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第13章 最後の罪竜篇
第165話 慈愛、解放
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蒼嫉竜ジェラスはクリアの攻撃で、大ダメージを受けた。
「な、なんて威力…」
背中に大穴が空いたジェラスは、あまりの破壊力に驚いていた。
「いいぞクリア!」
「ありがとうリュート。このまま、畳み掛けるよ!」
クリアが今度はジェラスの腹側に回り込む。ジェラスは受けたダメージが大き過ぎて動けないのか、隙だらけだ。
「これで!」
クリアが再び拳を振り上げる。しかし、クリアの拳がジェラスに当たることは無かった。
「その力…妬ましいわ…。私の力なんて使いものにならないものね…」
ジェラスはクリアの背後に回り込んでいた。そのジェラスの傷はすっかり回復していた。
「あれが、奴の力『自動回復』だ」
ブレイズはそう言った。
「私は自身の体が一部でも残っていたら、たちまち元の状態に戻るの…。攻撃に使えない、ゴミみたいな能力だけどね…」
「厄介な能力だね…」
「あぁ…妬ましい!妬ましい!全てが妬ましい!貴方もそう思うでしょ?」
「ううん。そうは思わないよ。だって、人間は一人一人がみんな違う生き物だもん。妬むなんて間違ってる」
「私は、間違ってなどいない!七色の罪竜に生まれて一度も妬まなかった事なんてない!私はそういう生き方しか生きられない!」
「可哀想…。私があなたに救いをあげる」
『素質超過。強制的に素質解放が発生します』
クリアの体から莫大な魔力が溢れ、環境が変化していく。クリアの周囲にあった全て、リュート達やジェラスまでもが瞬間的に上空に浮かび上がる。そして、クリアの体が変化し始める。角と目が輝きだし、身にまとっていたものは全て弾け飛ぶ。髪の先端が光を放ちながら揺らめく。背中には天使のような翼が生え、不思議な光の集まりが秘部を隠す。
「あなたを救う。慈愛の光」
クリアから温かな光が溢れ、ジェラスを包む。
「これが…慈愛…。私の嫉妬心が抑え込まれていく…」
「あなたはもう孤独じゃない。だから、安心して」
クリアから溢れた光を浴びたジェラスはもう抵抗する意志を見せない。
「完敗ね…。私の罪を容易く飲み込む程の慈愛。とてもじゃないけど勝てないわ」
「あなたはもう十分頑張った。だから、ゆっくり休んで」
「そうさせて貰うわ…。私の力『自動回復』、あなたに渡すわ」
「随分呆気ないなジェラス」
「私は貴方たちと違って罪に呑まれていた。私の意識は無いにも等しかった。だけど、彼女は私の意識を呼び覚ましてくれた。それだけで私は満足したわ。さようなら人間達。私はもう行くわ」
ジェラスはそう言い残すと、体が泡のように消えていったのだった。
「な、なんて威力…」
背中に大穴が空いたジェラスは、あまりの破壊力に驚いていた。
「いいぞクリア!」
「ありがとうリュート。このまま、畳み掛けるよ!」
クリアが今度はジェラスの腹側に回り込む。ジェラスは受けたダメージが大き過ぎて動けないのか、隙だらけだ。
「これで!」
クリアが再び拳を振り上げる。しかし、クリアの拳がジェラスに当たることは無かった。
「その力…妬ましいわ…。私の力なんて使いものにならないものね…」
ジェラスはクリアの背後に回り込んでいた。そのジェラスの傷はすっかり回復していた。
「あれが、奴の力『自動回復』だ」
ブレイズはそう言った。
「私は自身の体が一部でも残っていたら、たちまち元の状態に戻るの…。攻撃に使えない、ゴミみたいな能力だけどね…」
「厄介な能力だね…」
「あぁ…妬ましい!妬ましい!全てが妬ましい!貴方もそう思うでしょ?」
「ううん。そうは思わないよ。だって、人間は一人一人がみんな違う生き物だもん。妬むなんて間違ってる」
「私は、間違ってなどいない!七色の罪竜に生まれて一度も妬まなかった事なんてない!私はそういう生き方しか生きられない!」
「可哀想…。私があなたに救いをあげる」
『素質超過。強制的に素質解放が発生します』
クリアの体から莫大な魔力が溢れ、環境が変化していく。クリアの周囲にあった全て、リュート達やジェラスまでもが瞬間的に上空に浮かび上がる。そして、クリアの体が変化し始める。角と目が輝きだし、身にまとっていたものは全て弾け飛ぶ。髪の先端が光を放ちながら揺らめく。背中には天使のような翼が生え、不思議な光の集まりが秘部を隠す。
「あなたを救う。慈愛の光」
クリアから温かな光が溢れ、ジェラスを包む。
「これが…慈愛…。私の嫉妬心が抑え込まれていく…」
「あなたはもう孤独じゃない。だから、安心して」
クリアから溢れた光を浴びたジェラスはもう抵抗する意志を見せない。
「完敗ね…。私の罪を容易く飲み込む程の慈愛。とてもじゃないけど勝てないわ」
「あなたはもう十分頑張った。だから、ゆっくり休んで」
「そうさせて貰うわ…。私の力『自動回復』、あなたに渡すわ」
「随分呆気ないなジェラス」
「私は貴方たちと違って罪に呑まれていた。私の意識は無いにも等しかった。だけど、彼女は私の意識を呼び覚ましてくれた。それだけで私は満足したわ。さようなら人間達。私はもう行くわ」
ジェラスはそう言い残すと、体が泡のように消えていったのだった。
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