異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第13章 最後の罪竜篇

第172話 隠された力

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 オリアナがルイズの放った闇に飲み込まれる。

 「オリアナ!」

 「自分から闇に突っ込むなんて、馬鹿な奴だ!さぁ闇よ!その体を染め上げるがいい!」

 「ぐっ!マスターは?」

 治療されたブレイズが、ボロボロながら駆けつける。そこで見た光景は、オリアナが闇に焼かれている光景だった。

 「さぁさぁ!闇に堕としてあんたも私と同じくしてあげるよ!」

 「…」

 「オリアナ?」

 「ん?何だ?一体どうなって…」

 オリアナの体を包んでいた闇が次第に消えていく。

 「は?どういう事だ?」

 闇はオリアナの体と馴染むように吸収されていく。

 「あれ?何ともないですー」

 「ば、馬鹿な!あの量の闇を喰らって無傷だと?」

 「す、凄いよオリアナ!」

 「よくわかりませんけど、ありがとうございますー」

 ルイズはオリアナに大量の闇を放った所為で、体を纏っていた闇のバリアが消えて無くなっていた。

 「良し、今がチャンスだ!決めるぞクリア!」

 「うん!」

 リュートとクリアが再びルイズに攻撃を仕掛ける。

 「重力牢グラヴィティ・プリズン!」

 「ぐっ!」

 ルイズは大の字で空中に固定された。

 「重力の箱グラヴィティ・ボックス

 そのルイズを囲うように立方体の重力領域が出現する。その内部をリュートの魔力で満たす。

 「肉片すら残さず消し飛ばす!極限爆破エクストリーム・デトネイト!」

 「ぎゃあああああああああ!」

 無尽蔵の大爆発がルイズを襲う。ルイズは防御する闇が無く、為す術もなく消し飛んだ。

 「ふぅ…何とか、勝てたな」

 リュートは魔力をかなり消費したので、少し体が縮んでいた。

 「それより、オリアナ!」

 「はいー?」

 「何ともないのか?」

 「はいー。纏っていた布が無くなったくらいで、私は無傷ですー」

 「オリアナ。オリアナは何か特殊な能力を持っているのか?」

 「うーん…わからないですー。私もよくわかって無いんですー」

 「マスター。俺はその力に心当たりがある」

 「えっ?本当ですか?ブーちゃん!」

 「ブレイズ。オリアナは一体どんな…」

 「マスター。マスターは村に住んでいたというが、生まれもその村なのか?」

 「いいえー、私は両親に拾われて育った捨て子ですー」

 「やはりそうか。結論から言うと、マスターは神の子ネイチャーである可能性が高い」

 「神の子…ですかー?」

 「そうだ。神の中にも性別は存在する。その中の女神の一柱が、何かしらの要因で人間と交わり産み落とした子供だと推測される。女神は良く遊び半分で子を産み、人間界に捨てる」

 「オリアナが何故そうだと言い切れるんだ?」

 「神の子には特性がある。その特性が、神性の肉体ディバインボディ。その肉体は何にも汚される事はなく、ありとあらゆるものに抵抗を持つ。つまり、毒や麻痺などはマスターには一切効かない。憤怒の炎や闇が効かなかったのは、その為だと考えられる」

 「そうなんですねー。私の体にそんな秘密が…」

 「でも、オリアナはオリアナだ。今までと何かが変わるわけじゃないさ」

 「そうですねー。ありがとうございますーリュートさん」

 こうして、リュートはルイズ盗賊団を壊滅させ、オリアナの秘密を知ることになったのだった。
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