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終幕
38 狂乱の果てに
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講堂の大きな扉が勢いよく、吹き飛んだ。
力任せに開けたなんてレベルではない。
何かが爆発したような物理的な衝撃で飛んだとしか思えない。
似ているのは私の念動力(サイコキネシス)だけど、それよりもずっと強力に見える。
「おいおい、マジかよ」
滅多に焦らないし、負けを認めないハリーが冷や汗を流している。
それも無理ないと思う。
私も体が震えて、鳥肌が止まらない。
サマンサ様と殿下も固まったかのように動かない。
いや、動けないんだろう。
あれは本当にゲッテンズ嬢なんだろうか。
それすら分からないほど、見た目が変貌している。
あれほどきれいに手入れされていた髪はざんばら髪になっていて、見る影もない。
着ているドレスコードに合ったイブニングドレスもところどころ破れて、肌が露わになっていた。
何よりも異常に思えるのがもはや、人であることをやめたとしか思えない恐ろしい形相だった。
無理に笑おうとしたのか、彼女はいつも口を大きく開けていた。
でも、今はその口が大きく開きすぎて、耳元まで裂けているように見える。
「あだじいいいいい、ぎだわあああ」
雄叫びとしか思えなかった。
あまりに耳障りで耳がおかしくなりそうな……。
皆、耳を押さえているから、私の反応がおかしい訳ではないと思う。
もう彼女は泣いていない。
そして、笑ってもいない。
もしかしたら、彼女は既に人ではない何かになったのかもしれない。
「ぐおおおんやああぐううばぎいいいいじろおお」
彼女から発せられる金切り声と雄叫びの混じりあった大音響が、衝撃波になって襲い掛かって来た。
まさに怪物としか思えない。
不可視の怪人とは違った恐怖を感じる。
人知の及ばない存在とでも言うんだろうか。
「これは早く取り押さえた方がいいんじゃないか?」
「そうね」
私とハリーがそう判断するよりも早く、殿下とサマンサ様が動いた。
二人の合図で偽装していた捜査員と警備員が一斉にゲッテンズ嬢を取り囲んだ。
まずいと思った。
彼女の感情に焦りはない。
むしろ余裕を感じている。
十人以上の屈強な男性に取り囲まれているのにこの余裕は……。
「ぎゃっははははあ。ぐげえああああ」
ゲッテンズ嬢が奇妙な笑い声を上げた。
笑い声なのかも怪しい。
まるで断末魔の叫びと合わさったような聞いているだけで身の毛もよだつ声だった。
見なければよかったと思った。
彼女は大きく口を開けた。
どこまでも限界を超えて、開こうとするかのように……。
びしゃと血飛沫が飛び、完全に開き切った。
口から顔面が裂けたゲッテンズ嬢の肉体が蠢く。
びくびくと痙攣しながら、彼女は変貌していく……。
力任せに開けたなんてレベルではない。
何かが爆発したような物理的な衝撃で飛んだとしか思えない。
似ているのは私の念動力(サイコキネシス)だけど、それよりもずっと強力に見える。
「おいおい、マジかよ」
滅多に焦らないし、負けを認めないハリーが冷や汗を流している。
それも無理ないと思う。
私も体が震えて、鳥肌が止まらない。
サマンサ様と殿下も固まったかのように動かない。
いや、動けないんだろう。
あれは本当にゲッテンズ嬢なんだろうか。
それすら分からないほど、見た目が変貌している。
あれほどきれいに手入れされていた髪はざんばら髪になっていて、見る影もない。
着ているドレスコードに合ったイブニングドレスもところどころ破れて、肌が露わになっていた。
何よりも異常に思えるのがもはや、人であることをやめたとしか思えない恐ろしい形相だった。
無理に笑おうとしたのか、彼女はいつも口を大きく開けていた。
でも、今はその口が大きく開きすぎて、耳元まで裂けているように見える。
「あだじいいいいい、ぎだわあああ」
雄叫びとしか思えなかった。
あまりに耳障りで耳がおかしくなりそうな……。
皆、耳を押さえているから、私の反応がおかしい訳ではないと思う。
もう彼女は泣いていない。
そして、笑ってもいない。
もしかしたら、彼女は既に人ではない何かになったのかもしれない。
「ぐおおおんやああぐううばぎいいいいじろおお」
彼女から発せられる金切り声と雄叫びの混じりあった大音響が、衝撃波になって襲い掛かって来た。
まさに怪物としか思えない。
不可視の怪人とは違った恐怖を感じる。
人知の及ばない存在とでも言うんだろうか。
「これは早く取り押さえた方がいいんじゃないか?」
「そうね」
私とハリーがそう判断するよりも早く、殿下とサマンサ様が動いた。
二人の合図で偽装していた捜査員と警備員が一斉にゲッテンズ嬢を取り囲んだ。
まずいと思った。
彼女の感情に焦りはない。
むしろ余裕を感じている。
十人以上の屈強な男性に取り囲まれているのにこの余裕は……。
「ぎゃっははははあ。ぐげえああああ」
ゲッテンズ嬢が奇妙な笑い声を上げた。
笑い声なのかも怪しい。
まるで断末魔の叫びと合わさったような聞いているだけで身の毛もよだつ声だった。
見なければよかったと思った。
彼女は大きく口を開けた。
どこまでも限界を超えて、開こうとするかのように……。
びしゃと血飛沫が飛び、完全に開き切った。
口から顔面が裂けたゲッテンズ嬢の肉体が蠢く。
びくびくと痙攣しながら、彼女は変貌していく……。
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