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12 珍道中は続く
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お腹を抱えて、笑い転げるオルガの姿は、学院で見かけた孤高のお嬢様とはかけ離れていて、逆に親しみが湧く。
ただし、馬鹿にされている感が強く、メンタルという名の壁がゴリゴリと音を立てて、削られていく。
そうは言っても学院でもぼっちでメンタルを鍛えられている俺だ。
どうということはない。
多分……。
「ほお。つまり、アレなのか」
「そうよ。アレなのよ」
「んががんが」
ようやく理解した。
学院で何を学んでいたのかと怒られても仕方ない。
反省しようと思う。
ちっ。
うっせーな、反省してるよ。
多分な……。
いや、本当に知らなかったんだぞ?
授業でやったのか?
いかん。
全く、記憶にない。
「初耳なんだが」と反論したいが、面倒は嫌いだ。
幸い、オルガの説明は多少の嫌味混じりが難点なだけ。
極めて、分かりやすいのだ。
内容は理解できている。
何だか、悔しいな。
これが負け惜しみというものか?
「なるほどな。確かにこれは便利だ」
「でしょ?」
じっちゃんも言っていたなあ。
イメージが大事だと……。
想像を創造へと変える。
それが魔法?
そういうものらしい。
正確には魔法ではないし、魔術でもない。
オルガ曰く、カサドールの血族が先祖から受け継いだ固有の能力であって、代々遺伝するものらしい。
それが強く出るか、それとも全く発現しないか。
神のみぞ知るってことだそうな。
何とも神頼みな気がするが、オルガの言う通り、便利な能力だ。
精神を集中することで赤外線を感知できるんだからなあ。
驚きしかない……。
地下神殿はそれなりに低温だから、余計に分かりやすい。
ネズミらしき小動物がはっきりと赤く、見える。
もっとも元々持っている視力に依存するので万能という訳ではないが、便利だ。
大概の生き物は生命活動をするのに熱を放射しているから、このサーモグラフィーもどきの能力は狩りに最適と言えよう。
伊達に狩猟を意味するカサドールじゃないってことだな。
しかし、気を付けないといけないのはあくまで熱感知である点だ。
オルガの話ではブラックタイガーにこれが通用しない。
外殻に熱感知を阻害する成分が含まれていて、熱量自体もほとんど発生しない生態らしい。
相当に厄介な相手ということか。
もう一つの特殊な能力に関してはオルガとスリーパーも使いこなせないらしい。
「何だったか。体内のアド? 大気中のカナ?」
「オドよ、オド。それにマナね? あんたの頭は一体、どうなってるのよ」
「そうそう。そんなのだったな」
オルガくん、そんな虚無の表情をして睨んでこなくてもいいと思うんだよ。
誰しも特異不得意というものがあるもんだ。
俺は物覚えが苦手で実地で覚えるタイプ。
そういうことで理解してもらうと有難いんだが……。
まあ、当然のようにオルガは許してくれないタイプだ。
じっちゃんが言っていた。
あれは結婚すると尻に敷く、勝気な女だ。
間違いない。
話が脱線したがオドとマナはいわゆる魔力と呼ばれる不思議な力の源。
そう言われたもののよくは分からない。
何しろ、目で見えるものではなく、感じるものらしい。
何だ、それは? としか言いようがないが、そういうものだと言われたら、納得するしかないようだ。
体の中で先天的に眠っているのがオド。
大気中や自然の木々や海、川などに漂っているのがマナ。
ややこしいことにデバイスを貰って、資格者(プレイヤー)に認定されるとランク付けされる際、判定基準はオドとされているそうだ。
ところが、世の中は広い。
体内のオド量が低くても体外からマナを取り入れる特異体質も極稀にいるらしい。
トップランカーと呼ばれるプレイヤーにはそういうのもいると自分のことでもないのにオルガが訳知り顔で話してくれただけだしな!
それでだ。
カサドールの中にはこのオドやマナを凝縮させて、一気に放出する光火砲(フォトンカノン)を使える者が、これまた稀に生まれて来るそうだ。
まるで必殺技みたいだが、コツさえ掴めば、連射もできるので「一度しか撃てん!」みたいなことにもならないらしい。
もっとも伝承だけで近年は使える者すら、出ていないともオルガは言った。
例外として、モイセス――モサじっちゃんがこの使い手だったらしい。
そんなこと一度も聞いたことなかったので他人から、聞くのは複雑な気分だ。
オルガによれば、俺達三人は全くの他人ではなく、先祖を同じくする一族ってことらしいが。
また、話が脱線したが、このオドやマナをうまく体内を循環させることで空腹を紛らわせることができる。
いや、それ、単なる瘦せ我慢って言うんじゃないか?
