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第一章 セラフィナ十二歳
第27話 悪妻、暴露する
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これは私の私による『幸せ人生計画』の構想になかった展開だわ。
とりあえず、最初は殺されたくない。
それが重要だった。
でも、それだけじゃ、駄目なのだ。
大事な人も守っていかなきゃいけない。
そう思って動いていたら、もっと先の未来で会うはずのシルビアと友人になった。
そして、今だ。
前世では会うことすらなかったアレシアと友人になった。
これは私にとっての幸運なのか、それとも……。
「ねぇ、アリー。あなたのその知ってる『げーむ』とやらで未来はどうなるの?」
「そうね。それは気になるわ」
やや前のめり気味な私達にアリーが引いている気がするけど、これは重要だ。
彼女が何らかの知識を手引きとして、奇妙な行動を取っていた可能性がある。
明らかに私の動きを知っているかのような動きを見せていたからだ。
「あ、それ? 主人公は平民として生きてきて、実は男爵家の娘だって分かって、貴族令嬢になるの。これはあたしと同じでしょ」
「そうね。よくある訳ではないけど、珍しいというほどではないわね。庶子を引き取る貴族はそこそこ、いるはずだわ」
「それでね。学園の入学式で偶然、王子様と出会うんだけど、そこが違ったのよね。出会ったのが王子様じゃなくて、セナだった!」
なるほど。
それで私に体当たりをしてきたの?
完全に八つ当たりじゃない。
「問題はそこじゃないわ。王子様と愛を育んでからの話が大事なの」
「えっと、確か、王子様には婚約者がいるんだけどさ。卒業式のパーティーでその子に婚約破棄を宣言して、新たな婚約者に指名されて……」
「すごい展開ね」
王族の婚約を卒業式のパーティーで破棄するなんて、まともな神経をしているとは思えないわ。
貴族の婚姻で恋愛結婚は珍しいのだ。
政略結婚が主流で契約に基づいている以上、簡単に破棄や解消出来るものではない。
王族だったら、尚更だ。
そんな無謀な婚約破棄をしたら、廃嫡どころか、王族から追放されるんじゃないかしら?
「王子様とヒロインは幸せになりましたというエンディングを迎えるのよ」
「「え?」」
シルビアと思わず、声を揃えてしまった。
頭の中には疑問符がたくさん浮かんでくる。
おかしいでしょ!
急に婚約者になって、お終いで幸せになれると思ってるなら、正気じゃないわね。
「え? 何か、おかしいとこ、あった?」
むしろ、おかしいところしか、なかった気がするわ。
どこから、どう突っ込むべきかな。
「アリー。それでは誰も幸せになれないわ。だって……」
これは言うべきよね?
でも、アリーが本当にヒロインなら、未来を変えられかもしれない。
「この国は七年後に侵略されるのよ?」
「はぁ!?」
アリーが椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がるから、周囲からの視線を感じる。
シルビアが代わりに『皆さん、すみません』と謝ってくれる。
彼女の立ち振る舞いのお陰で大分、救われてるのよね。
「私、セラフィナとして、三十七歳まで生きたって、言ったでしょ。私が十九歳になった年に陛下が……ね。それでこの国はエンディア王国の侵略を受けるの」
長男と長女。
私は一男一女を儲け、妻としての役目を果たした。
これでモデストと少しはまともな関係を築けると思っていた。
ところがヨシフ伯父様がエンディアのノエル王の奸計によって、騙し討ちにあったのだ。
これは寝耳に水どころの騒ぎじゃなかったわ。
大黒柱とも言うべき伯父様を失ってからの転落ったら、なかったもん。
「そ、それって、え? どういうこと?」
「ほとんどの領地を奪われるのよ。ウルバノ王太子が王位につくんだけど、その後は酷い物だったわ。連戦連敗だったのよ。疑心暗鬼に陥ったウルバノが家臣の妻子を人質に出すように強要してから、この国は悪夢に陥った地獄そのものよ」
おまけにモデストがよりにもよって、このタイミングで独立したのだ。
さらに仇敵のノエル王と同盟したもんだから、人質になってる私がどういう扱いを受けたか……。
そして、お父様とお母様がどうなったかを考えるとモデスト許すまじ!
平手打ちを一度や二度したくなってきたわ。
「じゃあ、私達はそれまでにどうすればいいか、ということなの。ね、シルビア?」
「ええ、そうですわね。一緒に精進しましょうね、アリーさん」
こういう時のシルビアの笑顔が本当に怖いんですけど!
