間に敵陣を壊滅させた。

 「ふぅ…片付きましたわね…」

 サレナは剣を降ろす。

 「つ、強すぎる…これが兵士長の強さ…」

 その様子をハーパー達は後方から見ていたのだった。
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