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閑話 氷の姫君の後悔
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黒い甲冑の男とユーリウスの一騎討ちは戦いというにはあまりに美しかった。
私としたことがつい、見入ってしまった。
あれほどに鮮烈で人を魅了する戦いがあっただろうか?
しかし、油断していた。
突然、鳴り響いた轟音に何が起きたのかと気付いた時には遅かったのだ。
ベーオウルフのところの三弟だったか?
あの男が右腕を抑えながら、大地をのたうち回っていたのだ。
一体、何が起こったというのか?
落雷? 紅い稲妻など、聞いたこと無いが……。
混乱する頭を必死に回転させて考えるが全く、分からない。
「ふむ、この戦い、貴公の弟に免じて、貴公に譲ろう。また、会おう」
黒い甲冑が訳の分からないことを言って、撤退した。
一体、何を考えているんだ?
有利だった状況で退くというのも訳が分からない。
あの男(女かもしれないが)は我らを値踏みするように観察してから、ニヤッと笑ったようにも見えた。
顔を隠すフルヘルムだから、そんなはずはないのだが、確かにそう感じられたのだ。
試されたということか?
この私を……試すだと?
面白い……乗ってやろうではないか。
「皆、落ち着くがいい。これは好機である。この機に乗じて、全軍を進めるのだ! 今こそ、砦を落とす時ぞ」
皆、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、呆けている中、私は真っ先に我に返ったのだ。
今を逃したら、あの砦は落とせまい。
「皇女殿下、お立場を理解されよ。盟主は我が兄である。出過ぎた真似をされては陛下の心証も悪うございますぞ」
くっ。
この厭味ったらしい物言いはジャスティンか。
シモンも貴族主義のいけ好かない男ではある。
だが、あいつはあいつなりにまだ、可愛げというものがある。
私は面食いという訳ではないが悪くない面をしているし、意外と素直でいい男でもあるのだ。
ふむ。
話が脱線したが、ジャスティンは貴族主義に凝り固まっているだけでない。
シモンへのコンプレックスまである面倒なやつなのだ。
そのくせ、自己評価がとんでもなく高い。
本当に面倒なやつだ。
「分かっておるとも。シモン殿、今が好機です、号令をお願いできるか?」
「お? あ、ああ。さすがは皇女殿下、慧眼でございますな。一同、シャイデンを落とすぞ! 我について参れ」
うむ。
少しおだてるだけで実に使いやすいな。
私よりも十歳年上なのにこうも簡単に扱えるのだから、可愛いだろう?
諸侯連合軍の怒涛の攻めの前にシャイデンの砦が陥落したのはそれから、間もなくのことだった。
あまりの手応えの無さに呆気なさ過ぎて、何かの計略に掛かったのかと疑ったがそういう訳でもなかった。
あれだけの無双の強さを見せた黒い甲冑の男の姿がないのだ。
そればかりか、投降してきた守備兵の数が思ったより、少なくはないだろうか?
どういうことなのだ。
私の疑問に答えてくれる者はいない。
軍師を務めてくれるブレーンのような存在が欠けているからだ。
「皇女殿下、ここにおられましたか」
野太い声に急に現実に戻された。
誰かと思えば、先鋒として奮戦していた諸侯の一人ケネシュ・ソリアノの姿がそこにあった。
ソリアノ家は初代皇帝スレイマンに仕えた伝説の軍師ソリアノの血を引くと自称している。
それが影響しているのか、軍略に明るい武門の誉れ高き一族だ。
ただ、軍略に明るいだけでなく、勇敢で強者にも一歩も引かない心の強さも持っている。
そして、何よりも真っ直ぐな男だ。
「ソリアノ殿か。どうされました? 何か、不測の事態でも起きたか?」
「殿下はどう思われますか?」
「この戦いに裏があるとでも言うのか? 私も何かの計ではないかと疑ったがそうではないようだぞ」
「そうですな。そして、殿下も迷われているのですな?」
さすがは『南東の虎』。
異名を持つ男は伊達ではないといったところか。
私は迷っていた。
このまま、勝ちに乗じて、追撃すべきか、それとも様子を見るべきか、と。
迷う理由は私の持つ手勢の少なさだ。
ソラトガル家の力で動員できたのは虎の子の二千の騎兵のみだ。
二千の兵で追撃し、果たして戦果を上げられるだろうか?
