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ルーシーとアメリーナ1
「なあ、本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。アメリーナさんもいい人なんだから」
「そうなのか? 何でそう思うんだ? 勘か?」
毎日やって来ては笑顔を絶やさないルーシーにジョナサンはすっかり絆された。
ペンバルでルーシーと関わった住民はことごとく、ルーシー信者になっている。
ジョナサンもその例に洩れなかった。
今ではルーシーが持ってきた物に何の疑問も抱かず、使っていた。
ジョナサンが着ている服は生地の選別からこだわりを感じるオーダーメイドの子供服だった。
本人の希望を入れ、半袖のシャツとハーフパンツの組み合わせだ。
発注したのはケイシーだが言いだしっぺはルーシーである。
ルーシーの願いに弱いケイシーが必要以上に
「叔父様はいい人なの」
「あ、うん。そうなのか」
おかしいとジョナサンは思った。
知り合いがケイシーという男はいかにケチで頑固者かと話していたからだ。
しかし、ルーシーの話に何度も出てくるケイシーはケチとは全く無縁の存在だった。
ルーシーの為という名目はあるものの縁もゆかりもない自分にもよくしてくれる。
そんなケイシーは悪い人間ではないとジョナサンも理解していた。
だがいい人と言い切るルーシーほどの確信をジョナサンは持っていない。
「だからアメリーナさんもいい人なの。きっとそうなのよ」
「そ、そうなのか?」
満面の笑みを浮かべ、ルーシーは自信たっぷりな様子だった。
ジョナサンには時折ルーシーが分からない。
彼女の考えが前向きすぎて理解できないのかもしれないとジョナサンは勝手に納得した。
「世界に悪い人なんていないんだから」
「……そうなのかな。そうだといいな」
ジョナサンは喋りながら、口に砂糖菓子を放り込んだ。
砂糖菓子もルーシーが持ってきた物なのだが、もはやジョナサンは全く気にせず口にしている。
ルーシーの言う通りならばどれだけ良かったのかとジョナサンは考えていた。
家族を失い孤独になったジョナサンにとって世界は決して優しくなかった。
辛い幼少期を過ごしたルーシーにとっても世界は優しいものではない。
それでもルーシーは世界を恨むことなく、前を向いていた。
そんな彼女の影響なのか、ジョナサンも少しだけ考えを改めた。
世界は厳しいだけでなく優しいものであると……。
後日、ジョナサンの懸念をよそにルーシーは魔女――アメリーナの屋敷に単身乗り込むのだった。
「大丈夫だよ。アメリーナさんもいい人なんだから」
「そうなのか? 何でそう思うんだ? 勘か?」
毎日やって来ては笑顔を絶やさないルーシーにジョナサンはすっかり絆された。
ペンバルでルーシーと関わった住民はことごとく、ルーシー信者になっている。
ジョナサンもその例に洩れなかった。
今ではルーシーが持ってきた物に何の疑問も抱かず、使っていた。
ジョナサンが着ている服は生地の選別からこだわりを感じるオーダーメイドの子供服だった。
本人の希望を入れ、半袖のシャツとハーフパンツの組み合わせだ。
発注したのはケイシーだが言いだしっぺはルーシーである。
ルーシーの願いに弱いケイシーが必要以上に
「叔父様はいい人なの」
「あ、うん。そうなのか」
おかしいとジョナサンは思った。
知り合いがケイシーという男はいかにケチで頑固者かと話していたからだ。
しかし、ルーシーの話に何度も出てくるケイシーはケチとは全く無縁の存在だった。
ルーシーの為という名目はあるものの縁もゆかりもない自分にもよくしてくれる。
そんなケイシーは悪い人間ではないとジョナサンも理解していた。
だがいい人と言い切るルーシーほどの確信をジョナサンは持っていない。
「だからアメリーナさんもいい人なの。きっとそうなのよ」
「そ、そうなのか?」
満面の笑みを浮かべ、ルーシーは自信たっぷりな様子だった。
ジョナサンには時折ルーシーが分からない。
彼女の考えが前向きすぎて理解できないのかもしれないとジョナサンは勝手に納得した。
「世界に悪い人なんていないんだから」
「……そうなのかな。そうだといいな」
ジョナサンは喋りながら、口に砂糖菓子を放り込んだ。
砂糖菓子もルーシーが持ってきた物なのだが、もはやジョナサンは全く気にせず口にしている。
ルーシーの言う通りならばどれだけ良かったのかとジョナサンは考えていた。
家族を失い孤独になったジョナサンにとって世界は決して優しくなかった。
辛い幼少期を過ごしたルーシーにとっても世界は優しいものではない。
それでもルーシーは世界を恨むことなく、前を向いていた。
そんな彼女の影響なのか、ジョナサンも少しだけ考えを改めた。
世界は厳しいだけでなく優しいものであると……。
後日、ジョナサンの懸念をよそにルーシーは魔女――アメリーナの屋敷に単身乗り込むのだった。
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