とりあえず、最初は殺されたくない。
それが重要だった。
でも、それだけじゃ、駄目なのだ。
大事な人も守っていかなきゃいけない。
そう思って動いていたら、もっと先の未来で会うはずのシルビアと友人になった。
そして、今だ。
前世では会うことすらなかったアレシアと友人になった。
これは私にとっての幸運なのか、それとも……。
「ねぇ、アリー。あなたのその知ってる『げーむ』とやらで未来はどうなるの?」
「そうね。それは気になるわ」
やや前のめり気味な私達にアリーが引いている気がするけど、これは重要だ。
彼女が何らかの知識を手引きとして、奇妙な行動を取っていた可能性がある。
明らかに私の動きを知っているかのような動きを見せていたからだ。
「あ、それ? 主人公は平民として生きてきて、実は男爵家の娘だって分かって、貴族令嬢になるの。これはあたしと同じでしょ」
「そうね。よくある訳ではないけど、珍しいというほどではないわね。庶子を引き取る貴族はそこそこ、いるはずだわ」
「それでね。学園の入学式で偶然、王子様と出会うんだけど、そこが違ったのよね。出会ったのが王子様じゃなくて、セナだった!」
なるほど。
それで私に体当たりをしてきたの?
完全に八つ当たりじゃない。
「問題はそこじゃないわ。王子様と愛を育んでからの話が大事なの」
「えっと、確か、王子様には婚約者がいるんだけどさ。卒業式のパーティーでその子に婚約破棄を宣言して、新たな婚約者に指名されて……」
「すごい展開ね」
王族の婚約を卒業式のパーティーで破棄するなんて、まともな神経をしているとは思えないわ。
貴族の婚姻で恋愛結婚は珍しいのだ。
政略結婚が主流で契約に基づいている以上、簡単に破棄や解消出来るものではない。
王族だったら、尚更だ。
そんな無謀な婚約破棄をしたら、廃嫡どころか、王族から追放されるんじゃないかしら?
「王子様とヒロインは幸せになりましたというエンディングを迎えるのよ」
「「え?」」
シルビアと思わず、声を揃えてしまった。
頭の中には疑問符がたくさん浮かんでくる。
おかしいでしょ!
急に婚約者になって、お終いで幸せになれると思ってるなら、正気じゃないわね。
「え? 何か、おかしいとこ、あった?」
むしろ、おかしいところしか、なかった気がするわ。
どこから、どう突っ込むべきかな。
「アリー。それでは誰も幸せになれないわ。だって……」
これは言うべきよね?
でも、アリーが本当にヒロインなら、未来を変えられかもしれない。
「この国は七年後に侵略されるのよ?」
「はぁ!?」
アリーが椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がるから、周囲からの視線を感じる。
シルビアが代わりに『皆さん、すみません』と謝ってくれる。
彼女の立ち振る舞いのお陰で大分、救われてるのよね。
「私、セラフィナとして、三十七歳まで生きたって、言ったでしょ。私が十九歳になった年に陛下が……ね。それでこの国はエンディア王国の侵略を受けるの」
長男と長女。
私は一男一女を儲け、妻としての役目を果たした。
これでモデストと少しはまともな関係を築けると思っていた。
ところがヨシフ伯父様がエンディアのノエル王の奸計によって、騙し討ちにあったのだ。
これは寝耳に水どころの騒ぎじゃなかったわ。
大黒柱とも言うべき伯父様を失ってからの転落ったら、なかったもん。
「そ、それって、え? どういうこと?」
「ほとんどの領地を奪われるのよ。ウルバノ王太子が王位につくんだけど、その後は酷い物だったわ。連戦連敗だったのよ。疑心暗鬼に陥ったウルバノが家臣の妻子を人質に出すように強要してから、この国は悪夢に陥った地獄そのものよ」
おまけにモデストがよりにもよって、このタイミングで独立したのだ。
さらに仇敵のノエル王と同盟したもんだから、人質になってる私がどういう扱いを受けたか……。
そして、お父様とお母様がどうなったかを考えるとモデスト許すまじ!
平手打ちを一度や二度したくなってきたわ。
「じゃあ、私達はそれまでにどうすればいいか、ということなの。ね、シルビア?」
「ええ、そうですわね。一緒に精進しましょうね、アリーさん」
こういう時のシルビアの笑顔が本当に怖いんですけど!
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