難しいに違いないと判断したからこそ、悩んでいるのだ。
「私が自由に動かせる兵は少ないのでな。迷っているが、手の打ちようがないのだ」
ケネシュという男は戦いに滅法強さを見せるが、腹芸や駆け引きを好まない。
むしろ、そういうのを嫌っているのではないかというくらい潔癖な一面があるように見える。
だから、私は正直な気持ちを打ち明けたのだ。
「……三千の騎兵であれば、殿下のお力となりますかな?」
「私に貸してくれるというのか? 私に貸しを作っても得などないぞ?」
「損得ではござらん。私は殿下の力になりたいと思った。それだけでありますよ」
「ありがとう、ソリアノ殿。この恩は勝利を捧げることで報いよう」
だが、私はその言葉を果たせぬことを後悔しようとは思いもしなかった。
しくじった。
私としたことが何という愚かなことをしたのだ。
やはり、罠だった。
ケネシュから借りた三千の騎兵と手勢の二千で合計五千の騎兵を手にした私は敗走する敵の追撃に入ったのだ。
ところが気付いた時にはもう遅かった。
山谷に伏せられていた兵に四方を囲まれていた。
伏兵だ。
ざっと見ただけでこちらの十倍はいそうな敵を前に味方が次々と討ち取られていく。
雨のように降り注ぐ矢で斃れていく兵の姿を見て、己がしでかした罪に胸が痛む。
「私にはやはり、無理だったのだ。こんな小娘になど、出来るはずなかったのだ」
愛馬も倒れ、地面に投げ出された私にはこの絶望から希望を見出すことなど、出来そうになかった。
このまま、私も射殺されるのだろうか?
それとも私が女だから、もっと酷い目に遭わされるのか?
なら、もういっそのこと死んでしまおうか?
「姫! ここにおわしたか」
「コンラウス! 無事だったか、もう私は駄目だ……私など捨て置き、落ちるがいい」
既に諦めかけていたところに、従兄のコンラウスが無事な姿で現れたことに安堵して、心を撫でおろす。
だが、これ以上、私に付き合わせるべきではない。
死ぬのなら、私だけで充分だ。
そんな思いに駆られた。
つい突き放した物言いをしてしまう。
「姫! 姫はこの乱世になくてはならぬお方。コンラウスがいなくとも世界は動きますが姫がいなければ、世界は止まるのですぞ。さあ、私の馬を使って、行ってください!」
「コンラウス、すまない……私の為に」
その間にも矢の雨は降り止まず、味方は次々と斃れている。
もはや、これまでなのだろうか?
私一人が死ぬのなら、こんなに後悔しないものを!
コンラウスを付き合わせることになってしまい、激しく後悔している。
「ここまでかもしれぬな。お前を巻き込んでしまって、すまぬ」
「姫、何を仰いますか。姫と最期を共にしたことを冥府で自慢出来るのです。むしろ、光栄なことですぞ」
覚悟を決めた。
私はここまでの女だったということだ。
ところが覚悟を決めたのにあれほど、降り注いでいた矢の雨がぴたりと止んだ。
敵勢は一向に止めを刺しに来ない。
一体、何が起きたというのか?
疑問を感じるよりも早く、私は不躾な視線を感じ、そちらに目をやった。
暗がりだと言うのに光を帯びるような錯覚を感じる美しい男がそこに立っていた。
私はこいつを知っている。
あの時の目だ!
「麗しき皇女殿下。ご機嫌麗し……くはないですね。お初にお目にかかります。お……いや、私はフレデリク・フォン・リンブルク」
こいつは間違いない。
あの黒いやつに違いないだろう。
どういうことだ? 私を殺しに来たにしてはおかしい。
コンラウスも状況が掴めず、動きを取れないようだ。
私も正直、どうすればいいか、分からない。
「ゾフィーア皇女殿下、私を雇ってくれませんかね?」
はぁ!?
