異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第15章 闇との決戦篇

第193話 再戦、東門

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 ルージュとローザはベルデ東門にて、魔物達を討伐していた。

 「気をつけてくださいね、ローザさん。いつ敵の親玉が攻撃してくるかわかりません」

 「了解したわ」

 「闇の使い様のおかげで何とかあの王の結界を脱出することが出来た。今度は前回のようには行かない。一気にカタをつける!」

 魔物の群れを纏めていた暗黒四天王の一角、ズワは最初から全力を出すつもりだ。

 「魔人化デモニゼーション!」

 ズワの肉体が変化し、魔人の姿へ変容していく。

 「さぁ!今度こそ貴様らを跡形もなく消し飛ばしてくれる!」

 ズワが両手を頭上に掲げると、そこに闇の魔力が集まっていく。

 「暗黒の闇爆発ダークネス・アウトブレイク!」

 「ローザさん!」

 「任せて」

 闇の魔力の塊が二人の元へ飛来する。その魔力の塊をローザが両手で受け止める。

 「馬鹿め!その魔法は人間ごときではどうにも出来ん!魔族でも連れてくるんだな!」

 「魔力吸収マナ・ドレイン

 ローザの両手から闇の魔力が吸収されていき、闇の魔力の塊は次第に小さくなっていく。

 「な、何ぃ!何故だ!」

 「貴方はまだ魔族というものが分かってないわね?」

 ローザは人間体を解除し、淫魔の姿に戻る。

 「ま、魔族…!こんな所に生き残りが!」

 「残念だけど私は別大陸から来たの。貴方には悪いけど、偽物あなた本物わたしに勝てるなんて思わない事ね」

 「何が魔族!今の私の力があれば貴様らなんぞに負けん!」

 「ルージュ!援護をお願いしていいかしら?」

 「任せてください!いつでも大丈夫ですよ!」

 「そう。じゃあ、行くわよ!」

 『素質解放クオリティ・リベレーションが発生します』

 ローザの体からズワを上回る闇が溢れ出す。それどころか、ズワの闇の力すらローザに取り込まれていくようだ。ローザは素質解放状態に覚醒した。

 「私の体を間近で眺められるなんて、幸運ね」

 「何を言って…!?か、体が動かない…!これは魅了チャームか!」

 「さぁ闇たち。私と偽物どっちが闇を統べるものにふさわしいかしら?」

 「ば、馬鹿な…闇が勝手に溢れ出して行く!」

 ズワの体から闇が溢れ出し、ローザの元へと吸収されていく。ズワの魔人化はいつの間にか解けていた。

 「さぁローザ!貴方の闇も私に分けて!」

 ローザは形なき魔器ノーデモンズを鎌状に変形させ、天へ掲げる。

 「はい!闇縅ダーク・コード!」

 空からルージュの闇魔法が、自身から闇の魔力が鎌へ収束していき、鎌は黒さを増し、鋭利に変形し、闇のオーラを纏う。

 「これで終わりよ!分別の断罪クラシフィケーション・スラッシュ!」

 「ぎぃやぁぁぁ!」

 ズワは真っ二つに切り裂かれたのだった。
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