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くろいゆきと映画の話・音を立てたらヤツラが来るの続編
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皆様、ごきげんようですわ~。
今回、取り上げる映画は『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』でしてよ。
タイトルで分かりやすいですけど、高い評価を得て、大ヒットした『クワイエット・プレイス』の続編ですわ。
クラシンスキー監督は続編を考えていなかったにも関わらず、高評価と大ヒットに気を良くした映画会社はこのビッグウェーブに乗らないでどうする! という流れになって、作られたのが今作ということになりますわね。
その証拠と言わんばかりに主人公であるアボット一家の長男マーカスを演じる子役が前作と今作の間に急成長しており、姉である長女リーガンよりも背が高く、男の子から少年といった成長を感じさせる見た目になっておりますの。
この辺りが続編を作ることの難しさを感じさせられますけど、映画会社は『クワイエット・プレイス』の世界観を崩さずエンターテインメント性を高めた作品を作るようにと要求したのもあって、完成した『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』。
今作も前作同様に専門家からの高い評価を得て、興行収入も成功してますわ。
それでは内容を考察といきますわ~。
前作に引き続き、アボット一家が主人公なのは変わりませんわね。
監督は長女リーガンと長男マーカスの成長描写がアピールポイントだったようですけど、変えなかったのが良かったのか、悪かったのか……正直、微妙なところかしら?
前作で序盤に次男のボーがクリーチャーに殺され、一家の大黒柱である父親リーも終盤で家族を守り死亡してますわ。
二人の死を受け入れ、それでも家族として絆をさらに深く、強くたくましく生きていこうとする母親イヴリン、長女リーガン、長男マーカス。
そして、生を受けたばかりの赤子(続編でも名前が付けられていないのか、一度も名前を呼ばれてませんわね)。
これで一家の物語としては完結していたように見えたのですけれど……。
生存者は他にいるかもしれないと微かな希望の光は前作で伏線のように見えていましたけども、このままではクリーチャーに脅かされた暮らしを続けざるを得ず、ジリ貧に陥るのは確実。
イヴリンは生存者がいると思しき地を求め、子供達を連れて旅に出る……というのが今作の流れですわね。
その前にオープニングとして、前日譚――一日目が描かれていますわ。
クリーチャーが町に出現し、人々が逃げ惑う姿は古き良きパニックムービー感が出ていていいのですけど、なぜ続編で今更、これを描いたのかという疑問が浮かびますわね。
本来はこれは旧作で描くべきだったようにも見えるからですわ。
ただ、この旧作を知らない人には話がさっぱり分からない前日譚が、物語で重要な伏線にもなっているので要注意でしてよ?
アボット一家は生存者を求め、徒歩での過酷な旅を続けますの。
ようやく出会えた生存者エメットはリーの友人でこれまた、影のある人物ですわ。
廃棄された工場の密閉され、防音の効いた地下室に立て籠もり、孤独な暮らしを送っていたエメット。
彼と出会うまでにマーカスがトラバサミに足をやられ、大怪我を負ったり……。
イヴリンが転がり込んだ身の上の割になぜか、上から目線で仁愛について語り、「いつやるの? 今でしょ」のようにエメットにはっぱをかけたり……。
成長してしっかりしたと思ったリーガンがまたもスタンドプレイに走り、「オラ、皆を救う!」と他の生存者がいると思われる場所を目指して、出て行ったり……。
マーカスがやらなくていいことをホラー映画のお約束でわざわざとフラグを立て、危機に陥ったり……。
結末だけを考えるとアボット一家はほぼ疫病神なんですのよね。
転がり込んだエメットの隠れ家はマーカスのしでかした余計なことでクリーチャーに見つかり、半壊したところをイヴリンが完全に破壊しますし……。
生存者探しに出たリーガンとそれを連れ戻しに行きながら、彼女の勇気に感化され守ろうと同行したエメットが見つけた生存者の暮らす孤島。
孤島も二人が来たことが原因とは言えませんけど、何とも酷い有様に……。
前作同様にリーガンの付けている補聴器を利用し、クリーチャーの弱点を突き、リーガンとマーカスがそれぞれクリーチャーを自らの手で倒すという終わり方で彼らが、成長を遂げたことを示唆しているのですけれど……。
クリーチャーが銃火器ではなく、リーガン=女の子が尖った槍状の物で刺突するだけでも倒せたり、相変わらずどれくらいの音で反応するのかが曖昧なクリーチャーがもやっとするところかしら?
小鳥の鳴き声などにクリーチャーは反応してませんし、そもそもが話すのが厳禁なクワイエットがサブタイトル通り破られていて、リーガン以外は小声とはいえ、喋るようになっているのが何とも言えないですわ~🌿
面白いのか、面白くないのかで評価したら、間違いなく面白い映画ではありますのよ?
でも、続編としてこれをやる必要があったのかと言われると主人公を続投させたのが、必ずしも成功ではないと思わせてくれるのに十分ですわね。
なお、三作目の構想があって、スピンオフも作られるようですから、まだまだ『クワイエット・プレイス』熱は収まらずかしら?