私の混乱した頭の上から、さらに金槌で殴れた気分だ。
混乱が極まったぞ。
一体、何がどうなっているのか、説明を求める必要がありそうだな。
私としたことがつい、見入ってしまった。
あれほどに鮮烈で人を魅了する戦いがあっただろうか?
しかし、油断していた。
突然、鳴り響いた轟音に何が起きたのかと気付いた時には遅かったのだ。
ベーオウルフのところの三弟だったか?
あの男が右腕を抑えながら、大地をのたうち回っていたのだ。
一体、何が起こったというのか?
落雷? 紅い稲妻など、聞いたこと無いが……。
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「ふむ、この戦い、貴公の弟に免じて、貴公に譲ろう。また、会おう」
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一体、何を考えているんだ?
有利だった状況で退くというのも訳が分からない。
あの男(女かもしれないが)は我らを値踏みするように観察してから、ニヤッと笑ったようにも見えた。
顔を隠すフルヘルムだから、そんなはずはないのだが、確かにそう感じられたのだ。
試されたということか?
この私を……試すだと?
面白い……乗ってやろうではないか。
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皆、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、呆けている中、私は真っ先に我に返ったのだ。
今を逃したら、あの砦は落とせまい。
「皇女殿下、お立場を理解されよ。盟主は我が兄である。出過ぎた真似をされては陛下の心証も悪うございますぞ」
くっ。
この厭味ったらしい物言いはジャスティンか。
シモンも貴族主義のいけ好かない男ではある。
だが、あいつはあいつなりにまだ、可愛げというものがある。
私は面食いという訳ではないが悪くない面をしているし、意外と素直でいい男でもあるのだ。
ふむ。
話が脱線したが、ジャスティンは貴族主義に凝り固まっているだけでない。
シモンへのコンプレックスまである面倒なやつなのだ。
そのくせ、自己評価がとんでもなく高い。
本当に面倒なやつだ。
「分かっておるとも。シモン殿、今が好機です、号令をお願いできるか?」
「お? あ、ああ。さすがは皇女殿下、慧眼でございますな。一同、シャイデンを落とすぞ! 我について参れ」
うむ。
少しおだてるだけで実に使いやすいな。
私よりも十歳年上なのにこうも簡単に扱えるのだから、可愛いだろう?
諸侯連合軍の怒涛の攻めの前にシャイデンの砦が陥落したのはそれから、間もなくのことだった。
あまりの手応えの無さに呆気なさ過ぎて、何かの計略に掛かったのかと疑ったがそういう訳でもなかった。
あれだけの無双の強さを見せた黒い甲冑の男の姿がないのだ。
そればかりか、投降してきた守備兵の数が思ったより、少なくはないだろうか?
どういうことなのだ。
私の疑問に答えてくれる者はいない。
軍師を務めてくれるブレーンのような存在が欠けているからだ。
「皇女殿下、ここにおられましたか」
野太い声に急に現実に戻された。
誰かと思えば、先鋒として奮戦していた諸侯の一人ケネシュ・ソリアノの姿がそこにあった。
ソリアノ家は初代皇帝スレイマンに仕えた伝説の軍師ソリアノの血を引くと自称している。
それが影響しているのか、軍略に明るい武門の誉れ高き一族だ。
ただ、軍略に明るいだけでなく、勇敢で強者にも一歩も引かない心の強さも持っている。
そして、何よりも真っ直ぐな男だ。
「ソリアノ殿か。どうされました? 何か、不測の事態でも起きたか?」
「殿下はどう思われますか?」
「この戦いに裏があるとでも言うのか? 私も何かの計ではないかと疑ったがそうではないようだぞ」
「そうですな。そして、殿下も迷われているのですな?」
さすがは『南東の虎』。
異名を持つ男は伊達ではないといったところか。
私は迷っていた。
このまま、勝ちに乗じて、追撃すべきか、それとも様子を見るべきか、と。
迷う理由は私の持つ手勢の少なさだ。
ソラトガル家の力で動員できたのは虎の子の二千の騎兵のみだ。
二千の兵で追撃し、果たして戦果を上げられるだろうか?