「無駄なお喋りはここまでにしましょ」
「そうだな。そりゃ、そうか。親玉に近付いているんだから、お出迎えも増えるよな」
「んが!」
ブラックタイガーは本当にサーモグラフィーに映らない特性を持っているようだ。
一匹、二匹……御丁寧に何と、五匹もいるじゃないか。
ただし、馬鹿にされている感が強く、メンタルという名の壁がゴリゴリと音を立てて、削られていく。
そうは言っても学院でもぼっちでメンタルを鍛えられている俺だ。
どうということはない。
多分……。
「ほお。つまり、アレなのか」
「そうよ。アレなのよ」
「んががんが」
ようやく理解した。
学院で何を学んでいたのかと怒られても仕方ない。
反省しようと思う。
ちっ。
うっせーな、反省してるよ。
多分な……。
いや、本当に知らなかったんだぞ?
授業でやったのか?
いかん。
全く、記憶にない。
「初耳なんだが」と反論したいが、面倒は嫌いだ。
幸い、オルガの説明は多少の嫌味混じりが難点なだけ。
極めて、分かりやすいのだ。
内容は理解できている。
何だか、悔しいな。
これが負け惜しみというものか?
「なるほどな。確かにこれは便利だ」
「でしょ?」
じっちゃんも言っていたなあ。
イメージが大事だと……。
想像を創造へと変える。
それが魔法?
そういうものらしい。
正確には魔法ではないし、魔術でもない。
オルガ曰く、カサドールの血族が先祖から受け継いだ固有の能力であって、代々遺伝するものらしい。
それが強く出るか、それとも全く発現しないか。
神のみぞ知るってことだそうな。
何とも神頼みな気がするが、オルガの言う通り、便利な能力だ。
精神を集中することで赤外線を感知できるんだからなあ。
驚きしかない……。
地下神殿はそれなりに低温だから、余計に分かりやすい。
ネズミらしき小動物がはっきりと赤く、見える。
もっとも元々持っている視力に依存するので万能という訳ではないが、便利だ。
大概の生き物は生命活動をするのに熱を放射しているから、このサーモグラフィーもどきの能力は狩りに最適と言えよう。
伊達に狩猟を意味するカサドールじゃないってことだな。
しかし、気を付けないといけないのはあくまで熱感知である点だ。
オルガの話ではブラックタイガーにこれが通用しない。
外殻に熱感知を阻害する成分が含まれていて、熱量自体もほとんど発生しない生態らしい。
相当に厄介な相手ということか。
もう一つの特殊な能力に関してはオルガとスリーパーも使いこなせないらしい。
「何だったか。体内のアド? 大気中のカナ?」
「オドよ、オド。それにマナね? あんたの頭は一体、どうなってるのよ」
「そうそう。そんなのだったな」
オルガくん、そんな虚無の表情をして睨んでこなくてもいいと思うんだよ。
誰しも特異不得意というものがあるもんだ。
俺は物覚えが苦手で実地で覚えるタイプ。
そういうことで理解してもらうと有難いんだが……。
まあ、当然のようにオルガは許してくれないタイプだ。
じっちゃんが言っていた。
あれは結婚すると尻に敷く、勝気な女だ。
間違いない。
話が脱線したがオドとマナはいわゆる魔力と呼ばれる不思議な力の源。
そう言われたもののよくは分からない。
何しろ、目で見えるものではなく、感じるものらしい。
何だ、それは? としか言いようがないが、そういうものだと言われたら、納得するしかないようだ。
体の中で先天的に眠っているのがオド。
大気中や自然の木々や海、川などに漂っているのがマナ。
ややこしいことにデバイスを貰って、資格者(プレイヤー)に認定されるとランク付けされる際、判定基準はオドとされているそうだ。
ところが、世の中は広い。
体内のオド量が低くても体外からマナを取り入れる特異体質も極稀にいるらしい。
トップランカーと呼ばれるプレイヤーにはそういうのもいると自分のことでもないのにオルガが訳知り顔で話してくれただけだしな!
それでだ。
カサドールの中にはこのオドやマナを凝縮させて、一気に放出する光火砲(フォトンカノン)を使える者が、これまた稀に生まれて来るそうだ。
まるで必殺技みたいだが、コツさえ掴めば、連射もできるので「一度しか撃てん!」みたいなことにもならないらしい。
もっとも伝承だけで近年は使える者すら、出ていないともオルガは言った。
例外として、モイセス――モサじっちゃんがこの使い手だったらしい。
そんなこと一度も聞いたことなかったので他人から、聞くのは複雑な気分だ。
オルガによれば、俺達三人は全くの他人ではなく、先祖を同じくする一族ってことらしいが。
また、話が脱線したが、このオドやマナをうまく体内を循環させることで空腹を紛らわせることができる。
いや、それ、単なる瘦せ我慢って言うんじゃないか?
「無駄なお喋りはここまでにしましょ」
「そうだな。そりゃ、そうか。親玉に近付いているんだから、お出迎えも増えるよな」
「んが!」
ブラックタイガーは本当にサーモグラフィーに映らない特性を持っているようだ。
一匹、二匹……御丁寧に何と、五匹もいるじゃないか。
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