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2nd Target シルヴェスター
13 第二王子シルヴェスター
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第三王子殿下の喪が明けた。
学園での日常がまた始まるのだ。
いつものように授業が再開され、教室には見慣れた顔のクラスメイトが……。
あれ?
「よっ」
さすがに声は出さないもののひらひらと右手を軽く、振るジェスチャーはどう考えてもそうだ。
何でまだ、ハリーがいるの?
別れ際の「またな」の意味がまさか、学園での再会とは予想していなかった。
つまり、「またな」のまたとは調査がまだ終わってないことを意味するし、その対象が学園にいるということか。
平穏な日常が戻ったと思ったのはどうやら、私の気のせいだったみたい。
Bクラスの状況は分からないけど、上位の貴族が多数を占めるAクラスは少なくとも和気藹々とは程遠い空気が漂うのが普通。
誰もが仮面を被っていて、腹を探り合っている。
もっともそう考えてしまうのは私の面倒な目のせいも大きいけど。
ただ、そんな空気と相反する空間を作り上げている人がいる。
それが第二王子シルヴェスター殿下だった。
サマンサ様の周囲もまた違った空気が流れていて、迂闊に誰も近づけない。
何か、そういう固有の領域や結界でも作り上げているのかと思うくらいに……。
目で見ても不可視の壁はなかったから、不思議だ。
昼休みになり、何食わぬ顔で不自然にならないようにハリーと落ち合った。
仲良くランチタイムはありえないのであくまで偶然を装うのだ。
このやり取りは自分がミステリー小説の中の登場人物であるかのような錯覚に陥る。
「なるほど」
「そういうこった」
私は軽めにサンドウィッチとレモンティー、ハリーはがっつりとしたこてこてのハンバーガーにたっぷりのフライドポテトにフィッシュフライと砂糖多めのコーヒーをもぐもぐしながら、何気なく会話をする。
周囲に悟られないようにやり取りをしていると自分がスパイになった気分も味わえて、わくわくしているのは秘密。
そして、ハリーはあんなにカロリー摂取して、大丈夫なのかと心配だ。
いくら体を動かしているとはいえ、さすがに摂り過ぎだと思う。
「でも、問題なさそうに見えるけど」
「問題なさそうなのが問題ってこともあるだろ?」
サマンサ様がそう考えられたのなら、何かあると思うべきかしら?
本職のスパイやエージェントなら、声に出さず口の動きだけで相手に伝えられるのかもしれない。
でも、私はどこにでもいるような普通の学生。
ハリーも執事見習いなのでそんな技能はさすがに持っていないはず。
だから、うっかりと名を出さないように気を付けながら、ぼんやりとした会話で察するしかない。
何しろ、学園の中では誰が目を光らせているか、分からない。
「分かったわ」
「おう」
まぁ、恐らくは……多分、合っているはず。
サマンサ様からの次なる調査対象の依頼はシルヴェスター殿下……で合ってるよね?
第二王子シルヴェスター殿下。
彼の評判は概ね、いい。
誰が見ても王子様と分かる華やかなルックスで女生徒から、人気を集めている。
成績はあまりよろしいとは言えず、常に最下位を争いかねない位置にいるけど、腐ってもAクラス所属なので将来も明るい。
先日、取り換え子(チェンジリング)騒動で人知れず、儚い人になった第三王子ユリシーズ殿下とは王太子の座を巡るライバル関係にあった。
しかし、お二人の仲の良さを知らない者はいない。
ただ、その第三王子が食屍鬼だった。
そう考えると何とも言えない気分にさせられる。
食屍鬼が巧みに装っていたのか、それとも第二王子殿下が案外、食えない人であるのか。
もしかして、それが気になっているのかしら?
第二王子殿下の人となりが読めないから、私の出番ってことなのね。
多分……。
学園での日常がまた始まるのだ。
いつものように授業が再開され、教室には見慣れた顔のクラスメイトが……。
あれ?
「よっ」
さすがに声は出さないもののひらひらと右手を軽く、振るジェスチャーはどう考えてもそうだ。
何でまだ、ハリーがいるの?
別れ際の「またな」の意味がまさか、学園での再会とは予想していなかった。
つまり、「またな」のまたとは調査がまだ終わってないことを意味するし、その対象が学園にいるということか。
平穏な日常が戻ったと思ったのはどうやら、私の気のせいだったみたい。
Bクラスの状況は分からないけど、上位の貴族が多数を占めるAクラスは少なくとも和気藹々とは程遠い空気が漂うのが普通。
誰もが仮面を被っていて、腹を探り合っている。
もっともそう考えてしまうのは私の面倒な目のせいも大きいけど。
ただ、そんな空気と相反する空間を作り上げている人がいる。
それが第二王子シルヴェスター殿下だった。
サマンサ様の周囲もまた違った空気が流れていて、迂闊に誰も近づけない。
何か、そういう固有の領域や結界でも作り上げているのかと思うくらいに……。
目で見ても不可視の壁はなかったから、不思議だ。
昼休みになり、何食わぬ顔で不自然にならないようにハリーと落ち合った。
仲良くランチタイムはありえないのであくまで偶然を装うのだ。
このやり取りは自分がミステリー小説の中の登場人物であるかのような錯覚に陥る。
「なるほど」
「そういうこった」
私は軽めにサンドウィッチとレモンティー、ハリーはがっつりとしたこてこてのハンバーガーにたっぷりのフライドポテトにフィッシュフライと砂糖多めのコーヒーをもぐもぐしながら、何気なく会話をする。
周囲に悟られないようにやり取りをしていると自分がスパイになった気分も味わえて、わくわくしているのは秘密。
そして、ハリーはあんなにカロリー摂取して、大丈夫なのかと心配だ。
いくら体を動かしているとはいえ、さすがに摂り過ぎだと思う。
「でも、問題なさそうに見えるけど」
「問題なさそうなのが問題ってこともあるだろ?」
サマンサ様がそう考えられたのなら、何かあると思うべきかしら?
本職のスパイやエージェントなら、声に出さず口の動きだけで相手に伝えられるのかもしれない。
でも、私はどこにでもいるような普通の学生。
ハリーも執事見習いなのでそんな技能はさすがに持っていないはず。
だから、うっかりと名を出さないように気を付けながら、ぼんやりとした会話で察するしかない。
何しろ、学園の中では誰が目を光らせているか、分からない。
「分かったわ」
「おう」
まぁ、恐らくは……多分、合っているはず。
サマンサ様からの次なる調査対象の依頼はシルヴェスター殿下……で合ってるよね?
第二王子シルヴェスター殿下。
彼の評判は概ね、いい。
誰が見ても王子様と分かる華やかなルックスで女生徒から、人気を集めている。
成績はあまりよろしいとは言えず、常に最下位を争いかねない位置にいるけど、腐ってもAクラス所属なので将来も明るい。
先日、取り換え子(チェンジリング)騒動で人知れず、儚い人になった第三王子ユリシーズ殿下とは王太子の座を巡るライバル関係にあった。
しかし、お二人の仲の良さを知らない者はいない。
ただ、その第三王子が食屍鬼だった。
そう考えると何とも言えない気分にさせられる。
食屍鬼が巧みに装っていたのか、それとも第二王子殿下が案外、食えない人であるのか。
もしかして、それが気になっているのかしら?
第二王子殿下の人となりが読めないから、私の出番ってことなのね。
多分……。
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