くろいやつのくろいつらつらですわ～

くろいゆきと映画の話・はーいジョージ

　皆様、ごきげんようですわ～。

　今回、取り上げる映画はホラー映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』でしてよ。
　原作はホラー小説の大家スティーブン・キングなので怖さには定評がありますわ。

　まず、タイトルの『IT/それ』は主人公の少年らが住んでいる町ベリーの町に少なくとも数百年は巣食う正体不明の生命体のこと。
　劇中で『IT/それ』は「踊るピエロ・ペニーワイズ」と名乗るまでは『IT/それ』としか、分からないので『IT/それ』ですのよ？
　見た目はこのような感じで……

　ええ、これはコトブキヤさんが販売したホラー映画の殺人鬼などを何でも美少女化するシリーズ(『エルム街の悪夢』のフレディなども)のペニーワイズですわ🌿

　ハリーポッターに出てくる『あの御方』みたいなのと考えれば、よろしいのではなくって。
　このペニーワイズは神出鬼没で本当の見た目は長身のピエロ。
　愛嬌のあるくりっとした目に独特の風変わりな顔芸で子供が警戒感を抱きにくい見た目のピエロ。
　それもそのはず。
　本編終了後に流れる特典映像にペニーワイズを演じたビル・スカルスガルド本人が素顔で晒しているのですけど、普通に二枚目俳優ですわ。
　プロデューサーによれば、彼はオーディションで素顔ではなくピエロのメイクで現れたとか。
　まさにペニーワイズを演じるべく選ばれた男の真骨頂はペニーワイズへのなりきりの高さ。
　その為に彼が編み出した特技が右と左の目を別々に動かすというもの。
　これは実際に映画で見ていただきたいのですけど、もはや特殊能力ですわ～。
　本来はデジタル処理で行う予定だったのが、ビルの演技力のお陰で不要になったというのだから、驚きですわね。

　今回のサブタイトルにしている「は～い♪　ジョージ♪」の台詞。
　実はオープニングで主人公ビルの弟ジョージにペニーワイズが排水溝の中から、話しかけてくる印象深いシーンで出てきますのよ。
　このシーン、撮影では何と最後に撮影されたというのも驚きですわね。
　撮影を通してペニーワイズへの理解が深まってから、撮るべきだったと判断した決断は間違っていなかったとのことでしてよ。
　そう考えて、改めて冒頭の場面を見るとまた、違うのではなくって？

　さて物語の本筋は……
　弟ジョージがペニーワイズの餌食となった少年ビルを主人公として、彼の友人――口の悪い減らず口のリッチー、喘息持ちの気弱なエディ、ラビ(ユダヤ教の祭司)の息子で頭でっかちなスタンリー――に転校生の太っちょベンといじめにあっている紅一点のベバリー、アフリカ系の少年マイクを加えた『負け犬クラブ(LOSERS)』がベリーの町に蔓延る謎の脅威であるペニーワイズと戦う青春活劇ですわ。
　『負け犬クラブ』の全員が家庭環境などに問題があり、真面な大人が誰一人として出てこないのが特徴ですわね。

　それもそのはず。
　ペニーワイズはなぜか、子供にしか認知されないのでベバリーが遭遇した浴室が血塗れ現象も大人の目では何も起きていない。
　さらにろくな大人が出てこないので子供達の言葉を信用しないどころか、逆に阻害するんですもの。
　人知を超えた不思議な力を発揮するペニーワイズの前に『負け犬クラブ』の結束は乱れ、あわや空中分解といったところで紅一点のベバリーが、ペニーワイズに攫われ、物語は一気に加速していくのですわ。

　気が付いたら、いつの間にかペニーワイズのことが好きになっているかもしれない。
　その虜になっているかもしれない。
　そんな恐怖が味わえるので是非、見ていただきたいですわ～。