異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第11章 魔王と最北の国篇

第139話 傲慢な竜

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 リュート達がヴァイスに着いて一晩明け、作戦開始日がやってきた。

 「食事と寝床の提供、感謝するよ」

 「そのくらい私たちに任せてください。そして、本当に申し訳ない。私は作戦には同行できない」

 ライアンは申し訳なさそうに頭を下げた。ライアンが自ら提案した白傲竜討伐作戦だったが、ライアンは能力の関係で国から出ることは出来ない。

 「気にしないでくれ。ライアンはこの国の要だろ?俺たちが何とかするしかない」

 「すまぬが、ワシも力にはなれん。既に一度敗れた身だからな」

 「わかっているさ。じゃあ行ってくる。感情的な色彩エモーショナルカラーズ!出陣!」

 「「「「「「「了解!」」」」」」」

 リュートとクリア達、感情的な色彩メンバーは白傲竜が居る山へ向かった。

 「リュート王…健闘を祈ります」

 「ワシはこのくらいしか出来ないが、きっとお主達なら大丈夫だろう」

 リュート達はヴァイス王国の前方にそびえ立つ、アロガンス山と呼ばれる山に登り始めた。

 「みんな気をつけろ…奴はどこにひそんでいるかわからないからな」

 リュート達は慎重に山頂に向かう。

 「…急に冷えてきたな…」

 「!?リュート!アレ!」

 クリアが指さした先に一体の竜が居た。その竜はリュート達の来訪に気づいて、目を開け、起き上がる。

 「貴様ら…ここが私の縄張りと知ってやって来たのか?」

 「お前が白傲竜か。お前を討伐する!」

 リュートが神刀・夢幻白夜を引き抜く。

 「ほう?私の前で傲っているな貴様?」

 リュート達に爆風が押し寄せる。

 「くっ…なんて風だ…。やはり情報通りだな…」

 事前にリュート達は白傲竜の能力を大予言者ソフィアに聞いていた。

 「白傲慢の能力は『飄氷ウィンドブリザード』。風と氷が奴の力だ」

 そんな話しを聞いていた。

 「随分と久しぶりだなアロガンス!」

 「ん?その生意気な声はブレイズか?わざわざこんな所までご苦労な事だ。その人間に付いているということは、貴様も私の敵という認識でいいんだな?」

 「当たり前だ!以前、テメーに受けた借りを返させてもらう!怒り、50パーセント!炎域フレアゾーン!はぁぁぁぁ!」

 ブレイズも大予言者と同様に過去に一度敗北しているらしく、ブレイズには珍しく白傲竜アロガンスの元に燃えながら突撃した。

 「相変わらず短気だな貴様は…私の能力は貴様より上だと教えてやったというのに…」

 「うるせぇ!俺だって前より強く…」

 その瞬間、ブレイズの足は炎ごと凍りついていた。

 「氷域アイスゾーン。貴様はそこで大人しくしていろ」

 こうして、リュート達は白傲竜と接触したのだった。
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