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弐捨伍 奇妙な同居人②転生せし者
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コーネリアスとヤン。
利害関係が一致し、互いに歩み寄ったうえで成立したに過ぎない。
非常に危ういバランスの上でふらふらと均衡を保とうとするやじろべえのように不安定な状態にあった。
いくら双方に利のある理想的なものではあっても二人ともまだ、子供である。
少なくとも見た目は……。
その見た目が子供であるという前提が崩れる切っ掛けになったのは些細な出来事だった。
ある日、ヤンがふと漏らした言葉にコーネリアスが引っかかるものがあったのだ。
「ヤン。今、君は何と言った?」
「似てるよねって、言ったよ」
「その前だ。その前!」
コーネリアスの剣幕に呆れた様子のヤンだったが少し、思案するとこう言った。
「コウ兄さん、ハシビロコウみたいって言われない?」
「それだ! それ!!」
我が意を得たりと言わんばかりの勢いのコーネリアスにヤンは何のことだか、思いが及ばず首を捻る。
そんなことをお構いなしにコーネリアスは続けた。
「この世界で僕のことをハシビロコウと呼んだ者はヤン。君が初めてなんだよ」
「え? いや、ハシビロコウだよね、その髪と顔……」
「君は知らなかったようだね」
「な、何のことかな?」
「この世界では僕に似た鳥のことを何と呼んでいるか、知っているかい? シュービルと呼んでいるんだ」
「それなら、知ってるよ。ボクの故郷ではそう呼んで……はっ!?」
「なるほど。君の前世は英語を母国語としていたということかな?」
そこで初めて、ヤンはしまったと驚きを露わにした。
コーネリアスはその顔を見て、己の推理が正しかったのだとの思いを強くする。
ヤン・シャンス・グロセンタールは自分と同じ転生者であるという仮説だ。
ハシビロコウに似た大型の鳥類はヴェステンエッケから、遥か南方に生息していた。
灰色の羽毛と巨大な嘴があまりにも印象深いどこか愛嬌のあるこの鳥はコーネリアスの前世では非常に人気があった。
しかし、コーネリアスとして生きているこの世界でハシビロコウを知っている者は生物学を志していない限り、まずいないとしか言いようがない代物だった。
何より、ハシビロコウと呼ばれていない。
シュービルの名で呼ばれているのだ。
ハシビロコウという言葉を知っていること自体、光汰が生きていた世界から来たとしか考えられない事実だった。
「僕は嘴広光汰だった」
「いや、ウケる! 名前もハシビロコウなんかい。ああ。ごめんごめん。ボクは……うちだったわ~。うち、エリアル・フェローや。よろしくな、あんちゃん」
お腹を抱えて、げらげらと爆笑するヤンに圧倒されながらもコーネリアスは思った。
単なる偶然ではなく、自分達が出会ったことは必然だったのかもしれないと……。
利害関係が一致し、互いに歩み寄ったうえで成立したに過ぎない。
非常に危ういバランスの上でふらふらと均衡を保とうとするやじろべえのように不安定な状態にあった。
いくら双方に利のある理想的なものではあっても二人ともまだ、子供である。
少なくとも見た目は……。
その見た目が子供であるという前提が崩れる切っ掛けになったのは些細な出来事だった。
ある日、ヤンがふと漏らした言葉にコーネリアスが引っかかるものがあったのだ。
「ヤン。今、君は何と言った?」
「似てるよねって、言ったよ」
「その前だ。その前!」
コーネリアスの剣幕に呆れた様子のヤンだったが少し、思案するとこう言った。
「コウ兄さん、ハシビロコウみたいって言われない?」
「それだ! それ!!」
我が意を得たりと言わんばかりの勢いのコーネリアスにヤンは何のことだか、思いが及ばず首を捻る。
そんなことをお構いなしにコーネリアスは続けた。
「この世界で僕のことをハシビロコウと呼んだ者はヤン。君が初めてなんだよ」
「え? いや、ハシビロコウだよね、その髪と顔……」
「君は知らなかったようだね」
「な、何のことかな?」
「この世界では僕に似た鳥のことを何と呼んでいるか、知っているかい? シュービルと呼んでいるんだ」
「それなら、知ってるよ。ボクの故郷ではそう呼んで……はっ!?」
「なるほど。君の前世は英語を母国語としていたということかな?」
そこで初めて、ヤンはしまったと驚きを露わにした。
コーネリアスはその顔を見て、己の推理が正しかったのだとの思いを強くする。
ヤン・シャンス・グロセンタールは自分と同じ転生者であるという仮説だ。
ハシビロコウに似た大型の鳥類はヴェステンエッケから、遥か南方に生息していた。
灰色の羽毛と巨大な嘴があまりにも印象深いどこか愛嬌のあるこの鳥はコーネリアスの前世では非常に人気があった。
しかし、コーネリアスとして生きているこの世界でハシビロコウを知っている者は生物学を志していない限り、まずいないとしか言いようがない代物だった。
何より、ハシビロコウと呼ばれていない。
シュービルの名で呼ばれているのだ。
ハシビロコウという言葉を知っていること自体、光汰が生きていた世界から来たとしか考えられない事実だった。
「僕は嘴広光汰だった」
「いや、ウケる! 名前もハシビロコウなんかい。ああ。ごめんごめん。ボクは……うちだったわ~。うち、エリアル・フェローや。よろしくな、あんちゃん」
お腹を抱えて、げらげらと爆笑するヤンに圧倒されながらもコーネリアスは思った。
単なる偶然ではなく、自分達が出会ったことは必然だったのかもしれないと……。
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