今回、取り上げる映画は『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』でしてよ。
タイトルで分かりやすいですけど、高い評価を得て、大ヒットした『クワイエット・プレイス』の続編ですわ。
クラシンスキー監督は続編を考えていなかったにも関わらず、高評価と大ヒットに気を良くした映画会社はこのビッグウェーブに乗らないでどうする! という流れになって、作られたのが今作ということになりますわね。
その証拠と言わんばかりに主人公であるアボット一家の長男マーカスを演じる子役が前作と今作の間に急成長しており、姉である長女リーガンよりも背が高く、男の子から少年といった成長を感じさせる見た目になっておりますの。
この辺りが続編を作ることの難しさを感じさせられますけど、映画会社は『クワイエット・プレイス』の世界観を崩さずエンターテインメント性を高めた作品を作るようにと要求したのもあって、完成した『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』。
今作も前作同様に専門家からの高い評価を得て、興行収入も成功してますわ。
それでは内容を考察といきますわ~。
前作に引き続き、アボット一家が主人公なのは変わりませんわね。
監督は長女リーガンと長男マーカスの成長描写がアピールポイントだったようですけど、変えなかったのが良かったのか、悪かったのか……正直、微妙なところかしら?
前作で序盤に次男のボーがクリーチャーに殺され、一家の大黒柱である父親リーも終盤で家族を守り死亡してますわ。
二人の死を受け入れ、それでも家族として絆をさらに深く、強くたくましく生きていこうとする母親イヴリン、長女リーガン、長男マーカス。
そして、生を受けたばかりの赤子(続編でも名前が付けられていないのか、一度も名前を呼ばれてませんわね)。
これで一家の物語としては完結していたように見えたのですけれど……。
生存者は他にいるかもしれないと微かな希望の光は前作で伏線のように見えていましたけども、このままではクリーチャーに脅かされた暮らしを続けざるを得ず、ジリ貧に陥るのは確実。
イヴリンは生存者がいると思しき地を求め、子供達を連れて旅に出る……というのが今作の流れですわね。
その前にオープニングとして、前日譚――一日目が描かれていますわ。
クリーチャーが町に出現し、人々が逃げ惑う姿は古き良きパニックムービー感が出ていていいのですけど、なぜ続編で今更、これを描いたのかという疑問が浮かびますわね。
本来はこれは旧作で描くべきだったようにも見えるからですわ。
ただ、この旧作を知らない人には話がさっぱり分からない前日譚が、物語で重要な伏線にもなっているので要注意でしてよ?
アボット一家は生存者を求め、徒歩での過酷な旅を続けますの。
ようやく出会えた生存者エメットはリーの友人でこれまた、影のある人物ですわ。
廃棄された工場の密閉され、防音の効いた地下室に立て籠もり、孤独な暮らしを送っていたエメット。
彼と出会うまでにマーカスがトラバサミに足をやられ、大怪我を負ったり……。
イヴリンが転がり込んだ身の上の割になぜか、上から目線で仁愛について語り、「いつやるの? 今でしょ」のようにエメットにはっぱをかけたり……。
成長してしっかりしたと思ったリーガンがまたもスタンドプレイに走り、「オラ、皆を救う!」と他の生存者がいると思われる場所を目指して、出て行ったり……。
マーカスがやらなくていいことをホラー映画のお約束でわざわざとフラグを立て、危機に陥ったり……。
結末だけを考えるとアボット一家はほぼ疫病神なんですのよね。
転がり込んだエメットの隠れ家はマーカスのしでかした余計なことでクリーチャーに見つかり、半壊したところをイヴリンが完全に破壊しますし……。
生存者探しに出たリーガンとそれを連れ戻しに行きながら、彼女の勇気に感化され守ろうと同行したエメットが見つけた生存者の暮らす孤島。
孤島も二人が来たことが原因とは言えませんけど、何とも酷い有様に……。
前作同様にリーガンの付けている補聴器を利用し、クリーチャーの弱点を突き、リーガンとマーカスがそれぞれクリーチャーを自らの手で倒すという終わり方で彼らが、成長を遂げたことを示唆しているのですけれど……。
クリーチャーが銃火器ではなく、リーガン=女の子が尖った槍状の物で刺突するだけでも倒せたり、相変わらずどれくらいの音で反応するのかが曖昧なクリーチャーがもやっとするところかしら?
小鳥の鳴き声などにクリーチャーは反応してませんし、そもそもが話すのが厳禁なクワイエットがサブタイトル通り破られていて、リーガン以外は小声とはいえ、喋るようになっているのが何とも言えないですわ~🌿
面白いのか、面白くないのかで評価したら、間違いなく面白い映画ではありますのよ?
でも、続編としてこれをやる必要があったのかと言われると主人公を続投させたのが、必ずしも成功ではないと思わせてくれるのに十分ですわね。
なお、三作目の構想があって、スピンオフも作られるようですから、まだまだ『クワイエット・プレイス』熱は収まらずかしら?
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