6 / 27
序章 アルビノの少女
6 さらば故郷よ
しおりを挟む
おじさん……松尾さんは私が要領を得ないのにすぐ気付いたようだ。
要点をまとめて、分かりやすく説明してくれた。
松尾さんが最初に言った通り、私に与えられたのは二者択一だ。
大雑把に言うとこの家に残るか、残らないかってこと。
残るという選択肢は元々ない。
だけど、松尾さんが私の抱えた事情を知ってるとは思えないので提示したんだろう。
重要なのは残らない選択をした時、どうなるのかだ。
これを分かりやすい言葉で教えてくれた。
松尾さんと一緒に行くと同意すれば、私はここを離れられるだけではなく、何と高校に通える。
寮が用意されてるので、住むところも問題なし。
さらにお金も貰えるらしい。
そんなうまい話があるだろうか?
眉唾物なんだけど、松尾さんはいわゆる公的権力だ。
胡散臭いし、怪しい。
でも、少なくともこの家よりはましだろう。
何を考えてるのか、今更、家族面しようとしてきたらしい。
世間体を気にしたのか、それとも私が家族だと得することがあったんだろうか。
まぁ、どうでもいいけど。
「本当にいいのかい?」
「あの……運転は大丈夫なんですか?」
「ああ。ダイジョーブダイジョーブ。この車は最先端の人工知能が制御しているんだ」
「へぇ?」
それから、すぐに荷物をまとめて、松尾さんが乗って来た黒塗りの車で車上の人になった。
荷物なんて、言うほど持ち物ないし……。
お姉ちゃんから貰ったお古の制服が一着とお古の私服が二着。
それに下着が三枚。
それだけだ。
これが私のほぼ全財産だから、持ってくような荷物がそもそもない。
お金もない。
プレイヤーは誰でも貰えるデバイスに仮想通貨が記録されてる。
それで十分なのでデバイス一つあれば、いい……。
松尾さんが「それだけなのかい?」と聞いた後、ちょっと怖い顔になったのは何だろう?
それよりも気になるのはデバイスを松尾さんに見せたら、可哀想な子を見る目で見られたことだ。
どうにも解せない。
「まあ、とりあえず、学校のパンフレット、見るかい?」
「ええ。とりあえず、見ます」
会話が続かない。
向かい合って、座ってると何とも居心地が悪い。
私は公共の乗り物しか乗ったことがないので、座り心地のいい高そうな車のシートに内心、ワクワクしてるんだけど。
松尾さんは大人だから、そうもいかないんだと思う。
編入する予定の学校案内を見れば、話題ができると踏んだのかもしれない。
どれどれ。
刻明館学園……。
変な名前の学校だけど、校舎は立派だし、校庭も広い。
体育館や講堂もお金のかかってる感じが強い。
中高一貫で……。
志願者を募らない?
変な学校だ。
それでやっていけるんだろうかと変なところが気になった。
生徒はもしかして、私みたいに全国から、見つけてくるんだろうか。
「面白そうな学校だと思ったね?」
「ええ。まぁ。はい」
とりあえず、話題には困らなかった。
松尾さんの作戦勝ちだと思う。
要点をまとめて、分かりやすく説明してくれた。
松尾さんが最初に言った通り、私に与えられたのは二者択一だ。
大雑把に言うとこの家に残るか、残らないかってこと。
残るという選択肢は元々ない。
だけど、松尾さんが私の抱えた事情を知ってるとは思えないので提示したんだろう。
重要なのは残らない選択をした時、どうなるのかだ。
これを分かりやすい言葉で教えてくれた。
松尾さんと一緒に行くと同意すれば、私はここを離れられるだけではなく、何と高校に通える。
寮が用意されてるので、住むところも問題なし。
さらにお金も貰えるらしい。
そんなうまい話があるだろうか?
眉唾物なんだけど、松尾さんはいわゆる公的権力だ。
胡散臭いし、怪しい。
でも、少なくともこの家よりはましだろう。
何を考えてるのか、今更、家族面しようとしてきたらしい。
世間体を気にしたのか、それとも私が家族だと得することがあったんだろうか。
まぁ、どうでもいいけど。
「本当にいいのかい?」
「あの……運転は大丈夫なんですか?」
「ああ。ダイジョーブダイジョーブ。この車は最先端の人工知能が制御しているんだ」
「へぇ?」
それから、すぐに荷物をまとめて、松尾さんが乗って来た黒塗りの車で車上の人になった。
荷物なんて、言うほど持ち物ないし……。
お姉ちゃんから貰ったお古の制服が一着とお古の私服が二着。
それに下着が三枚。
それだけだ。
これが私のほぼ全財産だから、持ってくような荷物がそもそもない。
お金もない。
プレイヤーは誰でも貰えるデバイスに仮想通貨が記録されてる。
それで十分なのでデバイス一つあれば、いい……。
松尾さんが「それだけなのかい?」と聞いた後、ちょっと怖い顔になったのは何だろう?
