異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第11章 魔王と最北の国篇

第134話 寒さ対策

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 リュートは感情的な色彩エモーショナルカラーズのメンバーとヴァイス王国を目指していた。一行を乗せた馬車はヴァイス王国への道の途中にある街「ブランコ」に立ち寄った。

 「イモージェンによると、この街より先には街は存在しない。そして、ヴァイス王国までは馬車では進めない。徒歩での移動となるので、この街でしっかりと準備を整えよう」

 この街からヴァイスまでは、徒歩で約一日はかかる。食料などはフリーダムから持って来たものがある。この国で準備しなくてはいけないものは他にある。

 「この国で売られている衣服は寒さに耐性がある、防寒仕様の服だ。だから、この街で服を整えよう」

 「何だか懐かしいねこの感じ」

 クリアはそう言う。

 「確かにそうだな…最近は冒険のような遠出はあまり無かったな」

 「さぁみんな好きに服を選んでくれ」

 店に並ぶ服はモコモコしているものや魔法加工がされた服で着るだけでとても暖かい。

 「よし、俺はこれでいいだろう」

 あまりファッションに詳しくない俺は、見た目が好みだったので、黒色の物を選んだ。

 「じゃあ私は…」

 「これが良いです」

 「私はこれね」

 ニナは紫色、ルージュは赤色、ローザは桃色を選んだ。みんなイメージにピッタリだ。

 「我は要らんぞ」

 コットンは初めから寒さに耐性があるようでいつもと変わらない格好をしていた。

 「うーん…」

 「ちょっときついですが着れましたわ」

 ミラは緑、サレナは白の服だが、何やらサイズがキツそうだ。ローザは服に合わせて体型を変えたようだ。そして、残りのふたりは…

 「は、入らないよ…リュート…」

 「私も入らないですー…」

 二人ともボタンが締まらないどころか、前まで服が回らなかった。バスト100を超える二人に着れるサイズの服は置いていなかった。

 「ど、どうしたものか」

 「お客様…お困りですか?」

 「あぁ。今からヴァイスに向かいたいんだが、二人に着れるサイズの服が無くてな…」

 「お二人共素晴らしいスタイルをお持ちなようで、私たちに備えがございませんでした。申し訳ございません。お詫びといたしまして、お二人には身につければ服と同等とは行きませんがそれなりの寒さを防げる、耐寒布を無料で差し上げます」

 そう言うと、女性の店員が魔力の籠った布をクリアとオリアナに手渡す。

 「ありがとう」

 「ありがとうございますー」

 数名、見た目が変わっていないがリュート達は全員、雪用装備に着替えた。

 「よし、今日はここで一泊して。明日に備えよう」

 こうして、リュート達はヴァイス王国へ向かう装備が整ったのだった。
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