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第4章 麗しのアルフィン
第129話 普通のデートでこういうのしているのかしら?
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レオと二人で通りの屋台を見て回るだけでも楽しくて、仕方がありません。
今は装飾品の屋台を覗いているのですけど、私よりレオの方が真剣みたい。
「これなんて、どうかな?」
そう耳元で囁きながら、彼が手に取ったのはペアリング。
私達の目と同じ色をした小さな赤い石が三つあしらわれ、二つのリングが交差するデザインです。
「これでいいよね?」
だから、その耳元で囁くのは駄目ですって。
レオの息が耳にかかると妙な感覚に陥りますわ。
でも、逃げられません。
彼の手は腰をがっちりと掴んでいて、抱き寄せられているのですから。
『この方が僕も安心出来るんだ』って、その時も囁かれたのよね。
思わず、答えた時に焦って、『レ、レオがしたいのにゃら、かまわにゃいわ』って言ってしまったのは思い出したくないですわ……。
「私もこれがいいですわ」
レオが選んでくれたんですもの。
『あなたが選んでくれたのなら、何だって構わないわ』
素直に口に出せると楽なのですが、難しいですわね。
『それじゃ、これください』とレオがお店の人とやり取りをしているのを夢心地で見ているだけしか、出来ません。
あまりに幸せ過ぎて、胸がポカポカしてきます。
このまま……
「リーナ、指を出して」
「ふぇ!? あっ……」
危うく、違う世界が見えてきそうです。
危ないですわ。
レオはそんな私の左手を取って、薬指にリングをはめてくれました。
さらにそのまま愛おしむように優しく、指にキスをしてくれるなんて。
まるで物語の中の王子様みたいですわ。
心臓がドキドキし過ぎて、止まるんじゃないかしら?
「はい、これ」
レオが渡してくれたのはペアリングの対。
先程、レオがしてくれたのと同じように左手を取って、その薬指にリングをはめます。
ちょっと恥ずかしいですけど、そのリングにキスをしました。
『彼を守って』という想いを込めて。
何だか、結婚式の指輪交換をしているみたい。
「な、何だか、恥ずかしいね」
「う、うん」
ずっと見つめ合っていると周囲から、ジロジロと見られている気がしてなりませんから、また手を繋ぎ合って、屋台のはしごをすることにしました。
決して、恥ずかしいから、逃げた訳ではありませんのよ?
「リーナは食べたい物とか、他に欲しい物ない?」
「え? 特にこれといって……考えられませんけど」
「本当に!? デートなんだし、我が儘言ってもいいんだよ」
レオがまた、仔犬みたいに何かを求める必死な表情をして、そう言ってくれるのですけど……レオとこうして、歩いているデートなだけで幸せなのよね。
何もなくて、あなたと歩いているだけで心がいっぱいなんですもの。
ただ、噴水を眺めているだけでも幸せになれるのはなぜかしら?
これも素直に言った方がいいのかしら?
「レオと一緒にこうしているだけで十分なの」
そう答えるとレオはちょっと戸惑ったような、それでいて、どことなく熱を帯びた目をしていて。
でも、その表情って、まるで尻尾をブンブン振っている仔犬みたいですわね。
「うん、僕もだよ」
「だから、レオが食べたい物を見ましょ?」
「うん」
何だか、本当に仔犬みたいですけど。
かわいいわ。
問題は夜になると仔犬どころか、飢えた狼なのよね。
体の隅々まで全て、貪られるみたいに激しくて、それが……
考えているとどこかに旅立ちそうで危ないですわね。
激しく求められるのが嬉しいと思う私は変なのかしら?
「これ、食べようよ」
「ホットドッグですの? レオが食べたいんですの?」
「僕が食べたいっていうか、リーナが食べているとこを見た……いや、食べたいなぁ」
んんん?
何か、今、レオが変なことを言おうとしていたような気がするのですけど、気のせいよね。
すごく喜び勇んでホットドッグを買いに行ってません?
ホットドッグがそんなにお好きでしたら、作りますのに変なレオですわ。
「はい、リーナ」
「ありがとう、レオ。食べませんの?」
「ここだと……リーナ、あっちで食べようか」
レオは私にホットドッグを渡すと食べやすいように座って食べられるところを探してくれて、そこまでエスコートしてくれます。
今日の彼は本当に物語の中の王子様みたいで紳士ですわ。
あら? なぜでしょう。
人が少ないところを選んでません?
いえ、それは構いませんのよ。
ただ、私が食べるのをジッと見ているのはなぜかしら?
「あの……レオ? そう見られていますと食べにくいですわ」
「気にしないで食べてよ……なるべく、もっとこうエ……何でもないよ?」
今、何か、言いかけましたわね?
その後、レオが何を求めているのか、何となく察した訳ですけど。
あなたのはもっと立派で……夜、彼のをその……いただいてますのに何かが違うのかしら?
強いて言うのなら、角度が違うのかしら。
今は対面状態で目線が対等ですけど、いただく時はたいてい、彼が座っていたり、寝ている時ですから、私が見上げている角度ですものね。
それにいつもと違うシチュエーションでデートしてますもの。
気分が盛り上がるのは分かりますのよ?
「レオって、たまに……はむはむ、んっ……変態ですわね」
最後のはレオに聞こえていたら、まずいかしら。
聞こえてないとは思うのですけども、レオですもの。
そして、私も変ですわ。
求められるままに応じているのですから。
「リーナ! 僕のことを見つめながら、食べてくれるともっといいかな」
「こ、こうかしら?」
「もっと、こう……流し目みたいな、そう、そう、そんな感じ、いいね!」
えっと、今日は普通のデートなのよね。
何か、おかしいと思いますわ。
皆さん、普通のデートでこういうのしているのかしら?
今は装飾品の屋台を覗いているのですけど、私よりレオの方が真剣みたい。
「これなんて、どうかな?」
そう耳元で囁きながら、彼が手に取ったのはペアリング。
私達の目と同じ色をした小さな赤い石が三つあしらわれ、二つのリングが交差するデザインです。
「これでいいよね?」
だから、その耳元で囁くのは駄目ですって。
レオの息が耳にかかると妙な感覚に陥りますわ。
でも、逃げられません。
彼の手は腰をがっちりと掴んでいて、抱き寄せられているのですから。
『この方が僕も安心出来るんだ』って、その時も囁かれたのよね。
思わず、答えた時に焦って、『レ、レオがしたいのにゃら、かまわにゃいわ』って言ってしまったのは思い出したくないですわ……。
「私もこれがいいですわ」
レオが選んでくれたんですもの。
『あなたが選んでくれたのなら、何だって構わないわ』
素直に口に出せると楽なのですが、難しいですわね。
『それじゃ、これください』とレオがお店の人とやり取りをしているのを夢心地で見ているだけしか、出来ません。
あまりに幸せ過ぎて、胸がポカポカしてきます。
このまま……
「リーナ、指を出して」
「ふぇ!? あっ……」
危うく、違う世界が見えてきそうです。
危ないですわ。
レオはそんな私の左手を取って、薬指にリングをはめてくれました。
さらにそのまま愛おしむように優しく、指にキスをしてくれるなんて。
まるで物語の中の王子様みたいですわ。
心臓がドキドキし過ぎて、止まるんじゃないかしら?
「はい、これ」
レオが渡してくれたのはペアリングの対。
先程、レオがしてくれたのと同じように左手を取って、その薬指にリングをはめます。
ちょっと恥ずかしいですけど、そのリングにキスをしました。
『彼を守って』という想いを込めて。
何だか、結婚式の指輪交換をしているみたい。
「な、何だか、恥ずかしいね」
「う、うん」
ずっと見つめ合っていると周囲から、ジロジロと見られている気がしてなりませんから、また手を繋ぎ合って、屋台のはしごをすることにしました。
決して、恥ずかしいから、逃げた訳ではありませんのよ?
「リーナは食べたい物とか、他に欲しい物ない?」
「え? 特にこれといって……考えられませんけど」
「本当に!? デートなんだし、我が儘言ってもいいんだよ」
レオがまた、仔犬みたいに何かを求める必死な表情をして、そう言ってくれるのですけど……レオとこうして、歩いているデートなだけで幸せなのよね。
何もなくて、あなたと歩いているだけで心がいっぱいなんですもの。
ただ、噴水を眺めているだけでも幸せになれるのはなぜかしら?
これも素直に言った方がいいのかしら?
「レオと一緒にこうしているだけで十分なの」
そう答えるとレオはちょっと戸惑ったような、それでいて、どことなく熱を帯びた目をしていて。
でも、その表情って、まるで尻尾をブンブン振っている仔犬みたいですわね。
「うん、僕もだよ」
「だから、レオが食べたい物を見ましょ?」
「うん」
何だか、本当に仔犬みたいですけど。
かわいいわ。
問題は夜になると仔犬どころか、飢えた狼なのよね。
体の隅々まで全て、貪られるみたいに激しくて、それが……
考えているとどこかに旅立ちそうで危ないですわね。
激しく求められるのが嬉しいと思う私は変なのかしら?
「これ、食べようよ」
「ホットドッグですの? レオが食べたいんですの?」
「僕が食べたいっていうか、リーナが食べているとこを見た……いや、食べたいなぁ」
んんん?
何か、今、レオが変なことを言おうとしていたような気がするのですけど、気のせいよね。
すごく喜び勇んでホットドッグを買いに行ってません?
ホットドッグがそんなにお好きでしたら、作りますのに変なレオですわ。
「はい、リーナ」
「ありがとう、レオ。食べませんの?」
「ここだと……リーナ、あっちで食べようか」
レオは私にホットドッグを渡すと食べやすいように座って食べられるところを探してくれて、そこまでエスコートしてくれます。
今日の彼は本当に物語の中の王子様みたいで紳士ですわ。
あら? なぜでしょう。
人が少ないところを選んでません?
いえ、それは構いませんのよ。
ただ、私が食べるのをジッと見ているのはなぜかしら?
「あの……レオ? そう見られていますと食べにくいですわ」
「気にしないで食べてよ……なるべく、もっとこうエ……何でもないよ?」
今、何か、言いかけましたわね?
その後、レオが何を求めているのか、何となく察した訳ですけど。
あなたのはもっと立派で……夜、彼のをその……いただいてますのに何かが違うのかしら?
強いて言うのなら、角度が違うのかしら。
今は対面状態で目線が対等ですけど、いただく時はたいてい、彼が座っていたり、寝ている時ですから、私が見上げている角度ですものね。
それにいつもと違うシチュエーションでデートしてますもの。
気分が盛り上がるのは分かりますのよ?
「レオって、たまに……はむはむ、んっ……変態ですわね」
最後のはレオに聞こえていたら、まずいかしら。
聞こえてないとは思うのですけども、レオですもの。
そして、私も変ですわ。
求められるままに応じているのですから。
「リーナ! 僕のことを見つめながら、食べてくれるともっといいかな」
「こ、こうかしら?」
「もっと、こう……流し目みたいな、そう、そう、そんな感じ、いいね!」
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何か、おかしいと思いますわ。
皆さん、普通のデートでこういうのしているのかしら?
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