くろいやつのくろいつらつらですわ～

くろいゆきとピッコ〇の話・悪女ブーム

　皆様、ごきげんようですわ～。

　『あなたの後悔なんて知りません』の皇帝レイモンドのロミ男っぷりも中々にクズですけど、現時点で最初から、クズの中のクズという意味で一番、最低なのは『私が愛した人は優しい悪魔でした』に出てくるカイロスかしら？
　まさにトップオブクズかなと思いますのよ。
　タイトル通りに悪魔のような人間ですわ～。
　作品自体が甘いロマンスではなく、カイロスが自らが育て上げた最高の贈り物を弟の皇帝にプレゼントし、全てを奪おうと企む宮廷での権謀術数の物語(だと思いますのよ？)ですから……とはいえ、愛に飢えているヒロインを優しさと愛を餌に利用している感じが普通のクズではなく、質が悪いですわね。

　逆にヒロインが権謀術数に長けた策士という作品も増えてきましたわ～。
　ともすれば、悪役にもなりうるような策を巡らすタイプのヒロインなだけに時に非情な策を考えながらも悩むのでとても、魅力的なヒロインでもありますのよ。
　悩む理由がヒーローが人間味溢れる懐の深い人物だったりするところもポイント高いですわね。
　代表的という訳ではありませんけど、私の好きな作品を二つほど。

　『お嬢様の二重生活』のロシカは異世界に転生したヒロインですけれど、転生した理由が詐欺を働いて、恨まれて殺されたといういささか、ヒロインらしからぬものですわ。
　彼女がなぜ、詐欺師になったのかなどの理由はあるもののヒロインというよりはヴィラネスのような登場の仕方とも言えますわね。
　異世界に転生しても詐欺師として、活躍(？)し続けた結果、ヒーローと出会う訳ですが、金髪にエメラルドの瞳の美少女と思いきや、実は……という真の姿があるのでお楽しみに！？

　『悪女は2度生きる』のアルティゼアはロシカと異なる本当の意味での策士。
　それも軍師のような帷幕で策を巡らす真のヴィラネスですわ～。
　彼女は転生というよりも時間逆行でやり直しの人生、二度目の人生を歩むにあたって、同じ失敗と悲劇を繰り返さないようにと動き始めますの。
　どこか儚げで贖罪の為とヒーローに接近したアルティゼアですが、そんな彼女が徐々に乙女に変わっていくところが見どころだと思いますのよ。

　また、現在、ピンク髪ヒロインブームだけではなく、もう一個のブームも来ている気がしますわ～。
　それは『余命わずか』がつく令嬢物が増えた！　ですわ～。
　チェックしている作品だけで『余命わずかの脇役令嬢』『余命わずかな悪女が復讐する方法』『余命僅かな悪女にハッピーエンドを』と三作もありますのよ。
　この中で悪女がタイトルに付く作品は異世界転生と時間逆行で運命を変えようと動く、アグレッシブなヒロイン。
　どちらも悪女と付いている割に悪女らしい悪事は働いていないのはいつものことですわ～(笑)
　脇役令嬢のヒロインは全てを諦めてしまったドアマットなヒロイン。
　読む際は心の準備が必要ですのよ～。
　肉体的に虐げられているのではなく、心が引き裂かれていくタイプなのでクズな家族と簡単に断じる訳にもいかない気がしますの。
　意外なところはヒロインが疎外感を感じる原因となった誰からも愛される病弱な妹。
　彼女がもっともヒロインを理解している存在であるというのが意外な事実かしら？

　余程の奇跡が起こらない限り、このヒロインは助からない気がしますわ。
　助かる要素が今のところ、ないんですもの😨
　彼女が安らかに天に召されるまでを描く物語になる……そう考えるとちょっと切ないですわね。