くろいやつのくろいつらつらですわ～

くろいゆきと映画の話・例の呪い人形

　皆様、ごきげんようですわ～。

　今回、取り上げる映画は『死霊館』でしてよ。
　ゴーストハンターとして名を知られたウォーレン夫妻を主人公とした『死霊館ユニバース』のフランチャイズ一作目であり、呪い人形アナベルが以後ずっと出てくるシリーズでもありますわね。
　本作でのアナベルは顔出し程度。
　アナベル・ヒギンスと名乗る少女の霊を騙る悪魔であると断じられ、ウォーレン夫妻が管理する博物館に封印されるまでを描いているだけなので本格的には動いていない感じかしら？

　ウォーレン夫妻は悪魔憑きの実態を説く講演会を行っており、この講演会に参加していた悩みを抱えた若い夫婦・ペロン夫妻がウォーレン夫妻に助けを求めたことから、今回の物語が本格的にスタートですわ～。
　ペロン夫妻と五人の娘、愛犬は競売で手に入れた夢のマイホームへとお引っ越し。
　ところが愛犬のセイディーは新居に入ることを拒む謎の行動を見せたばかりか、翌日無惨な死を遂げることに……。
　五人の娘にも奇妙な出来事が続くようになり、困り果てたペイン夫妻は怪奇現象の専門家であるウォーレン夫妻に頼らざる得なくなったというところですわね。

　ウォーレン夫妻のロレインには霊的な存在を視認出来る不思議な力があり、ペイン一家の家を訪れ、すぐに異変に気付きますの。
　彼女の力が指し示した先には庭に立っている一本の大木。
　ロレインの目には大木の枝に縄をかけ、首を吊っている女性の遺体が見えており……。

　協力者の力も借りながら、ウォーレン夫妻が突き止めたペイン一家を狙う悪霊の正体は百年ほど昔、件の大木で首つり自殺したバスシーバという女性であることが判明。
　このバスシーバはペイン一家が手に入れた家を建てたジェドマンという男の妻だったのですけど、その正体は悪名高きセイラムの魔女裁判で魔女として告発された女性の末裔(実際にはこの女性は冤罪で後に無罪と判明しておりますけども)で魔女。
　自らが産んだ子を悪魔の生贄として捧げようとしたところを夫に妨害されたので呪いをかけ、大木で自殺したというもの。
　この魔女バスシーバがペイン夫妻のキャロリンに憑りつき、娘を生贄に捧げようと本性を現すのですけど……
　そうはさせまいとするウォーレン夫妻が、悪魔祓いを行うことで対抗しようとする、といったところがクライマックスかしら？

　全体的に映像の怖さで恐怖感を与えるのではなく、怨念の強さで人間の業の深さが救いようがないといった心理的な怖さに演出が恐怖感を向上させているといったテイストですわね。
　件の魔女もアナベルも姿を直接、見せて攻撃してくるのではなく恐怖感を煽ってから、弱ったところに付け入ろうとしているとでも言えば、いいのかしら？
　勿論、憑りつかれたキャロリンが豹変し狂暴化したり、椅子が宙に浮いたりといった怪奇現象でも表現はされているのですけど、それよりも夫ロジャーに「もうやめさせて」と泣きつく姿で同情を誘おうとする狡猾なところが怖いですわ。

　ホラー映画のバッドエンドになるパターンだと騙されて、つい解放してしまい殺されるのが多いですわね🌿