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28 わたしのできること
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かなり離れているのにシュッシュッと風を切る音が聞こえてくる。
そのパンチは光速を超える!
とは言わないまけど、音速を超えていてもおかしくなさそう……。
気のせいか、シャコもどきがパンチをしている周囲の空間だけ、熱が発生しているように見える。
そういえば、前にテレビで見たことあったっけ。
高速パンチを繰り出すシャコがいるとか、なんとか。
「近付いたら、危なそうね」
「だからって、遠くから見ていても駆逐できねぇでございましょう」
「当たらなければ、どうってことないよ」
二対一で多数決。
どうやら、あのヤバいのを相手に近接戦を挑むつもりらしい。
種族の枷というのがある。
グルヌイユは小柄で体格的に恵まれない。
その為、あまり近接戦や格闘戦に向いていないというのが大方の考えだ。
でも、実際は優れた動体視力を持っている。
小柄であっても高い筋力もある。
うまく立ち回れば、ウィークポイントをストロングポイントに変えることができるって訳。
彼はそう信じて、頑張っている子なのだ。
ラバーさんは言わずとも分かる。
きっと脳まで鍛えちゃった人だ。
バトルシスターとか、武闘派修道女とか。
そういう単語が似合う人に違いない。
「分かったわ。じゃあ、わたしはわたしのできることをするね」
「おっけー」
「え、えっとぉ。大丈夫よねぇ?」
「まぁ、任せてください! とは言えないけど、頑張ります」
「そっかぁ。分かった」と言い終わらないうちに駆け出しているラバーさんはやっぱり、脳まで鍛えてると思うのよ。
それはいいとして……。
「さてとサポートは久しぶりね。いっちょやりますか」
『ミレイユなのに珍しく、やる気ですね。いいことです』
肩の上でしたり顔をするこの垂れ耳!
二度と垂れてこないようにぴょこんとさせましょうか。
いや、できないから、やらないけど。
「要領は一緒だしね」
ストレージから、『アーバレスト』を取り出して、構える。
狙うのはとりあえず、そう。
ユーくんよね。
分かる人にやって、効果を見せた方がラバーさんにも分かってもらえるだろうし!
「サポートのサポートをお願い」
『注文が多いのはいけないと思います』
そう言いながらもバルディエルは仕事をしっかりとやってくれる子なのだ。
そう。
『アーバレスト』の存在価値は敵を倒す武器であることにあらず! なのよね。
実は正反対の効果も出せる。
例えばの話。
わたしは自分が動きやすいようにと無意識に風の魔法を発動して、使っている。
これを効果的に他の人にも使うのがいわゆる、支援魔法って呼ばれているんだけど。
『アーバレスト』はそれをサポートしてくれるのよ。
敵を倒す時は攻撃的な魔法の弾丸を装填していたけど、今度は違う。
要はイメージの問題だから。
大事なのはどうイメージをするか。
ユーくんがより速く、強く、動けるようにイメージして、魔法の矢を装填する。
これで大丈夫なはず!
「ユーくん、いっくよー」
これで伝わったのでいける。
後はいつもと同じ要領だけど目標に選ぶのが、敵ではないってこと。
ユーくんをターゲットして、撃つ!
そのパンチは光速を超える!
とは言わないまけど、音速を超えていてもおかしくなさそう……。
気のせいか、シャコもどきがパンチをしている周囲の空間だけ、熱が発生しているように見える。
そういえば、前にテレビで見たことあったっけ。
高速パンチを繰り出すシャコがいるとか、なんとか。
「近付いたら、危なそうね」
「だからって、遠くから見ていても駆逐できねぇでございましょう」
「当たらなければ、どうってことないよ」
二対一で多数決。
どうやら、あのヤバいのを相手に近接戦を挑むつもりらしい。
種族の枷というのがある。
グルヌイユは小柄で体格的に恵まれない。
その為、あまり近接戦や格闘戦に向いていないというのが大方の考えだ。
でも、実際は優れた動体視力を持っている。
小柄であっても高い筋力もある。
うまく立ち回れば、ウィークポイントをストロングポイントに変えることができるって訳。
彼はそう信じて、頑張っている子なのだ。
ラバーさんは言わずとも分かる。
きっと脳まで鍛えちゃった人だ。
バトルシスターとか、武闘派修道女とか。
そういう単語が似合う人に違いない。
「分かったわ。じゃあ、わたしはわたしのできることをするね」
「おっけー」
「え、えっとぉ。大丈夫よねぇ?」
「まぁ、任せてください! とは言えないけど、頑張ります」
「そっかぁ。分かった」と言い終わらないうちに駆け出しているラバーさんはやっぱり、脳まで鍛えてると思うのよ。
それはいいとして……。
「さてとサポートは久しぶりね。いっちょやりますか」
『ミレイユなのに珍しく、やる気ですね。いいことです』
肩の上でしたり顔をするこの垂れ耳!
二度と垂れてこないようにぴょこんとさせましょうか。
いや、できないから、やらないけど。
「要領は一緒だしね」
ストレージから、『アーバレスト』を取り出して、構える。
狙うのはとりあえず、そう。
ユーくんよね。
分かる人にやって、効果を見せた方がラバーさんにも分かってもらえるだろうし!
「サポートのサポートをお願い」
『注文が多いのはいけないと思います』
そう言いながらもバルディエルは仕事をしっかりとやってくれる子なのだ。
そう。
『アーバレスト』の存在価値は敵を倒す武器であることにあらず! なのよね。
実は正反対の効果も出せる。
例えばの話。
わたしは自分が動きやすいようにと無意識に風の魔法を発動して、使っている。
これを効果的に他の人にも使うのがいわゆる、支援魔法って呼ばれているんだけど。
『アーバレスト』はそれをサポートしてくれるのよ。
敵を倒す時は攻撃的な魔法の弾丸を装填していたけど、今度は違う。
要はイメージの問題だから。
大事なのはどうイメージをするか。
ユーくんがより速く、強く、動けるようにイメージして、魔法の矢を装填する。
これで大丈夫なはず!
「ユーくん、いっくよー」
これで伝わったのでいける。
後はいつもと同じ要領だけど目標に選ぶのが、敵ではないってこと。
ユーくんをターゲットして、撃つ!
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