異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

文字の大きさ
464 / 529
第11章 魔王と最北の国篇

第136話 最北の国

しおりを挟む
 リュート達は猛吹雪の中で光を見つけた。それはヴァイス王国の光だ。

 「みんな!着いたぞ!」

 リュート達の目の前に国が現れた。そこに二人の兵士が立っていた。

 「。リュート王」

 「何!」

 リュートはヴァイス王国に行くことをヴァイス王国に伝えてはいない。というより、ヴァイス王国にはあまり有効な連絡手段は存在しない。膨大な雪に阻まれてしまうのである。それにも関わらず兵士たちはリュート達のことを知っていた。

 「何故俺たちのことを?」

 「大予言者様の予言です。大予言者様がリュート王達の訪れを予言していたのです」

 なるほど…それなら合点がいく。

 「遠方よりようこそお越しくださいました。王がお待ちです。どうぞこちらへ」

 「俺たちは大予言者に用があるんだが…」

 「大予言者様ならこの国の宮廷魔術師をしておられ、城にいらっしゃいます。ですので、城へ向かいましょう」

 「そういう事なら了解した」

 リュート達は兵士の後に続き、ヴァイス王国の城を目指す。

 「へぇ…国の内部はあまり雪が降ってないんだな」

 「王の力によるものです。我々は王の力でこのような極寒の地でも生きながらえることが出来ているのです」

 王の力…か。確かに言われてみれば雪国にも関わらず何だか暖かいような気がする。街の人達もそこまでの厚着はしていない。てっきりロシアや、フィンランドのような真北の国のようなものをイメージしていたが、日本の北海道のくらいの感覚だ。

 「こちらです。こちらがヴァイス城です」

 しばらく歩くと、立派な城が姿を現す。雪の国に合わせたような外観でデザイアの城と違ってセンスがある。城の内部に通され、リュート達の目の前にとある人物が現れる。

 「待っていましたよ。リュート王」

 白髪の若い男性。かなりのイケメンだ。

 「貴方は…」

 「自己紹介が遅れました。私はライアン・ヴァイス。この国の王です。貴方の噂はこちらの耳にも入っています。ようこそ我が国ヴァイスへ」

 そう言うと、ライアンは手を差し伸べてきた。

 「歓迎、感謝する」

 特に断る理由もないので、握手を交わす。

 「本当は貴方の国にも出向きたかったのですが、私は国を離れられない事情がありまして…」

 「力の関係か?」

 「はい、そうなんです。私の能力『守護ガーディアン』は私の周囲に影響する能力なもので…、私が国から離れると能力の恩恵が受けられなくなって国が凍りついてしまうのです」

 「そうなのか…」

 「リュート王は大予言者に会いに来たのですよね」

 「そうだ」

 「では、私が彼女の元へ案内しましょう」

 こうして、リュートはヴァイス王国の王、ライアンと出会ったのだった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

処理中です...