それよりも気になるのはデバイスを松尾さんに見せたら、可哀想な子を見る目で見られたことだ。
どうにも解せない。
「まあ、とりあえず、学校のパンフレット、見るかい?」
「ええ。とりあえず、見ます」
会話が続かない。
向かい合って、座ってると何とも居心地が悪い。
私は公共の乗り物しか乗ったことがないので、座り心地のいい高そうな車のシートに内心、ワクワクしてるんだけど。
松尾さんは大人だから、そうもいかないんだと思う。
編入する予定の学校案内を見れば、話題ができると踏んだのかもしれない。
どれどれ。
刻明館学園……。
変な名前の学校だけど、校舎は立派だし、校庭も広い。
体育館や講堂もお金のかかってる感じが強い。
中高一貫で……。
志願者を募らない?
変な学校だ。
それでやっていけるんだろうかと変なところが気になった。
生徒はもしかして、私みたいに全国から、見つけてくるんだろうか。
「面白そうな学校だと思ったね?」
「ええ。まぁ。はい」
とりあえず、話題には困らなかった。
松尾さんの作戦勝ちだと思う。
0
あなたにおすすめの小説
◆平民出身令嬢、断罪で自由になります◆~ミッカン畑で待つ幼馴染のもとへ~
ささい
恋愛
「え、帰ってくんの?」
「え、帰れないの?」
前世の記憶が蘇ったニーナは気づいた。
ここは乙女ゲームの世界で、自分はピンク髪のヒロインなのだと。
男爵家に拾われ学園に通うことになったけれど、貴族社会は息苦しくて、
幼馴染のクローにも会えない。
乙女ゲームの世界を舞台に悪役令嬢が活躍して
ヒロインをざまあする世界じゃない!?
なら、いっそ追放されて自由になろう——。
追放上等!私が帰りたいのはミッカン畑です。
元婚約者からの嫌がらせでわたくしと結婚させられた彼が、ざまぁしたら優しくなりました。ですが新婚時代に受けた扱いを忘れてはおりませんよ?
3333(トリささみ)
恋愛
貴族令嬢だが自他ともに認める醜女のマルフィナは、あるとき王命により結婚することになった。
相手は王女エンジェに婚約破棄をされたことで有名な、若き公爵テオバルト。
あまりにも不釣り合いなその結婚は、エンジェによるテオバルトへの嫌がらせだった。
それを知ったマルフィナはテオバルトに同情し、少しでも彼が報われるよう努力する。
だがテオバルトはそんなマルフィナを、徹底的に冷たくあしらった。
その後あるキッカケで美しくなったマルフィナによりエンジェは自滅。
その日からテオバルトは手のひらを返したように優しくなる。
だがマルフィナが新婚時代に受けた仕打ちを、忘れることはなかった。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
捨てられた悪役はきっと幸せになる
ariya
恋愛
ヴィヴィア・ゴーヴァン公爵夫人は少女小説に登場する悪役だった。
強欲で傲慢で嫌われ者、夫に捨てられて惨めな最期を迎えた悪役。
その悪役に転生していたことに気づいたヴィヴィアは、夫がヒロインと結ばれたら潔く退場することを考えていた。
それまでお世話になった為、貴族夫人としての仕事の一部だけでもがんばろう。
「ヴィヴィア、あなたを愛してます」
ヒロインに惹かれつつあるはずの夫・クリスは愛をヴィヴィアに捧げると言ってきて。
そもそもクリスがヴィヴィアを娶ったのは、王位継承を狙っている疑惑から逃れる為の契約結婚だったはずでは?
愛などなかったと思っていた夫婦生活に変化が訪れる。
※この作品は、人によっては元鞘話にみえて地雷の方がいるかもしれません。また、ヒーローがヤンデレ寄りですので苦手な方はご注意ください。
※表紙はAIです。
婚約破棄されたのでファンシーショップ始めました。 ― 元婚約者が、お人形さんを側室にしようとして大恥をかきました ―
鷹 綾
恋愛
隣国の王子から「政略的にも個人的にも魅力を感じない」と婚約破棄された、ファンタジア王国第三女王タナー。
泣きも怒りもせず、彼女が考えたのは――「いつか王宮の庇護がなくなっても困らない生き方」だった。
まだ八歳。
それでも先を見据え、タナーは王都の片隅で小さなファンシーショップを開くことを決意する。
並ぶのは、かわいい雑貨。
そして、かわいい魔法の雑貨。
お茶を淹れてくれるクマのぬいぐるみ店員《テイデイ・バトラー》、
冷めないティーカップ、
時間になると小鳥が飛び出すアンティーク時計――。
静かに広がる評判の裏で、
かつての元婚約者は「お人形さんを側室にしようとして」赤っ恥をかくことに。
ざまぁは控えめ、日常はやさしく。
かわいいものに囲まれながら、女王は今日も穏やかにお店を開けています。
---
この文面は
✔ アルファポリス向け文字数
✔ 女子読者に刺さるワード配置
✔ ネタバレしすぎない
✔ ほのぼの感キープ
を全部満たしています。
次は
👉 タグ案
👉 ランキング用超短縮あらすじ(100字)
どちらにしますか?
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。
しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。
友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。
『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。
取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。
彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる