150 / 232
第4章 麗しのアルフィン
第136話 うさちゃんの魔法はいつ解けますの?
しおりを挟む
『水圧に耐えられる強靭なフレームと装甲がまず、必要だしね。でも、それだけだとさ。汎用性が低いんだよね』
「え? ええ?」
『陸上でもある程度、戦闘出来る機動性が欲しいよね』
「は、はい?」
『重装甲と機動性を両立させるのが課題なんだ』
「そ、そうですのね?」
えっと、問題はそこなのかしら?
水中型自体の必要がないと思いますの。
アルフィンは確かに大きな湖に隣接してますけど、閉じた湖なのです。
水の中を通って、何かを仕掛けてくることはまず、不可能と言えるでしょう。
邪神ハイドラのように最初から、湖中に潜んでいたのなら、別ですけども。
「ねぇ、レオ。水中型の機体を計画するのはいいのですけど……どこで使いますの?」
『え、えっと。そこまで、考えてなかったー』
「レーオー」
『ぐるじいっで』
さらにギュウギュウとレオうさを締め付けたから、苦しいようで……そもそも、ぬいぐるみだから、本当は苦しくないのでしょ?
『あ、バレた?』
「私の心臓に悪いので変な声は出さないでくださいな。それよりも……」
『も?』
「そろそろ、お昼が近いのですけど、レオはどうやって食べますの?」
『あ』
「特に考えないでうさちゃんになったのね?」
『……はい』
性欲は三大欲求に勝るものですの?
違いますわね。
レオのは性欲ではなく、単に抱っこされたかっただけなのでしょう。
素直にそう思っただけなのですから、かわいいですわ。
でも、ぬいぐるみにまで嫉妬するのはさすがにどうかと思いますのよ?
「ねぇ、レオ。うさちゃんの魔法はいつ解けますの?」
『日が落ちたら、大丈夫』
「それまでご飯が食べられませんわ。大丈夫ですの?」
『ぬいぐるみだし、動いてないから、意外とお腹減らないんだよね』
「意外と減らないということは減ってはいるのでしょう? 本当は食べたいのでしょう?」
『そ、そんなことないし』
「本当に? 本当はお腹が減っているのではありませんか? 肉汁の滴る焼き目の付いた厚い牛フィレのステーキを私が焼いて差し上げようかと思っていましたのに」
『さ、さかなが食べたい気分なんだ。残念だなぁ』
「あら。では私が一人でそれを食べていいの? レオの目の前で食べてもいいの? 本当にいいの?」
勿論、本気で言ってはいません。
レオはというともぞもぞと動かず、固まっているようね。
熟考しているのでしょう。
もぞっと動き始めましたから、決まったようですわ。
『食べたい。リーナと一緒に』
「はい。夜、二人きりで食べましょうね」
『うん』
「では、それまで二人でゆっくりしましょうか」
レオうさを抱っこしたまま、転移の魔法を発動したのですが、作業を行っていた方が何か、仰っていたような……。
鬼気迫る雰囲気のように見えたような……。
多分、気のせいですわね。
眼下にお城と湖を見下ろせる丘は色とりどりの花々に彩られた天然の花園です。
私とレオにとって、思い出深く、お気に入りの場所でもあります。
レオうさを抱っこしたまま、仰向けになりました。
一度、やってみたかったのですわ。
服が汚れますから、アンの仕事が増えるのは申し訳ないのですけど……これをやってみたかったのです!
レオうさを高い高いするとちょっと手足をばたつかせるのがかわいいですわ。
あまりのかわいさが心臓に悪いですわね。
『ねえ、リーナ。さっきの人さ。何か、叫んでなかった?』
「私、よく聞こえませんでしたの。何か、あったのかしら」
『さあ? 僕もよく聞こえなかったんだ』
「こんな立派な耳がございますのに?」
レオうさの長くて、良く聞こえそうなお耳をちょっと、引っ張ってみます。
手触りがよくて、ちょうどいいサイズなのでなでなでしていると心が落ち着いてきます。
「何だか、眠くなってきましたわ」
『そうだね』
レオうさはレオが入っているだけで普通のぬいぐるみです。
それなのに妙に温かみを感じるのはなぜかしら?
心が自然と落ち着いてくる人肌くらいの温かさにも感じますわね。
抱っこしているだけでポカポカしてきて、落ち着けますもの。
そのせいで眠くなってきて、もう……ちょっとくらい、寝ても平気かしら?
そっと意識を手放しました。
研究施設で何やら、ひと騒動あったようなのですけど、それはまた別のお話ですわ。
「え? ええ?」
『陸上でもある程度、戦闘出来る機動性が欲しいよね』
「は、はい?」
『重装甲と機動性を両立させるのが課題なんだ』
「そ、そうですのね?」
えっと、問題はそこなのかしら?
水中型自体の必要がないと思いますの。
アルフィンは確かに大きな湖に隣接してますけど、閉じた湖なのです。
水の中を通って、何かを仕掛けてくることはまず、不可能と言えるでしょう。
邪神ハイドラのように最初から、湖中に潜んでいたのなら、別ですけども。
「ねぇ、レオ。水中型の機体を計画するのはいいのですけど……どこで使いますの?」
『え、えっと。そこまで、考えてなかったー』
「レーオー」
『ぐるじいっで』
さらにギュウギュウとレオうさを締め付けたから、苦しいようで……そもそも、ぬいぐるみだから、本当は苦しくないのでしょ?
『あ、バレた?』
「私の心臓に悪いので変な声は出さないでくださいな。それよりも……」
『も?』
「そろそろ、お昼が近いのですけど、レオはどうやって食べますの?」
『あ』
「特に考えないでうさちゃんになったのね?」
『……はい』
性欲は三大欲求に勝るものですの?
違いますわね。
レオのは性欲ではなく、単に抱っこされたかっただけなのでしょう。
素直にそう思っただけなのですから、かわいいですわ。
でも、ぬいぐるみにまで嫉妬するのはさすがにどうかと思いますのよ?
「ねぇ、レオ。うさちゃんの魔法はいつ解けますの?」
『日が落ちたら、大丈夫』
「それまでご飯が食べられませんわ。大丈夫ですの?」
『ぬいぐるみだし、動いてないから、意外とお腹減らないんだよね』
「意外と減らないということは減ってはいるのでしょう? 本当は食べたいのでしょう?」
『そ、そんなことないし』
「本当に? 本当はお腹が減っているのではありませんか? 肉汁の滴る焼き目の付いた厚い牛フィレのステーキを私が焼いて差し上げようかと思っていましたのに」
『さ、さかなが食べたい気分なんだ。残念だなぁ』
「あら。では私が一人でそれを食べていいの? レオの目の前で食べてもいいの? 本当にいいの?」
勿論、本気で言ってはいません。
レオはというともぞもぞと動かず、固まっているようね。
熟考しているのでしょう。
もぞっと動き始めましたから、決まったようですわ。
『食べたい。リーナと一緒に』
「はい。夜、二人きりで食べましょうね」
『うん』
「では、それまで二人でゆっくりしましょうか」
レオうさを抱っこしたまま、転移の魔法を発動したのですが、作業を行っていた方が何か、仰っていたような……。
鬼気迫る雰囲気のように見えたような……。
多分、気のせいですわね。
眼下にお城と湖を見下ろせる丘は色とりどりの花々に彩られた天然の花園です。
私とレオにとって、思い出深く、お気に入りの場所でもあります。
レオうさを抱っこしたまま、仰向けになりました。
一度、やってみたかったのですわ。
服が汚れますから、アンの仕事が増えるのは申し訳ないのですけど……これをやってみたかったのです!
レオうさを高い高いするとちょっと手足をばたつかせるのがかわいいですわ。
あまりのかわいさが心臓に悪いですわね。
『ねえ、リーナ。さっきの人さ。何か、叫んでなかった?』
「私、よく聞こえませんでしたの。何か、あったのかしら」
『さあ? 僕もよく聞こえなかったんだ』
「こんな立派な耳がございますのに?」
レオうさの長くて、良く聞こえそうなお耳をちょっと、引っ張ってみます。
手触りがよくて、ちょうどいいサイズなのでなでなでしていると心が落ち着いてきます。
「何だか、眠くなってきましたわ」
『そうだね』
レオうさはレオが入っているだけで普通のぬいぐるみです。
それなのに妙に温かみを感じるのはなぜかしら?
心が自然と落ち着いてくる人肌くらいの温かさにも感じますわね。
抱っこしているだけでポカポカしてきて、落ち着けますもの。
そのせいで眠くなってきて、もう……ちょっとくらい、寝ても平気かしら?
そっと意識を手放しました。
研究施設で何やら、ひと騒動あったようなのですけど、それはまた別のお話ですわ。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる