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第12章 罪竜と素質解放篇
第147話 色欲、霧散
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ニナの攻撃で紫色竜はズタズタに切り裂かれた。
「わ、私は死ぬのか…」
紫色竜ヴォラプの体は次第に崩壊し始める。
「何とかなりましたね、リュートさん」
ニナの姿が元に戻って行く。
「認めるものか!私がここで消えるなど!」
ヴォラプは最後の抵抗とばかりに崩壊しかけている巨大な尻尾でニナの体を薙ぎ払う。
「ニナ!」
突然の事でリュートも反応が遅れた。ニナの体は呆気なく消し飛んだ。
「ハッハッハ!そうだ!私のモノにならない女などこうなるのが正しい!」
「本当に最低な竜ですね…。救いようがないです」
「何だと!」
ニナの体は液体のように崩れたと思ったら、すぐに元の形に戻り、何事も無かったかのようにその場に立っていた。
「その力は正しく私の『液状化』!」
「サレナさんがやっていたように素質解放した状態で七色の罪竜を撃破すると、その力がこちらに渡るようですね」
「はぁ…どうやら私は本当にここで終わりのようだ…」
突然ヴォラプは大人しくなった。自身の死が確定したことに気づいたのだろう。
「急に大人しくなったな紫色竜」
「もう、抵抗は無駄だと気づいたからな。私達、七色の罪竜は力を失ったら存在価値が無くなり消滅する運命にある。こうなったのも私の運が無かったからだな」
ヴォラプの崩壊は止まること無く続く。
「私は進む道を間違えたようだ。私もデザイアやブレイズのように人間たちと共に…。いや、無いな!私と人間が和解などありえない。何故なら私の罪は色欲。交尾することしか興味無いような竜が人間社会で生きれるはずが無い」
「そうとも限らないぞ」
「何?」
「人間だって、誰にでも性欲はある。それを理性で抑えるのが人間だ。ヴォラプにも理性はある筈さ。理性を使いこなすことが出来たらヴォラプだって立派な人間さ」
「ふっ。人間に諭される時が来るとは。まぁ良いさ。私を倒した女、ニナ」
「はい」
「精々頑張るといい。これからもきっと大変な道のりだろう。だが、お前を生まれた頃から見てきた私の力を上手く使いこなせば、自ずと道も開けるさ」
「さようなら。もう一人の竜」
ヴォラプの体は跡形もなく霧散した。
そして、リュートたちの意識が遠のいていく。
「…ト?」
「リュート?」
誰かの声で目を覚ます。
「ん…?」
目の前にはクリアが居た。
「あぁ、クリア。目が覚めたのか」
「それはこっちのセリフだよ!リュートが紫色竜と戦いに行ってから二日は経過したよ。ニナは先に目覚めたけどリュートは中々起きなくて…」
「えっ?そんなに寝てたの俺?」
「うん。だから心配で…」
「ごめんな、心配かけて。だが、安心してくれ。ニナはしっかり力を継承したさ」
「よかった…」
こうして、ニナは無事に素質解放をし、紫色竜の力を継承したのだった。
「わ、私は死ぬのか…」
紫色竜ヴォラプの体は次第に崩壊し始める。
「何とかなりましたね、リュートさん」
ニナの姿が元に戻って行く。
「認めるものか!私がここで消えるなど!」
ヴォラプは最後の抵抗とばかりに崩壊しかけている巨大な尻尾でニナの体を薙ぎ払う。
「ニナ!」
突然の事でリュートも反応が遅れた。ニナの体は呆気なく消し飛んだ。
「ハッハッハ!そうだ!私のモノにならない女などこうなるのが正しい!」
「本当に最低な竜ですね…。救いようがないです」
「何だと!」
ニナの体は液体のように崩れたと思ったら、すぐに元の形に戻り、何事も無かったかのようにその場に立っていた。
「その力は正しく私の『液状化』!」
「サレナさんがやっていたように素質解放した状態で七色の罪竜を撃破すると、その力がこちらに渡るようですね」
「はぁ…どうやら私は本当にここで終わりのようだ…」
突然ヴォラプは大人しくなった。自身の死が確定したことに気づいたのだろう。
「急に大人しくなったな紫色竜」
「もう、抵抗は無駄だと気づいたからな。私達、七色の罪竜は力を失ったら存在価値が無くなり消滅する運命にある。こうなったのも私の運が無かったからだな」
ヴォラプの崩壊は止まること無く続く。
「私は進む道を間違えたようだ。私もデザイアやブレイズのように人間たちと共に…。いや、無いな!私と人間が和解などありえない。何故なら私の罪は色欲。交尾することしか興味無いような竜が人間社会で生きれるはずが無い」
「そうとも限らないぞ」
「何?」
「人間だって、誰にでも性欲はある。それを理性で抑えるのが人間だ。ヴォラプにも理性はある筈さ。理性を使いこなすことが出来たらヴォラプだって立派な人間さ」
「ふっ。人間に諭される時が来るとは。まぁ良いさ。私を倒した女、ニナ」
「はい」
「精々頑張るといい。これからもきっと大変な道のりだろう。だが、お前を生まれた頃から見てきた私の力を上手く使いこなせば、自ずと道も開けるさ」
「さようなら。もう一人の竜」
ヴォラプの体は跡形もなく霧散した。
そして、リュートたちの意識が遠のいていく。
「…ト?」
「リュート?」
誰かの声で目を覚ます。
「ん…?」
目の前にはクリアが居た。
「あぁ、クリア。目が覚めたのか」
「それはこっちのセリフだよ!リュートが紫色竜と戦いに行ってから二日は経過したよ。ニナは先に目覚めたけどリュートは中々起きなくて…」
「えっ?そんなに寝てたの俺?」
「うん。だから心配で…」
「ごめんな、心配かけて。だが、安心してくれ。ニナはしっかり力を継承したさ」
「よかった…」
こうして、ニナは無事に素質解放をし、紫色竜の力を継承したのだった。
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