難しいに違いないと判断したからこそ、悩んでいるのだ。
「私が自由に動かせる兵は少ないのでな。迷っているが、手の打ちようがないのだ」
ケネシュという男は戦いに滅法強さを見せるが、腹芸や駆け引きを好まない。
むしろ、そういうのを嫌っているのではないかというくらい潔癖な一面があるように見える。
だから、私は正直な気持ちを打ち明けたのだ。
「……三千の騎兵であれば、殿下のお力となりますかな?」
「私に貸してくれるというのか? 私に貸しを作っても得などないぞ?」
「損得ではござらん。私は殿下の力になりたいと思った。それだけでありますよ」
「ありがとう、ソリアノ殿。この恩は勝利を捧げることで報いよう」
だが、私はその言葉を果たせぬことを後悔しようとは思いもしなかった。
しくじった。
私としたことが何という愚かなことをしたのだ。
やはり、罠だった。
ケネシュから借りた三千の騎兵と手勢の二千で合計五千の騎兵を手にした私は敗走する敵の追撃に入ったのだ。
ところが気付いた時にはもう遅かった。
山谷に伏せられていた兵に四方を囲まれていた。
伏兵だ。
ざっと見ただけでこちらの十倍はいそうな敵を前に味方が次々と討ち取られていく。
雨のように降り注ぐ矢で斃れていく兵の姿を見て、己がしでかした罪に胸が痛む。
「私にはやはり、無理だったのだ。こんな小娘になど、出来るはずなかったのだ」
愛馬も倒れ、地面に投げ出された私にはこの絶望から希望を見出すことなど、出来そうになかった。
このまま、私も射殺されるのだろうか?
それとも私が女だから、もっと酷い目に遭わされるのか?
なら、もういっそのこと死んでしまおうか?
「姫! ここにおわしたか」
「コンラウス! 無事だったか、もう私は駄目だ……私など捨て置き、落ちるがいい」
既に諦めかけていたところに、従兄のコンラウスが無事な姿で現れたことに安堵して、心を撫でおろす。
だが、これ以上、私に付き合わせるべきではない。
死ぬのなら、私だけで充分だ。
そんな思いに駆られた。
つい突き放した物言いをしてしまう。
「姫! 姫はこの乱世になくてはならぬお方。コンラウスがいなくとも世界は動きますが姫がいなければ、世界は止まるのですぞ。さあ、私の馬を使って、行ってください!」
「コンラウス、すまない……私の為に」
その間にも矢の雨は降り止まず、味方は次々と斃れている。
もはや、これまでなのだろうか?
私一人が死ぬのなら、こんなに後悔しないものを!
コンラウスを付き合わせることになってしまい、激しく後悔している。
「ここまでかもしれぬな。お前を巻き込んでしまって、すまぬ」
「姫、何を仰いますか。姫と最期を共にしたことを冥府で自慢出来るのです。むしろ、光栄なことですぞ」
覚悟を決めた。
私はここまでの女だったということだ。
ところが覚悟を決めたのにあれほど、降り注いでいた矢の雨がぴたりと止んだ。
敵勢は一向に止めを刺しに来ない。
一体、何が起きたというのか?
疑問を感じるよりも早く、私は不躾な視線を感じ、そちらに目をやった。
暗がりだと言うのに光を帯びるような錯覚を感じる美しい男がそこに立っていた。
私はこいつを知っている。
あの時の目だ!
「麗しき皇女殿下。ご機嫌麗し……くはないですね。お初にお目にかかります。お……いや、私はフレデリク・フォン・リンブルク」
こいつは間違いない。
あの黒いやつに違いないだろう。
どういうことだ? 私を殺しに来たにしてはおかしい。
コンラウスも状況が掴めず、動きを取れないようだ。
私も正直、どうすればいいか、分からない。
「ゾフィーア皇女殿下、私を雇ってくれませんかね?」
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