異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第13章 最後の罪竜篇

第171話 闇VS重力

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 リュートの攻撃が魔人ルイズの心臓を背後から貫いた。しかし、ルイズには全く効いていなかった。

 「残念。私は魔人よ?そのくらいの攻撃で死ぬとでも思った?」

 「まさか。まだ攻撃は続くぜ!」

リュートは刀身に魔力を込める。

 「内部からボロボロにしてやるぜ!刀身爆破ソード・デトネイト!」

 刀身が赤く光って爆発し、ルイズの胸の真ん中に巨大な穴が空く。

 「無駄無駄!魔人の回復力を舐めないで」

 ルイズに空いた穴がみるみる塞がって行く。

 「闇のバリアを突破してもこの回復力か…。こいつは相当厄介だな…」

 リュートの攻撃によってルイズの攻撃は止まったが、リュート達は未だにルイズに決定的なダメージを与えることが出来ていない。

 「リュート!離れて!」

 「了解した!」

 リュートはクリアのやりたいことを瞬時に理解して、その場から離れる。

 「何?次はあんたが私の相手をするの?」

 ルイズはフワフワと浮きながら、余裕の表情でクリアを見ている。

 「はぁぁぁ!」

 「!?」

 ルイズは突然地面に叩きつけられた。

 「重力…か…。だが、そのくらいで私は…」

 「私の能力と、あなたの回復力。どっちが上か勝負だよ!重力操作グラヴィティプロセス超過重ギガトン!」

 「ぐぐ…」

 バキバキ!メキメキ!ルイズの体が重力に耐えきれなくなり潰れ始める。

 「そして、これで!」

 クリアがそう言うと、周りの瓦礫がルイズの上空に集まっていき、一つの塊になっていく。

 「堕落の重力グラヴィティ・ダンク!」

 ルイズは巨大な瓦礫の塊に押しつぶされた。

 「はぁ…はぁ…。これならどう?」

 バコン!瓦礫の塊が砕け、下からルイズが這い出てくる。

 「あぁ!今のは中々に効いたわ。だけど!」

 ルイズが闇で体を覆うと、すぐに元の体に戻った。

 「残念でした」

 「嘘…これもダメなの?」

 通常のモンスターなら即死、ボスクラスでも瀕死は免れない一撃をルイズはものともしなかった。

 「あんたら、結構しぶとくてもう面倒。あんたも一緒に闇に堕としてあげるわ!」

 ルイズは自身の纏っていた闇を全て収束させ、両手の真ん中に持ってくる。

 「さぁ!あんたも闇へいらっしゃい?闇への誘いダークネス・テンプテーション!」

 今までの比にならない位の濃度の闇がクリアに放たれる。

 「クリア!」

 離れていたリュートはクリアに届かない。クリアも回避が間に合わず、目を閉じる。

 「私がクリアさんを守りますー!」

 走ってきたオリアナがクリアの前に立ち、手を広げ、クリアを庇う。

 「オリアナ!」

 なすすべも無く、オリアナは闇に焼かれたのだった。
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