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くろいゆきと映画の話・またスペードの女王
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皆様、ごきげんようですわ~。
今回、取り上げるのは久しぶりのロシア映画『スペルズ/呪文』でしてよ。
スペードの女王はロシアの文豪プーシキンが描いた小説『スペードの女王』が人間の狂気と言うのかしら?
妄執に憑りつかれた男が転落していく様子が描写された文学ですわね。
ところがロシアにはこのスペードの女王が都市伝説のように独り歩きしているようですわ~。
鏡に階段を描き、蝋燭を手にして「スペードの女王よ。姿を現してください」という呪文を唱え、女王を召喚すると何でも願いを叶えて貰える。
ただし、その代償として命を失いますけど……。
おおよそはこの内容で間違いないですわね。
この日本で言うところのコックリさんや紫の鏡にも似た都市伝説のようでしてよ?
そして、この都市伝説をベースとして、作られたのがこの『スペルズ/呪文』ですわ。
以前、取り上げた『クイーン・イン・ザ・ミラー-女王の召喚』もそうでしたわね。
さて、物語の本題ですけれど冒頭のシーンは母親が運転する車が映され、後部座席にはまだ幼い長男(弟)アルチャムとどこか不機嫌な要素を隠さない長女(姉)オルガがいますの。
ぐずるアルチャムに「私は忙しい」と拒否するオルガに運転していた母親がよせばいいのに完全に振り返ったことで前方から来たトラックと正面衝突し、車は極寒の湖へと転落するのですわ。
この事故で母親が死に実はオルガとアルチャムは異父姉弟であり、複雑な間柄にあったことが判明。
行く当てがない二人は寄宿舎のある学園に入学することになり、そこで恐ろしい事件に巻き込まれることになったのですわ~。
序盤のあらすじとしてはこのような感じかしら?
登場人物は少ないので物語自体は把握しやすいですわね。
一応、主人公であるオルガはクールビューティーというと聞こえはいいですけど、ややぶっきらぼうで口数が少なく、感情の激しい少女ですわ。
弟アルチャムに対して抱いている複雑な感情を持て余している感じかしら?
アルチャムは幼いことを武器にして、ガン泣きするかと思えば、だんまりを決め込むこれまた厄介な男の子。
女王に操られていたこともあり、奇妙な行動を取っていたにしても正直、この子を助ける必要性をあまり感じないですわ。
イゴール先生は学園の教師で良識ある大人であり、裏表なくオルガとアルチャムを始めとした生徒を守ろうと動く人でしてよ。
髭もじゃで決して二枚目ではないけれど、イケメンといったところかしら?
学園長は老年に差し掛かったと思われる女性で眼鏡をかけた意地悪な見た目ながら、実は学園に隠されたスペードの女王の秘密について詳しく知っており、何らかの伏線であると思われながらも何事もなく、退場しますわ。
何だったのかしら?
これにはおハーブしかなかったですわね。
オルガのルームメイトはキリル、アリサ、ソニヤ、ユージン(トビーとも呼ばれていて一貫してませんわ)。
キリルには離婚した父親がいて、後妻となった父の愛人のことが気に食わず、そのせいで父親にも反抗的な態度を取っているちょっと悪ぶりたいお坊ちゃん。
アリサもイゴールに憧れ、大人の女性になろうと悪ぶっているお嬢様で見た目では頑張っているものの内面は非常にデリケートでまだまだ子供。
ソニヤはぽっちゃりとした女の子でそれを気にしているがゆえに願い事も食欲をなくして欲しいという可愛いらしいものなのですけれど……。
聞き届けたのがスペードの女王なのでどうなるのか。
ホラーテイストの強いこの作品であることから、見る人によってはかなりトラウマになりかねないシーンがありますわ!
ユージンは休暇でも寄宿舎を離れることがない学園に住んでいると揶揄されるちょっと気弱な少年。
優等生で成績はいいけれど、四人グループの中での発言権は低いですわね。
四人それぞれとアルチャムを含めた五人が封印された開かずの部屋でスペードの女王に冗談半分で願い事をしてしまい、都市伝説が冗談ではなく、恐怖の真実だったと気付いた時には一人、また一人と女王によって殺されていく。
そして、学園長によって語られるスペードの女王こと伯爵夫人の悲しい最期。
それが全く、何の伏線にもなっておらず、学園長は退場してしまうし女王にも悲壮感の欠片も感じられないのが疑問の浮かぶところかしら?
怨霊のようになった伯爵夫人の無念を晴らしという展開がありませんもの。
オチを話してしまうと盛大なネタバレになりますから、言えませんけれど「そうでしょうね」と割合、予測出来るラストシーンですわ~。
結局、伯爵夫人はスペードの女王になって何をしたかったのか。
本来は自らの死んだ息子を蘇らせようとして、狂ってしまっただけの悲しい女性だったはずが鏡の世界で本当に歪んでしまったのか。
それとも伯爵夫人というペルソナは既に消失していて、鏡の世界に囚われた憐れな囚人がこちら側の世界を望んだに過ぎなかったのか。
そのように深く考えることもなく、ほええと軽く見られるのは間違いないですわ~。
今回、取り上げるのは久しぶりのロシア映画『スペルズ/呪文』でしてよ。
スペードの女王はロシアの文豪プーシキンが描いた小説『スペードの女王』が人間の狂気と言うのかしら?
