くろいやつのくろいつらつらですわ~

黒幸

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くろいゆきと映画の話・最後に立つ男

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 皆様、ごきげんようですわ~。

 今回、取り上げる映画は『ラスト・マン・ダウン』でしてよ。
 『ランボー』と『コマンド―』を足して、『レオン』も闇鍋してぐつぐつ煮込んだところと評しましたけど、雰囲気としては決して悪くはないと思いますの。

 物語の舞台はパンデミックが発生し、人類はなすすべもなく衰退しているという世界ですわ。
 北欧の方に押し込まれているという状況の割に描かれるのは、ローカルなエリアなのでこれまた、変なのですけど。

 冒頭シーンから、主人公とその妻は何者かに捕まっており、主人公の返答次第で妻の命が奪われるという大ピンチでしてよ?
 これがこの映画を良く分からない物にしてしまった原因の一つ。
 パンデミックについての描写が始まってから、終わりまで一切ないということですわね。
 あらすじから推察するとゾンビが出てくる大変な事態という風にも受け取れるのですけど、全くそんな描写ありませんもの。

 主人公ジョン・ウッドは感染者と思われる一団をわざと見逃したらしく、その行方を聞かれるも拒否したので感染者の疑いがある主人公の妻の命が惜しければ……と脅されるのですけど、主人公はこれを拒否し上官に当たるストーンによって、妻は射殺されてしまうのでしたというのがオープニングですわね。
 ちょっと意味が分からない感じに言いがかりをつけられ、主人公は妻を殺された悲劇の人といった印象かしら?

 さらに主人公はパンデミックの原因となったウィルスに抗体があるらしく、検体に最適とばかりに拉致されますの。
 どう見ても野盗の親玉レベルにしか見えないストーンなのに何と航空戦力のヘリコプターはあるし、海上に本拠らしい軍艦まで!
 色々とツッコミどころ満載な中、ウッドは「このやろー」と襲い掛かって来る武装兵を生身の非武装でバッタバッタと薙ぎ倒していく……。
 って、途中で終わるんかーい! とツッコミたくなるフェードアウトでウッドは山奥にに……。

 妻の死がトラウマになっているようでそれほど、なっていないようなどっちなのかーい! のウッドは静かに木こり生活を送っていたのですけど、ここに何者かに追われた傷だらけのヒロインが転がり込んできたことで急変しますの。
 『ランボー』のように逃亡した元特殊部隊員が今度はヒロインを守る『コマンド―』に変わった瞬間ですわ。
 ヒロインはパンデミックを解決出来る唯一の存在。
 彼女の血から、血清を作れるというところかしら?

 ただ、ここで気を付けないといけない点がありましてよ?
 あらすじによれば、要塞と化した森みたいなことが書いてありますけど、全く持ってそんな要素は一つもないですわ~。
 ウッドはその道の玄人なので当然のように敵が組織として、押し寄せることも察知しているし、対策も考えている。
 考えているはずなのにやることは隠し持っていた銃火器で応戦するだけ!
 待ち受ける側であり、当然のようにトラップを仕掛け、有利に戦いを運べるはずなのに一切、致しませんの。
 「狩りの時間だ」なんてかっこつけた台詞を吐いてますけれど、文字通りの髭もじゃムキムキマッチョがよわよわ傭兵軍団を「パワー!」
 「やー!」でヘッドショットと筋肉で無双していくだけですわ~。
 そのあまりの無双振りには爽快感すらあるのですけども、圧倒的に有利に戦いを運べるし、森と言う地の利を生かしたデストラップが披露されるのかと思いきやヒロインが撒いた油で火あぶりくらいですのよ?

 そして、妙な点はもう一点。
 ストーンはどう見ても山賊親玉な見た目は変わらないのにストーン司令となり、絶対的な権力を持つ暴君の立場になっているのですけど、「女を生かして捕らえろ」という命令にも関わらず、問答無用で撃っている手下達ですわ~。
 普通に被弾してますし、生きていないと血清が出来ないのか、生死が重要そうなのにそれを無視してますのよね。
 アクション映画として見たら、問題はないのですけど設定と矛盾しているというのかしら?

 視聴する方もいらっしゃるのでオチに関しては言えないのですけど、何と主人公のジョン・ウッドと妻の仇であるストーンが兄弟なのが判明しますわ~。
 これにはさすがにおハーブwwwですわ。
 急にウッドが「家族だから」と言い出したので「は?」と思ったら、ストーンが兄でウッドが弟でしたのよ。
 さらにストーンの自分は石でお前は木だから、自分の方が強い、親父に助けを求めても親父は来ない発言から、どうやら『兄より優秀な弟などいない』思考の駄目な兄だったようでしてよ?

 それで『レオン』要素も入っているのでてっきり、オチもそういうのかと思っていると思い切り、裏切られますわ。
 続編ありきという形で作られていると考えてもおかしくないかしら?

 主人公のジョン・ウッドを演じるダニエル・スティッセンはボディビルダーの経歴があるだけあって、肉体派のアクション俳優として活躍が期待されるそうですから、今後の動向に注目した方がいいのかもしれないですわ~。
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