妄執に憑りつかれた男が転落していく様子が描写された文学ですわね。
ところがロシアにはこのスペードの女王が都市伝説のように独り歩きしているようですわ~。
鏡に階段を描き、蝋燭を手にして「スペードの女王よ。姿を現してください」という呪文を唱え、女王を召喚すると何でも願いを叶えて貰える。
ただし、その代償として命を失いますけど……。
おおよそはこの内容で間違いないですわね。
この日本で言うところのコックリさんや紫の鏡にも似た都市伝説のようでしてよ?
そして、この都市伝説をベースとして、作られたのがこの『スペルズ/呪文』ですわ。
以前、取り上げた『クイーン・イン・ザ・ミラー-女王の召喚』もそうでしたわね。
さて、物語の本題ですけれど冒頭のシーンは母親が運転する車が映され、後部座席にはまだ幼い長男(弟)アルチャムとどこか不機嫌な要素を隠さない長女(姉)オルガがいますの。
ぐずるアルチャムに「私は忙しい」と拒否するオルガに運転していた母親がよせばいいのに完全に振り返ったことで前方から来たトラックと正面衝突し、車は極寒の湖へと転落するのですわ。
この事故で母親が死に実はオルガとアルチャムは異父姉弟であり、複雑な間柄にあったことが判明。
行く当てがない二人は寄宿舎のある学園に入学することになり、そこで恐ろしい事件に巻き込まれることになったのですわ~。
序盤のあらすじとしてはこのような感じかしら?
登場人物は少ないので物語自体は把握しやすいですわね。
一応、主人公であるオルガはクールビューティーというと聞こえはいいですけど、ややぶっきらぼうで口数が少なく、感情の激しい少女ですわ。
弟アルチャムに対して抱いている複雑な感情を持て余している感じかしら?
アルチャムは幼いことを武器にして、ガン泣きするかと思えば、だんまりを決め込むこれまた厄介な男の子。
女王に操られていたこともあり、奇妙な行動を取っていたにしても正直、この子を助ける必要性をあまり感じないですわ。
イゴール先生は学園の教師で良識ある大人であり、裏表なくオルガとアルチャムを始めとした生徒を守ろうと動く人でしてよ。
髭もじゃで決して二枚目ではないけれど、イケメンといったところかしら?
学園長は老年に差し掛かったと思われる女性で眼鏡をかけた意地悪な見た目ながら、実は学園に隠されたスペードの女王の秘密について詳しく知っており、何らかの伏線であると思われながらも何事もなく、退場しますわ。
何だったのかしら?
これにはおハーブしかなかったですわね。
オルガのルームメイトはキリル、アリサ、ソニヤ、ユージン(トビーとも呼ばれていて一貫してませんわ)。
キリルには離婚した父親がいて、後妻となった父の愛人のことが気に食わず、そのせいで父親にも反抗的な態度を取っているちょっと悪ぶりたいお坊ちゃん。
アリサもイゴールに憧れ、大人の女性になろうと悪ぶっているお嬢様で見た目では頑張っているものの内面は非常にデリケートでまだまだ子供。
ソニヤはぽっちゃりとした女の子でそれを気にしているがゆえに願い事も食欲をなくして欲しいという可愛いらしいものなのですけれど……。
聞き届けたのがスペードの女王なのでどうなるのか。
ホラーテイストの強いこの作品であることから、見る人によってはかなりトラウマになりかねないシーンがありますわ!
ユージンは休暇でも寄宿舎を離れることがない学園に住んでいると揶揄されるちょっと気弱な少年。
優等生で成績はいいけれど、四人グループの中での発言権は低いですわね。
四人それぞれとアルチャムを含めた五人が封印された開かずの部屋でスペードの女王に冗談半分で願い事をしてしまい、都市伝説が冗談ではなく、恐怖の真実だったと気付いた時には一人、また一人と女王によって殺されていく。
そして、学園長によって語られるスペードの女王こと伯爵夫人の悲しい最期。
それが全く、何の伏線にもなっておらず、学園長は退場してしまうし女王にも悲壮感の欠片も感じられないのが疑問の浮かぶところかしら?
怨霊のようになった伯爵夫人の無念を晴らしという展開がありませんもの。
オチを話してしまうと盛大なネタバレになりますから、言えませんけれど「そうでしょうね」と割合、予測出来るラストシーンですわ~。
結局、伯爵夫人はスペードの女王になって何をしたかったのか。
本来は自らの死んだ息子を蘇らせようとして、狂ってしまっただけの悲しい女性だったはずが鏡の世界で本当に歪んでしまったのか。
それとも伯爵夫人というペルソナは既に消失していて、鏡の世界に囚われた憐れな囚人がこちら側の世界を望んだに過ぎなかったのか。
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